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特許庁への出願・審査

最近気になることとして、やたらと自分で商標登録できる!みたいな内容のものが見受けられます。一般の方が実際に手続してみたというものや、弁理士が解説しているものもあります。
しかしこのような解説では、(1)まずは類似商標の検索をする、(2)商標登録願の書式を用意して書類を作る、(3)特許庁に提出する、という内容になっているのが通例で、類似商標検索以外の調査・検索・検討や、指定商品・役務の検討など、結構肝心のところが抜けていたりします。
そこで、もう少し実際の仕事に則した事例を説明してみたいと思います。

ロゴか文字か・識別力調査 | 類似商標検索調査 | 出願書類作成 | 特許庁への出願・審査

さて、ロゴの制作、識別力調査、類似商標検索調査、出願書類作成と済み、いよいよ特許庁への出願となります。
恥ずかしながら自分の過去の出願と、現在のロゴの制作を題材にして、説明をしてきているわけですが、ご依頼者の事例を紹介するわけにもいかないという理由のほかにも、これを題材とした理由があります。
実は、方式審査において手続補正書(方式)を提出し、さらに拒絶理由通知を受けているからです。
説明事例としてはすんなり登録では面白くありません。

特許庁への出願

2004年に実際に出願した内容は下記の通りです。
商標登録願(PDF)


【書類名】      商標登録願
【整理番号】     T04200
【提出日】      平成16年2月16日
【あて先】      特許庁長官 殿
【商標登録を受けようとする商標】
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【指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分】
  【第42類】
  【指定商品(指定役務)】  商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインのための電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインに関するウェブサイトの設計・作成又は保守,商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインのための電子計算機用プログラムの提供,商標権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務,商標の国際登録出願に関する手続の代理又は鑑定その他の事務,商標権又は商品等表示に基づく輸入差止申立に関する手続の代理又は鑑定その他の事務,商標権又は商品等表示に関する仲裁事件・訴訟事件その他に関する法律事務(弁理士が手続の代理又は補佐人となることができる法律事務に限る。),商標権・未登録商標・商品等表示及びキャラクターに関する商品化権に関する契約の代理又は媒介,商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインのための電子計算機のプログラムに係る著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,商標又はサービスマークに関し外国(日本は除く。)特許庁に対する出願から権利取得・実施契約までの関連手続の代行又は仲介,商標のネーミング及びロゴデザインの考案,商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインのための電子計算機のプログラムの操作方法等に関する紹介及び説明,商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインのためのウェブサイトの操作方法等に関する紹介及び説明,商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインに関する情報の提供,インターネットを用いて行うドメイン名検索用の検索エンジンの提供,電子計算機端末及びその他通信におけるドメイン名取得手続の事務処理の代行,インターネットドメイン名の登録及び管理に関する情報の提供,商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインに関する助言,商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインに関するウェブサイトにおけるサーバーの記憶領域の貸与,商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインのための電子計算機のプログラムの貸与,商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインのための電子計算機のプログラムを記憶させたサーバー及びその他の電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与
【商標登録出願人】
  【識別番号】    100112601
  【住所又は居所】  東京都渋谷区代官山町16番地5号 アドレスガーデン代官山304
  【氏名又は名称】  金原 正道
【手数料の表示】
  【予納台帳番号】  102946
  【納付金額】    21000


なお、紙に印紙を貼って提出する方の書式とは、いくつかの点で異なります。
印紙を貼る場合には、最後の【手数料の表示】はいりません。
筆者は弁理士なので、オンラインで出願をしました。オンラインの場合には、送信後に控えを受信して、そこには即日付与された出願番号が記載されています。

提出方法

提出方法は、別のページで自分で商標登録する方法を書いていますので、重複するのでここでははしょります。

●提出方法
(1)特許庁への郵送
(2)特許庁の窓口での提出
の2つの方法があります。(オンライン手続はここでは触れません)

●商標登録願への押印
個人の出願の場合には個人印、法人の出願の場合には代表者印を、商標登録出願人の欄に、朱肉を用いて鮮明に押印します。
個人の場合には実印でなくてもかまいませんが、特許庁用に統一した印鑑を用いましょう。

●手数料について
商標登録願には、区分の数に応じて、特許印紙を貼って手数料を納めます。
(特許印紙を扱っている郵便局と扱っていない郵便局があります。事前に日本郵便のウェブサイトでお調べになる等されることをお勧めいたします)

※収入印紙ではありません。ご注意ください。

特許印紙は、商標登録願の左上余白に貼り付けます。

出願後の手続

●電子化手数料の納付
特許庁では書類をすべて電子化しており、財団法人工業所有権電子情報化センターから、商標登録出願の日から数週間後に、出願人に電子化料金の払込用紙が送付されてきます。
商標登録願に記載された事項を磁気ディスクに記録すべきことを商標登録出願の日から30日以内に求めなければならないとされていますが、この支払いをすれば大丈夫です。
支払いを忘れて放置すると、最終的には出願が却下されてしまいます。注意しましょう。

磁気ディスクへの記録の求めに必要な手数料(電子化料金)は次の通りです。
1,200円+ 700円(1ページ当たりの単価)×〇枚(書面の枚数)

●出願番号通知
特許庁から、出願日、出願番号の記載がされたハガキが送付されてきます。
出願番号は、出願を特定するための番号で、審査が終了するまで用いられます。

出願後の流れは、下記のフローチャートの通りです。

商標登録出願の手続の流れ

方式審査

書類の形式不備や手数料などの形式的要件を、特許庁において審査します。
不備があると、手続補正指令書(方式)が送付されます。通常30日以内に手続補正書(方式)を提出して、不備を解消しなければなりません。

ところで最初の方で、手続補正書(方式)を提出したと書きました。
実はこれは、正式な指令書は来ておらず、審査官からの電話で指摘されました。
補正の内容については、代理人として弁理士が使用する端末を利用して、代理人ではなく出願人本人として手続をしたことに、書類上の問題があるという特殊な要因です。
手続補正書(方式)(PDF)
補正の内容は下記のようなもので、特殊なものなので理解していただく必要はありません。要は、代理人として使用する端末で、代理人ではなく本人が出願したことに間違いないという内容です。

  【補正の内容】
   【住所又は居所】  東京都渋谷区代官山町16番地5号 アドレスガーデン代官山304
   【氏名又は名称】  金原 正道
【その他】 本件手続をしたことに相違ありません。

実体審査

方式補正の後、出願された商標が登録すべきであるかどうか、様々な登録要件の審査を特許庁の審査官が行います。

拒絶すべき理由があるときは、審査官は出願人(当事務所弁理士が代理人となるときは当事務所宛て)に拒絶理由通知を送付します。
なお、手続補正書は、たとえば指定商品・指定役務を訂正・削除等すれば、拒絶理由が解消するときなどに提出します。
拒絶理由通知が来たら、弁理士に依頼すべき理由

また、査定が確定するまでの間、通知がない時でも提出することができ、これを自発補正といっています。この出願では、途中で一度、細かい直しをしたのか、指定役務の補正をする自発補正をしています。この書面は省略します。

と、ここで、拒絶理由通知が来てしまいました。
先ほどまで偉そうに指定役務の書き方なんか書いていたのに、商標法第6条の通知です。
拒絶理由通知(PDF)
次のような内容です。
なお、提出期限の40日は、「起案日」からではなく「発送日」からです。通知書中に書いてありますので、間違えないようにしましょう。

拒絶理由通知
この商標登録出願は、次の理由によって、拒絶をすべきものと認めます。
これについて意見があれば、この書面発送の日から40日以内に意見書を提出してください。

 理 由

この商標登録出願は、政令で定める商品及び役務の区分第42類に属さない役務を包含しています。
本願指定役務中「商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインに関する情報の提供,商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインに関する助言」のうち「ドメイン名検索に関する情報の提供,ドメイン名検索に関する助言」は、例えば「ドメイン名検索事務の代行及び助言」として第35類、「電子計算機端末及びその他通信におけるドメイン名取得手続の事務処理の代行」はそのまま第35類、「インターネットドメイン名の登録及び管理に関する情報の提供」は第38類に、それぞれ区分される役務です。
したがって、この商標登録出願は、商標法第6条第2項の要件を具備しません。

拒絶理由通知に対する対応
この通知に対し、それぞれの役務を第35類、第38類に補正する場合には、区分が増えてしまうため、手数料の納付が必要になります。
登録時の登録料も高くなります。
また、ドメイン名の業務は、不要なものでした(もっとも当時は、ドメイン名の会社と提携してサイト内で登録できるメニューを用意する予定もありました)。

結果として、指摘されたこれらの役務は、単に削除する補正を行いました。
手続補正書
補正の内容は下記の通りです。

【手続補正1】
  【補正対象書類名】 商標登録願
  【補正対象項目名】 指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分
  【補正方法】    変更
  【補正の内容】
   【指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分】
  【第42類】
  【指定商品(指定役務)】  商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインのための電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインに関するウェブサイトの設計・作成又は保守,商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインのための電子計算機用プログラムの提供,商標権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務,商標の国際登録出願に関する手続の代理又は鑑定その他の事務,商標権に基づく輸入差止申立に関する手続の代理又は鑑定その他の事務,商標権又は商品等表示に関する仲裁事件・訴訟事件その他に関する法律事務(弁理士が手続について代理人又は補佐人となることができる法律事務に限る。),商標権・未登録商標・商品等表示及びキャラクターに関する商品化権に関する契約の代理又は媒介,商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインのための電子計算機のプログラムに係る著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,商標又はサービスマークについての外国(日本は除く。)特許庁に対する出願・権利取得・使用契約に関する手続の代行又は仲介,商標のネーミング及びロゴデザインの考案,商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインのための電子計算機のプログラムの操作方法等に関する紹介及び説明,商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインのためのウェブサイトの操作方法等に関する紹介及び説明,商標登録・商標調査・商標のネーミング及びロゴデザインに関する情報の提供,インターネットを用いて行うドメイン名検索用の検索エンジンの提供,商標登録・商標調査・商標のネーミング及びロゴデザインに関する助言,商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインに関するウェブサイトにおけるサーバーの記憶領域の貸与,商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインのための電子計算機のプログラムの貸与,商標登録・商標調査・ドメイン名検索・商標のネーミング及びロゴデザインのための電子計算機のプログラムを記憶させたサーバー及びその他の電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与

なにはともあれ、これで拒絶理由は解消されたはずです。

手続補正の注意点
商標の場合には、いったん補正により指定商品・指定役務を削除するなどして範囲を狭めた後に、また広げることは認められません。
範囲を広げるなどした場合には、要旨変更として補正が却下され、補正されなかったのと同じ状態になります。

さらに、【補正対象項目名】の欄を「指定商品又は指定役務並びに商品及び役務の区分」とした場合には、【補正の内容】に記載される指定商品・指定役務だけが残ることになります。

一例として、出願のときに第35類と第42類を指定していて、両方必要であるのに、第42類だけに訂正の必要があった場合でも、【補正の内容】に第42類だけを記載してしまうと、その瞬間に第35類が消えて無くなってしまいます。
これを避けるためには、【補正の内容】には訂正がない第35類と、訂正後の第42類の両方を記載するか、または【補正対象項目名】を第42類と記載します。

登録査定・拒絶査定

拒絶理由がないとき、あるいは拒絶理由通知に対し、意見書・手続補正書等の書類を提出し、拒絶理由が解消した場合には、登録査定となります。
拒絶理由が解消しなかった場合に、拒絶査定となります。これに対する不服申立の手続もあります。

事例の出願の場合には、ようやく登録査定となりました。
なお、登録査定の中で、出願人と代理人が同一人物になっており、本来は別人でなければおかしいことになります。これは前述した、手続補正書(方式)と関係があります。本人の代理人を本人が行うとは、法律的におかしいと伝えましたが、電子出願の都合からは、このようにしないと処理できず、それで正式な通知ではなく、電話で審査官が連絡してきたものと思います。

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登録料を支払えば、登録となり、後日登録番号が付き、商標登録証が送られてきます。
登録料納付書(PDF)

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以上で商標登録の完了となりました。

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