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ブランディング-商標の制作

商標とブランディング

ブランド(brand)という言葉は、英語の「burned」からきており、焼印を押すという意味がその起源です。古くは、放牧してある牛に焼印を押したり、醸造されたウィスキーの酒樽に焼印を押したりして、所有者や製造元を区別するために文字やマークを入れたことがはじまりです。
わが国でも、陶磁器に窯元や作者の印章・紋章を押したり、造り酒屋の軒先の杉玉(酒林)を吊り下げたり、看板の文字や紋章、あるいは家紋などに工夫がこらされてきました。

商工業の発達とともに、このように製造者、販売者などを識別するための文字や紋章などを保護するため、商標登録制度が設けられました。

商標には、自分のところの商品と、他の商品とを区別する機能(自他商品識別機能)、商品やサービスが一定の製造者や販売者により提供されることを認知させる機能(出所表示機能)、ブランドがその商品やサービスは一定の質を備えていることを保証する機能(品質保証機能)、これらを需要者、消費者に知らしめることにより、より認知度や好感度を高めブランドを維持・発展する機能(広告宣伝機能)があるといわれています。

ただし、製造者、販売者などを識別するための文字や紋章、マーク、さらには立体商標、コーポレートカラー、ジングル(音)などは、ブランドのシンボルの一部分にすぎません。
そのブランドが提供し、保証し、約束する理念や、商品・サービスの水準や、広告・宣伝のメッセージや、経営理念、経営者や事業を提供する者の考え方、店員の態度に至るまで、需要者・消費者が目にし耳にするブランドを構成するすべての要素が、ブランドづくりには大切な要素となります。

商標の制作について

商標を設計し制作するために大切なこと。
ブランドをどのようなコンセプトで、どのような消費者に対し、どのように伝えていくかを策定することが、広い意味でのブランド設計です。
これを具体的に商品展開、広告展開、販売の現場において展開するために、商品企画・デザイン、パッケージ企画・デザイン、サービス内容の設定を行い、使用されるブランドのシンボルとなる商標を決めることが、狭い意味でのブランド設計となります。

ブランドシンボルとなる商標は、消費者が目にし、耳にし、時には触り、そのブランド商品・サービスを他とは区別する際の重要な要素となります。

ネーミング
ネーミングの制作で大切なことは、わかりやすいこと、覚えやすいこと、他と区別しやすいこと、商品・サービスの内容が連想できることなどです。
商標登録されていないこと、商標登録できること、インターネットでの展開を考えればドメインネームの登録ができることなどが必要です。
また、消費者に対し悪い印象を与えるものではないこと(たとえば、外国語での意味、他者の模倣など)などが重要になります。

ロゴデザイン
ロゴマークなどの制作について大切なことは、ブランドイメージを視覚的に体現したロゴであること、顧客(ターゲット)の感性に受け入れられやすいロゴであること、パッケージ・ツール・メディアに付した際に識別しやすいものであること、ブランドイメージにそぐわないデザイン・色彩ではないこと、などです。
さらに、商標登録されていないこと、商標登録できること、他人の著作権を侵害しないものであることなどが必要になります。

キャラクターデザイン
キャラクターは、近年多くのブランドで用いられ、そのブランドイメージを、人、動物、架空のキャラクターなどを通じてアピールするとともに、パッケージ・ツール・メディア・販売促進・商品化などによってイメージキャラクターとして活用されています。
実在人物などを広告キャラクター、イメージキャラクターとして起用することもあります。

シンボルカラー
ロゴデザインだけではなく、印刷物・ツール、店舗デザイン、制服デザインなどに共通して使うカラーを策定する場合があります。
色彩は、ブランドイメージ、消費者に受け入れられたい心理などを表現する有効な媒体となります。
競合ブランドのシンボルカラーには注意が必要です。

ジングル
商品・サービスを宣伝・告知する際に用いられる短い音楽・音声です。
覚えやすいこと、印象に残りやすいこと、口ずさみやすいことなどが重要になります。
音も商標の一種であるという考え方が世界的に広まりつつあります。

ブランドの種類

企業ブランド
企業(事業体)が、提供する商品やサービス全般について統一して用いる、コーポレートブランドです。また、複数のグループ企業がグループ全体で統一して用いるものも多くあります。会社名やマークなどのシンボル、また企業グループのシンボルを多くは使用しますが、社名以外の愛称(ペットネーム)を統一して使用することもあります。

例:「SONY」「TOYOTA」「NTT」「Microsoft」

事業ブランド
企業(事業体)の中の特定事業分野の商品・サービスに統一して用いるブランドです。

例:「National」「Panasonic」「デルモンテ」「オペル」「AfternoonTea」

ファミリーブランド

複数のカテゴリーに属する商品やサービスのラインナップについて共通して用いるブランドです。

例:「植物物語」

個別ブランド

個別の商品名・サービス名などのブランドです。

例:「VAIO」「iBOOK」「カローラ」

これらは厳密に区別できるものではなく、また企業名+個別商品名のようなブランド名(例:「アサヒスーパードライ」)もあります。
また地域の複数の事業者が共通して使用する地域ブランド(例:「信州味噌」「関サバ」)などもあります。

ブランディングの手順

市場環境・事業環境の分析
行おうとしているブランド(全社的な事業、事業分野、商品・サービス)の置かれている市場環境や、経済・技術・市場・販売網・消費者などを含む事業環境の分析に基づき、事業計画、事業戦略を構築します。

既存ブランドの再構築、または新規ブランドの投入の目的の決定
新規ブランドの立ち上げや、ブランドのラインナップの見直し、再編、拡張、既存ブランドのリニューアル、ブランド間の提携など、ブランディングの目的を定めます。

消費者調査
消費者・需要者に対する、自社イメージ、自社の認知度、自社ブランドイメージ、自社ブランドの認知度、競合ブランドイメージ、競合ブランドの認知度、ライフスタイル・嗜好調査、購入するブランド決定要因、価格についての調査、広告についての調査などを行います。

自社のブランド、経営資源の強み・弱みを分析
市場環境や消費者調査に基づき、自社ブランドの特色、競合ブランドとの差別化、競合ブランドにはない「売り」、自社が強みを持つ経営資源、自社の弱みなどを分析し、ブランディングの目的に沿って、自社ブランドが目指すべき姿(マーケティングコンセプト、ポジショニング)を構想します。

競合ブランド、経営資源の強み・弱みを分析
市場環境や消費者調査に基づき、競合ブランドの特色、現状、競合ブランドの「売り」、競合ブランドが強みを持つ経営資源、競合ブランドの弱みなどを分析し、ブランディングの目的に沿って、競合ブランドとの差別化をすべきポイント(「USP」:ユニーク、セリング、プロポジション)を構想します。

ブランドの使命(ミッション)、約束を構築
自社が提供するブランドの使命、ブランドの顧客(ターゲット)にとってのブランドのあるべき姿(ブランドの価値)を定め、ブランドが顧客に対し提供する約束(ブランドプロミス)を、ブランディング担当チーム全体で共有します。
ブランドが顧客に対し提供する約束(ブランドプロミス)は、ブランドの顧客(ターゲット)に対し、ブランドシンボル(ネーミング、マーク、商標など)の付された商品・サービスが、ブランドのあるべき姿(ブランドの価値)を提供するものであることを保証し続けることによって、顧客を裏切ることのないことを約束するものです。
具体的には、「生涯安心して使用できる品質・アフターサービスの行き届いた鞄」、「世界一安全な自動車」、「早い、安い、うまい中華麺」、「商標調査と助言の品質を顧客に約束する商標登録サービス」などの約束です。

ブランドの設計
ブランドが顧客に対し提供する約束(ブランドプロミス)に基づき、ブランドの理念、商品・サービス内容と、ブランドシンボル(ネーミング、ロゴデザイン、キャラクターデザイン、パッケージデザイン、印刷物・ツールデザイン、店舗デザイン等)を行います。商標登録その他の知的財産調査・管理も行います。

ブランド伝達の戦略を構築
ブランドの顧客(ターゲット)に対するコミュニケーション計画を立案し、メディア戦略、コピーライティング、ビジュアル設計、顧客対応体制、ブランド管理マニュアルの策定を行います。
ブランドのシンボルは、単にネーミング、マーク、ロゴデザインなどの商標を構成する要素だけではなく、パッケージデザイン、広告メッセージ、店舗デザイン、店舗での顧客の応対、アフターサービスでの応対、経営者のメディアでの発言など、あらゆる場面で多岐にわたります。

ブランド評価と管理
ブランドシンボルに対する評価、コミュニケーション評価、継続する消費者調査、社内評価などによって、Plan(企画立案)、Do(実施)、See(調査検証)を繰り返します。
営業マンのちょっとした応対のまずさや、ウェブサイトでのユーザーの使いやすさを考慮しない設計などによってブランドイメージは損なわれ、企業不祥事やその際の経営者の対応によってはブランドの約束は崩壊します。
ブランド管理、知的財産管理を適切に行います。

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