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ミャンマーにおける知的財産法制の制定について -2020年02月06日

ミャンマーにおいて、2020年1月30日、商標法が制定されました。近い将来において施行が予定されています。

「商標法(翻訳)
連邦議会法第No.3, 2019
ミャンマー暦1月下弦10日
(The 10th Waning Day of Pyatho)
2019年1月30日
連邦議会はここに本法を制定する。」

従来も、ミャンマーでの商標保護としては、「登録法」による登録「Office of Registration of Deeds(ORD)」がありましたが、先使用主義であり、新聞での公告を必要とするなど、独特の点が多くありました。
今回成立した知的財産法制は、特許法、意匠法、商標法からなり、国際的調和の観点からも前進したものとなっています。

1. (a) 本法は「商標法」と称するものとする。
(b) 本法は、連邦大統領が発効の目的のために指定する日に発効するものとする。

条文を見てみると、日本の商標法と比較して、知的財産の中央委員会の設立法、商標法、地理的表示法、商号の保護法、知的財産裁判所の設立法などが一体となったような、不思議な法律となっています。

(i) 知的財産権とは、知的財産を保護するために法律により付与された権利をいう。「知的財産権」という用語には、著作権、特許権、工業意匠権、商標権その他の知的財産権を含む。

知的財産の定義となっています。

(j) 標章とは、個人名、文字、数字、図形要素、色の組み合わせ、又はそれらを組み合わせたものを含む、事業における商品及び役務を他者のものとの区別を可能にする視覚的標識をいう。この用語には、商標、サービスマーク、団体標章、及び認証標章を含む。

標章の定義となります。

(k) 商標とは、ある者が商取引に際して取引する商品について、他者が同様に取引する商品との区別を可能にする標章をいう。
l) サービスマークとは、サービスの提供に際してある者が提供するサービスにつき、他者が同様に提供するサービスとの区別を可能にする標章をいう。

商標の定義であり、標章のうち、商品や役務について使用するものを商標とするという、日本での定義と同様の内容です。

(m) 団体標章とは、産業の企業家、製造者又は業者から成る機構又は組織のような組織、社会経済組織、又は協同組合により保有される標章をいう。この用語には、当該組織の構成員の商品又はサービスと、他の商品又はサービスとの区別を可能にする標章が含まれる。

(n) 認証標章とは、標章の権利者により、商品及びサービスの出所、品質、種類又はその他性質に関連し、標章の権利者の管理下において使用されることが保証される標章をいう。

(o) 地理的表示とは、ある商品の品質、評判又はその他性質(の要因)が本質的にその地理的原産に帰せられる場合において、ある国、又は当該国の地域若しくは地方を出所に持つ商品を特定する標識をいう。

(p) 著名な標章とは、所定の基準に従って連邦内において著名な標章をいう。

(q) 商号とは、ある取引事業と他の取引事業との区別を可能にする氏名又は呼称をいう。

「第7章 登録不可能な標章」の章では、登録できない商標について規定しています。
「絶対的拒絶理由」とされ、日本の商標法の第3条と、第4条のうちの公益的理由による拒絶理由の一部とを含んだ内容になっています。

13. ある標章が以下の項目のいずれかに該当する場合、当該事由は登録の絶対的拒絶理由とみなされ、当該標章は登録されないものとする。

(a) 標章が識別性を有さない場合
(b) 取引上、商品の生産又はサービスの提供の種類、関連情報、品質、数量、意図された用途、価値、地理的原産、若しくは生産時期、又は商品若しくはサービスのその他の性質を特定する役割を果たし得る記号又は表示のみにより構成される標章 例外:以下の場合は、標章の登録申請は拒絶してはならないものとする。
i. 当該標章の登録出願申請日の前に、使用者間における当該標章の使用の結果、当該標章が実際に識別性を獲得した場合 ii. 出願人が連邦における取引に際し、標章を誠実に、独占的かつ継続的に使用した場合
(c) 公序良俗、倫理、宗教及び信条、連邦の評判、文化、又は民族社会の慣習に反する標章
(d) 記号又は表示のみから構成される標章で、現代語若しくは善意の確立された取引慣習において一般的又は慣習的なものになったもの
(e) (b)の観点から、取引の過程において、又は公衆に対して欺罔的である標章
(f) その全部又は一部が、国家の統制又は保証を示唆する旗、盾用紋章、その他紋章、公式の記号、及び品質証明、又は政府間組織の盾用紋章、旗、その他紋章、名称、若しくはイニシャルと同一であるか又はそれらの模倣から成り、該当する当局から許可を得ていない、若しくは、その使用が公衆に誤解を与える標章
(g) 連邦が批准している国際条約に従って特に保護されている記号を含む標章

次の第14条では、「相対的拒絶理由」として、日本の商標法第4条に対応するような拒絶理由が列挙されています。

14. ある標章が以下の項目のいずれかに該当する場合、当該事由は登録の相対的拒絶理由とみなされるものとし、当該標章は登録されないものとする。

(a) 他者の登録標章、先に登録出願申請のあった標章、又は標章の優先権の主張がなされている標章と同一又は類似する標章であり、標章が保護されている商品又はサービスと類似又は同一である商品又はサービスについてのものであり、需要者に誤解を与えるもの
(b) 個人の個人的権利、又は法人の名称と評判に対して悪影響を及ぼす、当該個人又は法人の同意を得ない標章の使用
(c) 他者の知的財産権を侵害し得る表示である標章
(d) 不誠実に登録出願が申請された標章
(e) 著名な標章と同一又は類似し、当該著名な標章が使用されている商品又はサービスと類似又は同一である商品又はサービスについて使用され、それ故に需要者に誤解を与えている標章について登録出願の申請がなされているもの
(f) 登録出願が申請されている標章で、登録済みの著名な標章と同一又は類似しており、かつ、当該登録済み著名標章が保護されている商品又はサービスとは異なる商品又はサービスについて使用されているが、出願人の商品又はサービスと当該著名標章の権利者との間に繋がりがあることを示唆し得るものであり、そのような使用が当該登録済み著名標章の権利者の利益を害する可能性があるもの

「第8章 出願」では、出願手続きについて規定しています。

15. 標章についての権利を得るために当該標章の登録出願を申請することを望む者は、所定の要件に従って登録官に出願を提出することができる。
16. 標章登録の出願人は、
(a) 登録出願申請書をミャンマー語又は英語で作成することができる。
(b) 登録官の要請があれば、申請書をミャンマー語から英語に、又はその逆に翻訳するものとする。
(c) 当該翻訳が(b)に従って要求された場合、翻訳に認証の署名をするものとする。

従前のミャンマーでの商標保護は先使用主義であったのに対して、知的財産庁の設立後、商標法の施行後には、先願主義が採用されます。
これまでの登録法による既存商標への優先措置が、詳細は商標規則等にて規定される予定となっています。

諸外国の法令・条約等(特許庁)
特許法(PDF、外部サイトへリンク) ※注: 施行日未定
意匠法(PDF:515KB) ※注: 施行日未定
商標法(PDF:413KB) ※注: 施行日未定


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