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他人の類似商標-拒絶理由

先に出願された他人の同一商標・類似商標

商標法第4条第1項第11号
先に出願された他人の登録商標またはこれに類似する商標であって、その商標と指定商品・指定役務が同一・類似の商標は、登録されません。

1.商標の類否の判断は、商標の有する外観(見た目)、称呼(読み方)及び観念(意味合い)のそれぞれの判断要素を総合的に考察しなければならないとされています。

2.商標の類否の判断は、商標が使用される商品又は役務の主たる需要者層(例えば、専門家、老人、子供、婦人等の違い)その他商品又は役務の取引の実情を考慮し、需要者の通常有する注意力を基準として判断しなければならないとされています。

3.振り仮名を付した文字商標の称呼については、たとえば、「紅梅/こうばい」と「ベニウメ」は類似するとされます。

4.結合商標の類否は、その結合の強弱の程度を考慮し、著しく異なった外観、称呼又は観念を生ずることが明らかなときを除き、次のように判断されます。

(1) 形容詞的文字(商品の品質、原材料等を表示する文字、又は役務の提供の場所、質等を表示する文字)を有する結合商標は、原則として、それが付加結合されていない商標と類似します。
たとえば、「スーパーライオン」と「ライオン」、「銀座小判」と「小判」とは類似します。
(2) 大小のある文字からなる商標は、原則として、大きさの相違するそれぞれの部分からなる商標と類似します。
たとえば、文字の大きさが異なっていても、「富士白鳥」と「富士」又は「白鳥」とは類似します。
(3) 著しく離れた文字の部分からなる商標は、原則として、離れたそれぞれの部分のみからなる商標と類似します。
たとえば、「鶴亀 万寿」と「鶴亀」又は「万寿」とは類似します。
(4) 長い称呼を有するため、又は結合商標の一部が特に顕著であるため、その一部分によって簡略化される可能性がある商標は、原則として、簡略化される可能性がある部分のみからなる商標と類似します。
たとえば、「cherryblossomboy」と「チェリーブラッサム」とは類似します。
(5) 指定商品又は指定役務について慣用される文字と他の文字とを結合した商標は、慣用される文字を除いた部分からなる商標と類似します。
たとえば、清酒について「男山富士」と「富士」、清酒について「菊正宗」と「菊」、宿泊施設の提供について「黒潮観光ホテル」と「黒潮」は、それぞれ類似します。
(6) 指定商品又は指定役務について需要者の間に広く認識された他人の登録商標と他の文字又は図形等と結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているもの又は観念上の繋がりがあるものを含め、原則として、その他人の登録商標と類似します。
たとえば、テープレコーダーについて「SONYLINE」と「SONY」とは類似します。
(7) 商号商標については、商号の一部分として通常使用される「株式会社」「商会」「CO.」「K.K.」「Ltd.」「組合」「協同組合」等の文字が出願に係る商標の要部である文字の語尾又は語頭のいずれかにあるかを問わず、原則として、これらの文字を除外して商標の類否を判断されます。

6.商標の称呼の類否を称呼に内在する音声上の判断要素及び判断方法のみによって判断するときには、例えば、次のように判断されます。
商標の称呼類否判断にあたっては、比較される両称呼の音質、音量及び音調並びに音節に関する判断要素のそれぞれにおいて、共通し、近似するところがあるか否かを比較するとともに、両商標が特定の観念のない造語であるか否かを考慮し、時と所を異にして、両商標が称呼され、聴覚されるときに聴者に与える称呼の全体的印象(音感)から、互いに相紛れるおそれがあるか否かによって判断されます。

「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕では、
「立法趣旨はいうまでもなく商品又は役務の出所の混同防止であり、すでに商標権が設定されている場合に、これと抵触する商標について登録をしないのは当然だからである。ただし、その出願より後の出願に係る登録商標があっても本号では拒絶されることはない。八条一項違反の先登録商標があるために先願が拒絶になるのは不当だからである。」
と解説されています。

商標審査基準抜粋

第4条第1項第11号(先願に係る他人の登録商標)(PDF)

1.商標の類否判断方法について
(1) 類否判断における総合的観察
商標の類否は、出願商標及び引用商標がその外観、称呼又は観念等によって需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に観察し、出願商標を指定商品又は指定役務に使用した場合に引用商標と出所混同のおそれがあるか否かにより判断する。
なお、判断にあたっては指定商品又は指定役務における一般的・恒常的な取引の実情を考慮するが、当該商標が現在使用されている商品又は役務についてのみの特殊的・限定的な取引の実情は考慮しないものとする。
(一般的・恒常的な取引の実情の例)
指定商品又は指定役務における取引慣行
(特殊的・限定的な取引の実情の例)
① 実際に使用されている商標の具体的態様、方法
② 商標を実際に使用している具体的な商品、役務の相違
(2) 商標の観察方法
(ア) 商標の類否においては、全体観察のみならず、商標の構成部分の一部を他人の商標と比較して類否を判断する場合がある。
(イ) 商標の類否は、時と場所を異にする離隔的観察により判断する。
(3) 類否判断における注意力の基準
商標の類否は、商標が使用される指定商品又は指定役務の主たる需要者層(例えば、専門的知識を有するか、年齢、性別等の違い)その他指定商品又は指定役務の取引の実情(例えば、日用品と贅沢品、大衆薬と医療用医薬品などの商品の違い)を考慮し、指定商品又は指定役務の需要者が通常有する注意力を基準として判断する。

2.類否判断における商標の認定について
(1) 外観、称呼、観念の認定について
(ア) 外観の認定
外観とは、商標に接する需要者が、視覚を通じて認識する外形をいう。
(イ) 称呼の認定
称呼とは、商標に接する需要者が、取引上自然に認識する音をいう。
例えば、次のとおり称呼の認定を行う。
(例)
① 商標「竜田川」からは、自然に称呼される「タツタガワ」のみが生じ、「リュウデンセン」のような不自然な称呼は、生じないものとする。
② 「ベニウメ」の振り仮名を付した商標「紅梅」からは、自然に称呼される「コウバイ」の称呼も生ずるものとする。
③ 商標「白梅」における「ハクバイ」及び「シラウメ」のように2以上の自然な称呼ぶ呼を有する文字商標は、その一方を振り仮名として付した場合であっても、他の一方の称呼も生ずるものとする。
④ 商標が色彩を有するときは、その部分からも称呼を生ずることがあるものとする(例えば、「白い」馬や「赤い」旗の図形)。
(ウ) 観念の認定
観念とは、商標に接する需要者が、取引上自然に想起する意味又は意味合いをいう。例えば、次のとおり観念の認定を行う。
(例)
① 商標を構成する外国語について、辞書等にその意味が掲載されているとし ても、当該商標に接する需要者がその意味を直ちに理解、認識し得ないと判断する場合には、当該商標からその意味による観念は生じないものとする。
② 商標が色彩を有するときは、その部分からも観念を生ずることがあるものとする(例えば、「白い」馬や「赤い」旗の図形)。

3.外観、称呼、観念の類否について
(1) 外観の類否について
(ア) 商標の外観の類否は、商標に接する需要者に強く印象付けられる両外観を比較するとともに、需要者が、視覚を通じて認識する外観の全体的印象が、互いに紛らわしいか否かを考察する。
(例) 外観については類似する場合
(2) 称呼の類否について
商標の称呼の類否は、比較される両称呼の音質、音量及び音調並びに音節に関す る判断要素のそれぞれにおいて、共通し、近似するところがあるか否かを比較するとともに、両商標が称呼され、聴覚されるときに需要者に与える称呼の全体的印象が、互いに紛らわしいか否かを考察する。
(注) 以下の(ア)から(オ)の例示は、称呼が類似する例であり、商標全体として、類否を判断したものではない。
(ア) 音質(母音、子音の質的きまりから生じる音の性質)に関する判断要素
① 相違する音の母音を共通にしているか、母音が近似しているか
(例) ともに同音数の称呼からなり、相違する1音が母音を共通にする場合
「ダイラマックス」 「ダイナマックス」
「セレニティ」 「セレリティ」
(解説) 1音の相違にあって、(i)その音が中間又は語尾に位置し、母音を共通 にするとき、(ii)子音が調音の位置、方法において近似(ともに両唇音である、ともに摩擦音であるなどのように、子音表において、同一又は近似する調音位置、方法にある場合をいう。ただし、相違する音の位置、音調、全体の音数の多少によって異なることがある。)し、母音を共通にするとき等においては、全体的印象が近似して聴覚されることが多い。
② 相違する音の子音を共通にしているか、子音が近似しているか
(例) ともに同数音の称呼からなり、相違する1音が50音図の同行に属する場合
「プリロセッティ」 「プレロセッティ」
「ビスカリン」 「ビスコリン」
(解説) 1音の相違にあって、相違する音の子音がともに50音図の同行に属し、その母音が近似するとき(例えば、口の開き方と舌の位置の比較から、母音エはアとイに近似し、母音オはアとウに近似する。ただし、相違する音の位置、音調、全体の音数の多少によって異なることがある)。
(例) ともに同数音の称呼からなり、相違する1音が清音、濁音、半濁音の差にすぎない場合
「ビュープレックス」 「ビューフレックス」
「バーテラックス」 「バーデラックス」
(解説) 相違する音が濁音(ガ、ザ、ダ、バ行音)、半濁音(パ行音)、清音(カ、サ、タ、ハ行音)の違いにすぎないとき等においては、全体的印象が近似して聴覚されることが多い。
(イ) 音量(音の長短)に関する判断要素
① 相違する1音が長音の有無、促音の有無又は長音と促音、長音と弱音の差にすぎないか
(注) 弱音とは、口の開き方の小さな音(イ・ウ)、口を開かずに発せられる音(ム・ン)、声帯が振動せずに発せられる音(フ・ス)等の聴覚上、明瞭でなくひびきの弱い音をいう。
(例) 相違する音が長音の有無にすぎない場合
「モガレーマン」 「モガレマン」
(例) 相違する音が促音の有無にすぎない場合
「コレクシット」 「コレクシト」
(例) 相違する音が長音と促音の差にすぎない場合
「コロネート」 「コロネット」
「アドポーク」 「アドポック」
(例) 相違する音が長音と弱音の差にすぎない場合
「タカラハト」 「タカラート」
「イースタパック」 「インスタパック」
(解説) 音の長短は、長音、促音が比較的弱く聴覚されることから、音調(音の強弱)と関係があり(通常、長音、促音の前音が強く聴覚される。)、また、長音、促音は発音したときに1単位的感じを与えることから、1音節を構成し音節に関する判断要素とも関係がある。
(ウ) 音調(音の強弱及びアクセントの位置)に関する判断要素
① 相違する音がともに弱音であるか、弱音の有無にすぎないか、長音と促音の 差にすぎないか(弱音は通常、前音に吸収されて聴覚されにくい。)
(例) 相違する1音がともに弱音である場合
「ダンネル」 「ダイネル」
「シーピーエヌ」 「シーピーエム」
(例) 弱音の有無の差にすぎない場合
「ブリテックス」 「ブリステックス」
「デントレックス」 「デントレック」
② 相違する音がともに中間又は語尾に位置しているか
(例) 同数音からなる比較的長い称呼で1音だけ異なる場合
「サイバトロン」 「サイモトロン」
「パラビタオミン」 「パラビタシミン」
(解説) 中間音、語尾音は比較的弱く聴覚されることが多い。
③ 語頭又は語尾において、共通する音が同一の強音(聴覚上、ひびきの強い音)であるか
(例) 語頭において共通する音が同一の強音の場合
「アプロトン」 「アクロトン」
「バンヴェロル」 「バンデロル」
(解説) これが強音であるときには、全体的印象が近似して聴覚されることが多い。
④ 欧文字商標の称呼において強めのアクセントがある場合に、その位置が共通するか
(例) 強めのアクセントの位置が共通する場合
「SUNRICHY」 「SUNLICKY」
(サンリッチーの称呼) (サンリッキーの称呼)
「RISCOAT」 「VISCOAT」
(リスコートの称呼) (ビスコートの称呼)
(解説) 音の強弱は音自体からだけでなく、相違する音の位置、全体の音数の長短等によって、相対的にその強弱が聴覚されることが多い。(例えば、相違する1音が音自体において、弱音であっても、その前後の音も弱音である場合には弱音とはいえない場合がある。)
(エ) 音節に関する判断要素
① 音節数(音数)の比較において、ともに多数音であるか
(注) 仮名文字1字が1音節をなし、拗音(「キャ」、「シャ」、「ピョ」等)は2文字で1音節をなす。長音(符)、促音(「ッ」)、撥音(「ン」)もそれぞれ1音節をなす。
(例) 比較的長い称呼で1音だけ多い場合
「ビプレックス」 「ビタプレックス」
(解説) 1音の相違があっても、音数が比較的多いときには、全体的印象が近似して聴覚されることが多い。
② 一つのまとまった感じとしての語の切れ方、分かれ方(シラブル、息の段落) において共通性があるか
(例) 一つのまとまった感じとして語が切れる場合
「バーコラルジャックス」 「バーコラルデックス」
(解説) その共通性があるときには、全体的印象が近似して聴覚されることが多い。
(オ) その他、称呼の全体的印象が近似すると認められる要素
① 2音相違するが、上記(ア)から(エ)に挙げる要素の組合せである場合
「コレクシット」 「コレスキット」
「アレジエール」 「アリジェール」
② 相違する1音が拗音と直音の差にすぎない場合
「シャボネット」 「サボネット」
③ 相違する音の一方が外国語風の発音をするときであって、これと他方の母音 又は子音が近似する場合
「TYREX」 「TWYLEX」
(タイレックスの称呼) (トウイレックスの称呼)
「FOLIOL」 「HELIOL」
(フォリオールの称呼) (ヘリオールの称呼)
④ 相違する1音の母音又は子音が近似する場合
「サリージェ」 「サリージー」
「セレラック」 「セレノック」
⑤ 発音上、聴覚上印象の強い部分が共通する場合
「ハパヤ」 「パッパヤ」
⑥ 前半の音に多少の差異があるが、全体的印象が近似する場合
「ポピスタン」 「ホスピタン」
(カ) 上記(ア)から(オ)に該当する場合であっても、全体的印象が近似しないと認められる要素
① 語頭音に音質又は音調上著しい差異があること
② 相違する音が語頭音でないがその音質(例えば、相違する1音がともに同行音であるが、その母音が近似しないとき)音調(例えば、相違する音の部分に強めアクセントがあるとき)上著しい差異があること
③ 音節に関する判断要素において
(ⅰ) 称呼が少数音であること
(ⅱ) 語の切れ方、分かれ方(シラブル、息の段落)が明らかに異なること
(3) 観念の類否について
商標の観念の類否は、商標構成中の文字や図形等から、需要者が想起する意味又は意味合いが、互いにおおむね同一であるか否かを考察する。

4.結合商標の称呼、観念の認定及び類否判断について
(1) 結合商標の称呼、観念の認定について
(ア) 結合商標は、商標の各構成部分の結合の強弱の程度を考慮し、各構成部分がそれを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど強く結合しているものと認められない場合には、その一部だけから称呼、観念が生じ得る。
(イ) 結合の強弱の程度において考慮される要素について
文字のみからなる商標においては、大小があること、色彩が異なること、書体が異なること、平仮名・片仮名等の文字の種類が異なること等の商標の構成上の相違点、著しく離れて記載されていること、長い称呼を有すること、観念上のつながりがないこと等を考慮して判断する。
(例) 構成上の相違点、長い称呼を有すること等が認められる場合
「富士白鳥」(文字の大小)
「サンムーン」(書体の相違)
「鶴亀 万寿」(著しく離れて記載)
「chrysanthemumbluesky」(長い称呼)
「ダイヤフロンティア」(観念上のつながりがない)
(ウ) 商号商標(商号の略称からなる商標を含む。)について
商標の構成中に、商号の一部分として通常使用される「株式会社」「商会」「CO.」「K.K.」「Ltd.」「組合」「協同組合」等の文字が含まれる場合には、これらの文字を除外した称呼、観念も生ずるものとする。
(エ) 立体商標について
① 立体商標は、その全体ばかりでなく、特定の方向から観た場合に視覚に映る 姿に相応した称呼又は観念も生じ得る。
② 立体商標が、立体的形状と文字の結合からなる場合には、当該文字部分のみに相応した称呼又は観念も生じ得る。
(オ) 地域団体商標について
地域団体商標として登録された商標については、使用をされた結果商標全体の構成が不可分一体のものとして需要者の間に広く認識されている事情を考慮し、商標全体の構成を不可分一体のものとして判断する。
(2) 結合商標の類否判断について
(ア) 結合商標の類否は、例えば、次のように判断するものとする。ただし、著しく異なった外観、称呼又は観念を生ずることが明らかなときは、この限りでない。
① 識別力を有しない文字を構成中に含む場合
指定商品又は指定役務との関係から、普通に使用される文字、慣用される文字又は商品の品質、原材料等を表示する文字、若しくは役務の提供の場所、質等を表示する識別力を有しない文字を有する結合商標は、原則として、それが付加結合されていない商標と類似する。
(例) 類似する場合
指定役務「写真の撮影」について、「スーパーライオン」と「ライオン」
(解説)「スーパー」は、役務の質を表示する。
指定商品「菓子」について、「銀座小判」 と「小判」
(解説)「銀座」は、商品の産地・販売地を表示する。
指定商品「被服」について、「グリーンジャイス」 と「ジャイス」
(解説)「グリーン」は、商品の品質(色彩)を表示する。
指定商品「清酒」について、「男山富士」と「富士」
(解説)「男山」は、清酒の慣用商標である。
指定役務「宿泊施設の提供」について、「黒潮観光ホテル」と「黒潮」
(解説)「観光ホテル」は、「宿泊施設の提供」の慣用商標である。
② 需要者の間に広く認識された商標を構成中に含む場合
指定商品又は指定役務について需要者の間に広く認識された他人の登録商標と他の文字又は図形等と結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているもの又は観念上の繋がりがあるものを含め、原則として、その他人の登録商標と類似するものとする。
ただし、その他人の登録商標の部分が既成の語の一部となっているもの等を除く。
(例) 類似する例
指定商品「化粧品」について
「ラブロレアル」と「L‘OREAL」「ロレアル」
指定商品「かばん類」について
「PAOLOGUCCI」と「GUCCI」
指定役務「航空機による輸送」について
「JALFLOWER」と「JAL」
指定役務「映画の制作」について
「東宝白梅」と「東宝」
指定商品「テープレコーダ」について
「SONYLINE」又は「WALKMAN LINE」と
「SONYWALKMAN」
(例) 類似しない例
指定商品「金属加工機械器具」について
「TOSHIHIKO」と「IHI」
指定商品「時計」について
「アルバイト」と「ALBA/アルバ」
指定商品「遊戯用機械器具」について
「せがれ」と「セガ」
(注) 需要者の間に広く認識されているか否かの認定に当たっては、この基準第3の九(第4条第1項第10号)の2.を準用する。
③ 商標の構成部分中識別力のある部分が識別力のない部分に比較して著しく小さく表示された場合であっても、識別力のある部分から称呼、観念を生ずるものとする。
④ 商標の一部が、それ自体は自他商品・役務の識別力を有しないものであっても、使用により識別力を有するに至った場合は、その識別力を有するに至った部分から称呼、観念を生ずるものとする

11.商品又は役務の類否判断について
商品又は役務の類否は、商品又は役務が通常同一営業主により製造・販売又は提供されている等の事情により、出願商標及び引用商標に係る指定商品又は指定役務に同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の製造・販売又は提供に係る商品又は役務と誤認されるおそれがあると認められる関係にあるかにより判断する。
(1) 商品の類否について
商品の類否を判断するに際しては、例えば、次の基準を総合的に考慮するものとする。この場合には、原則として、類似商品・役務審査基準によるものとする。
① 生産部門が一致するかどうか
② 販売部門が一致するかどうか
③ 原材料及び品質が一致するかどうか
④ 用途が一致するかどうか
⑤ 需要者の範囲が一致するかどうか
⑥ 完成品と部品との関係にあるかどうか
(2) 役務の類否について
役務の類否を判断するに際しては、例えば、次の基準を総合的に考慮するものとする。この場合には、原則として、類似商品・役務審査基準によるものとする。
① 提供の手段、目的又は場所が一致するかどうか
② 提供に関連する物品が一致するかどうか
③ 需要者の範囲が一致するかどうか
④ 業種が同じかどうか
⑤ 当該役務に関する業務や事業者を規制する法律が同じかどうか
⑥ 同一の事業者が提供するものであるかどうか
(3) 商品役務間の類否について
商品と役務の類否を判断するに際しては、例えば、次の基準を総合的に考慮した上で、個別具体的に判断するものとする。この場合には、原則として、類似商品・役務審査基準によるものとする。
① 商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われているのが一般的であるかどうか
② 商品と役務の用途が一致するかどうか
③ 商品の販売場所と役務の提供場所が一致するかどうか
④ 需要者の範囲が一致するかどうか
(4) 商品又は役務の類否判断における取引の実情の考慮について
本号に該当する旨の拒絶理由通知において、引用した登録商標の商標権者(以下「引用商標権者」という。)から、引用商標の指定商品又は指定役務と出願商標の指定商品又は指定役務が類似しない旨の陳述がなされたときは、類似商品・役務審査基準にかかわらず、出願人が主張する商品又は役務の取引の実情(ただし、上記(1)から(3)に列挙した事情に限る)を考慮して、商品又は役務の類否について判断することができるものとする。
なお、以下のような場合には、取引の実情を考慮することはできない。
① 引用商標権者が、単に商標登録出願に係る商標の登録について承諾しているに すぎない場合。
② 類似商品・役務審査基準において類似すると推定される指定商品又は指定役務 のうち、一部についてしか類似しない旨の陳述がなされていない場合。
③ 引用商標の商標権について専用使用権又は通常使用権が設定登録されている場合にあって、専用使用権者又は通常使用権者が類似しない旨の陳述をしていない場合。

12.存続期間経過後の引用商標の取扱いについて
(1) 存続期間経過後6月までの取扱い
(ア) 引用商標が国内出願に係る登録商標である場合
商標権の存続期間経過後6月の期間、又は登録料を分割納付する場合における後 期分割登録料を納付すべき期間経過後6月の期間においては、本号に該当すると判断する。(第20条第3項、第41条の2第5項及び第8項参照)。
(イ) 引用商標が国際登録に基づく登録商標である場合
国際登録の存続期間経過後6月の期間においては、本号に該当すると判断する(マドリッド議定書第7条(4)参照)。
(2) 上記(1)(ア)及び(イ)における6月の期間経過後の取扱い
上記(1)(ア)及び(イ)における6月の期間経過後において、商標原簿等で、存続期間の満了が確定された場合は、本号に該当しない。
ただし、引用商標の商標権の存続期間更新の有無を商標原簿で確認し、第21条第 1項の規定に基づく更新登録の申請がなされているときは、本号に該当すると判断する。
13. 出願人と引用商標権者に支配関係がある場合の取扱い
出願人から、出願人と引用商標権者が(1)又は(2)の関係にあることの主張に加え、(3)の証拠の提出があったときは、本号に該当しないものとして取り扱う。
(1) 引用商標権者が出願人の支配下にあること
(2) 出願人が引用商標権者の支配下にあること
(3) 出願に係る商標が登録を受けることについて引用商標権者が了承している旨の証拠
((1)又は(2)に該当する例)
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(ア) 出願人が引用商標権者の議決権の過半数を有する場合。
(イ) (ア)の要件を満たさないが資本提携の関係があり、かつ、引用商標権者の会社の
事業活動が事実上出願人の支配下にある場合。