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登録主義

登録主義

商標の権利を発生させる際の考え方として、現実の使用により権利が発生することを重視する使用主義と、登録により権利を発生させる登録主義の考え方とがあります。

登録主義は、現実に商標を使用しているか否かにかかわらず、所定の登録要件にしたがい、通常は国家に対する設定登録をすることによって、商標権が発生するという考えです。
登録主義には、権利の所在や有効性、権利期間などを明確にし、無用な争いや、権利存在の証明などの不安定さを除くという利点があります。

わが国では、特許庁に対し出願をし、登録をするという登録主義の考え方を採用しています。

一方、現実の使用の有無を問わない登録主義のもとでは、不使用商標の蓄積や、これによる商標採択の余地が狭まるといった問題があり、これを解消するために使用主義の考え方も取り入れられています。
所定の場合には商標の使用意思を必要とし、また不使用商標の取消審判制度、未登録商標の一定要件下の保護など、使用主義的な考え方を取り入れています。

「各国の立法例も完全にどちらかの主義に基づいて構成されているものはないとしても、それぞれいずれかの主義を基本としているものとはいえよう。また、使用主義といい、登録主義といっても必ずしも一義的なものでなく、いろいろのニュアンスをもっているのであるが、ここでは使用主義とは実際に商標の使用をしていなければ商標登録を受けられないという法制をいい、登録主義とは実際に使用をしていなくても一定の要件さえ満たせば商標登録を受けられる法制をいうものとすると、前者の立場に立つ代表的な例はアメリカであり、後者の例はドイツであるということができるであろう(なお、ドイツは、一九六八年一月一日からは登録後における使用を強制する制度を採用している)。しかし、この二つの立場の対立は本質的な問題ではなく、商標保護政策の考え方の相違によるものといえるのである。すなわち、商標の本来的な目的は商標の使用を通じてそれに業務上の信用が化体した場合に、その信用を保護するものであるという点についてはいずれの主義も相違はない。ただ、使用主義の立場は保護すべき対象が商標の使用によって蓄積された信用ならば、必然的に、使用している商標だけがその対象となるのであり、未だ使用をしていない商標は保護の対象がないではないかというのである。これに対し、登録主義においては、現実に商標の使用をしていることを商標登録の要件とすると、折角使用をしてその商標に信用が蓄積しても、出願した場合に不登録理由があることによって不登録となるような事態が予想されるから、あらかじめ使用者に将来の使用による信用の蓄積に対して法的な保護が与えられることを保証すべきであり、そのためには現実にその商標の使用をする予定のある者には、近い将来において保護に値する信用の蓄積があるだろうと推定して事前に商標登録をすべきだというのである。そして、一定期間以上使用をしなければ事後的に商標登録を取り消せばよいというのである。すなわち、両者とも法的な保護の対象が商標の使用によってその商標に化体した業務上の信用である点においては一致するのだが、使用主義では現実にその信用がなければならないとするのに対して、登録主義においては必ずしも現実に存在する信用のみならず未必的に可能性として存在する信用も保護の対象として考えてもよいではないかというのである。この二つの主義は、前述したように純粋な型として存在するものはなく、両者の中間にニュアンスの差として存在するのであり、現行法は旧法に比べて商標の不使用取消制度の強化(昭和五〇年及び平成八年の一部改正でさらに強化)等によって使用主義的色彩も濃くなっているのである。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)。


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