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TMマーク

TM(TMマーク)

TMマークは、Trademarkの略で、商標であることを示すものとして、アメリカ法にならい、慣例的に使用されている表示です。
日本の法律でのきまりはなく、表記をするかどうか、あるいは表記方法にも決まりはありません。
通例では、ネーミングの文字の後や、マークの右上などに小さく表記されることが多いようです。
第三者に対する注意喚起となり、商標が一般的に使用されているうちに普通名称化してしまうことを防止する効果もあります。

商標であるとは、商品やサービス(役務)についての特定の出所を示す識別標識であるという意味です。
商標登録出願中であることを示すことが多くありますが、あるいは未登録商標であるが一般名称ではなく独自の商標であることを示すものとして用いられます。

役務(サービス)についての商標(Servicemark)についてSMのように表記をすることもあります。

®マーク

®(アールマーク、マルアール)

®マークは、Registered Trademarkの略で、文字表記の場合には(R)と表記されることもあります。
登録商標(登録済の商標)であることを示すものとして、アメリカ法にならい、慣例的に使用されている表示です。

日本の法律でのきまりはなく、表記をするかどうか、あるいは表記方法にも決まりはありません。
通例では、ネーミングの文字の後や、マークの右上などに小さく表記されることが多いようです。
表示は義務ではないものの、第三者に対する注意喚起となり、商標が一般的に使用されているうちに普通名称化してしまうことを防止する効果もあります。

なお米国での使用には®マークを付すべきで、商品は国際的に流通する可能性があるものであることから、日本でもかなり一般的に使用されています。

商標法では、登録商標を表示する際には、それが登録商標である旨の表示(登録商標の文字及びその登録番号・国際登録番号)を付すことを奨励しています。

登録商標ではないにもかかわらずこうした表記をしてしまうと、表示方法・内容によっては虚偽表示となるおそれがあります。

役務商標(サービスマーク)

役務商標(サービスマーク)

サービス(役務)について使用する商標を、サービスマーク(servicemark, SM)といいます。
商品について使用する商標である「商品商標、トレードマーク」(trademark, TM)と区別する場合に主として用います。

実際には、商品について使用する商標も、サービスについて使用する商標も、日本の商標法においては同じ扱いであり、商標登録制度は同一の1つの制度であるため、これら全体を広い意味合いで商標(trademark)と称することが一般的です。

ところで、「商標の使用」ということについては、商標法第2条第3項に規定されており、商品について使用する行為を下記のように定めています。

「3 この法律で標章について「使用」とは、次に掲げる行為をいう。
 三 役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物(譲渡し、又は貸し渡す物を含む。以下同じ。)に標章を付する行為
 四 役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付したものを用いて役務を提供する行為
 五 役務の提供の用に供する物(役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物を含む。以下同じ。)に標章を付したものを役務の提供のために展示する行為
 六 役務の提供に当たりその提供を受ける者の当該役務の提供に係る物に標章を付する行為
 七 電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。次号において同じ。)により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して役務を提供する行為
 八 商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為
 九 音の標章にあつては、前各号に掲げるもののほか、商品の譲渡若しくは引渡し又は役務の提供のために音の標章を発する行為
 十 前各号に掲げるもののほか、政令で定める行為」

三号は、「『役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物(譲渡し、又は貸し渡す物を含む。)』に標章を付する行為を『使用』とするものである。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)。
たとえば、レストランの食器に商標を付す行為、レンタカーの車体に商標を付す行為などです。

四号は「『役務の提供に当たり役務の提供を受ける者の利用に供する物』に標章を付したものを用いて実際に役務を提供する行為であり、実際のサービス取引の局面での『使用』を規定するものである。」
たとえば、レストランの食器に商標を付したものを用いて料理を提供する行為、レンタカーの車体に商標を付したものを貸し出すサービスをする行為などがあげられます。

五号は、「役務の提供の用に供する物」に標章を付したものを役務の提供のために展示する行為である。なお、この場合『役務の提供の用に供する物』は、役務の提供を受ける者の利用に供する物を含み、これより更に広い概念である。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)。
たとえばレストランやレンタカーサービスのメニューや料金表に商標を付したものを展示する行為などがあげられます。

六号は、「役務の提供の対象となる役務の提供を受ける者の物に標章を付する行為である。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)。
たとえば、バスの定期券、映画のパンフレット、病院の診察券などに標章を付す行為などがあげられます。

七号は、「サービスマークの使用行為として、ネットワークを通じたサービス提供行為を定めたものである。改正前の三号から六号までの各規定では、ネットワークを通じたサービス提供行為の保護が明確でなかったため、『映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して役務を提供する行為』と定義することでこの点の明確化を図った。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)。
たとえば、役務を提供するウェブサイトに商標を表示してサービスを提供する行為があげられます。

八号は、「商標の広告的使用を定義したものである。商標の広告的な使い方にも信用の蓄積作用があり、また、このような他人の使い方は商標の信用の毀損を招くという理由で、商標を広告等に用いる場合もその『使用』とみるべきだという見地から、現行法ではこれを商標の使用の一態様としてとらえたのである。したがって、商品が製造される前あるいは役務が提供をされる前にその商品又は役務に使用する予定の商標をあらかじめ新聞、雑誌などに広告するような場合は、その広告は既に商標の使用となるのである。この結果、旧法と異なる点は、不使用取消審判(五〇条)について、広告による使用があれば、不使用取消しを免れることとなる点である。また、他人によるこのような使用によって民事責任が生ずるかどうかは、従来解釈上はっきりしていなかったが、これを明文化した意味もある。なお、単に不使用取消しを免れるためだけの名目的な使用の行為があっても、使用とは認められない。刑罰等については従来も罰則が課せられていたのでほとんど差異はない。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)。
なお、運送サービスの広告、レストランサービスの広告、広告業を行う広告会社の広告などは該当しますが、たとえば衣服の広告は、衣服という商品について使用するものであって、役務について使用するものではありません。

九号は、「平成二六年の一部改正により音商標が保護対象となったことに伴って新設されたものであり、音の標章について、機器を用いて再生する行為や楽器を用いて演奏する行為といった、商品の譲渡若しくは引渡し又は役務の提供のために実際に音を発する行為を音の標章の使用行為としている。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)。

一〇号は、「平成二六年の一部改正により、商標の定義が一部政令に委任されたことに伴って新設されたものである。
すなわち、一項の『その他政令で定める』標章が追加された際に、当該標章に必要な使用行為についても併せて整備することができるよう、標章の使用の定義も政令委任したものである。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)。

また、商標法第3条第4項においては、
「4 前項において、商品その他の物に標章を付することには、次の各号に掲げる各標章については、それぞれ当該各号に掲げることが含まれるものとする。
 一 文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合の標章 商品若しくは商品の包装、役務の提供の用に供する物又は商品若しくは役務に関する広告を標章の形状とすること。
 二 音の標章 商品、役務の提供の用に供する物又は商品若しくは役務に関する広告に記録媒体が取り付けられている場合(商品、役務の提供の用に供する物又は商品若しくは役務に関する広告自体が記録媒体である場合を含む。)において、当該記録媒体に標章を記録すること。」
とされています。

商品商標(トレードマーク)

商品商標(トレードマーク)

商品について使用する商標を、商品商標、トレードマーク」(trademark, TM)といいます。
サービス(役務)について使用する商標(サービスマーク)と区別する場合に主として用います。

実際には、商品について使用する商標も、サービスについて使用する商標も、商標法においては同じ扱いであり、商標登録制度も同一の1つだけの制度であるため、これら全体を広い意味合いで商標(trademark)と称することが一般的です。

ところで、「商標の使用」ということについては、商標法第2条第3項に規定されており、商品について使用する行為を下記のように定めています。

「3 この法律で標章について「使用」とは、次に掲げる行為をいう。
 一 商品又は商品の包装に標章を付する行為
 二 商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為
 八 商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為
 九 音の標章にあつては、前各号に掲げるもののほか、商品の譲渡若しくは引渡し又は役務の提供のために音の標章を発する行為
 十 前各号に掲げるもののほか、政令で定める行為」

「使用」の定義については、一号及び二号は商品についての使用であり、一般的な常識としても、解釈上も問題のないところです。
ちなみに、「平面商標を実際に商品に表示するときには多少の凸凹ができることもあるが、社会通念上許容することができる範囲のものについては平面商標として取り扱うのが妥当である。例えば、石けんに商標を付するとき(刻印)には、その部分に凹ができるが、これは平面商標の使用と認められよう。」とされます(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)。

二号は、「平成一四年の一部改正において、経済社会のIT化に伴う商品・サービス、広告の多様化、商品に関する国際的な認識の変化等を踏まえ、電子出版物や電子計算機用プログラム等の電子情報財については、インターネット等の発達によりそれ自体が独立して商取引の対象となり得るようになったことを重視して、商標法上の商品と扱うこととし、ネットワークを通じた電子情報財の流通行為が商品商標の使用行為に含まれることを明確にするため、商標の使用の定義として標章を付した商品の流通行為を定めた二号に、「電気通信回線を通じて提供」する行為を追加した。」、
「平成一八年の一部改正において、「使用」行為に「輸出」を追加した。」
ものです(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)。

八号は、「商標の広告的使用を定義したものである。商標の広告的な使い方にも信用の蓄積作用があり、また、このような他人の使い方は商標の信用の毀損を招くという理由で、商標を広告等に用いる場合もその『使用』とみるべきだという見地から、現行法ではこれを商標の使用の一態様としてとらえたのである。したがって、商品が製造される前あるいは役務が提供をされる前にその商品又は役務に使用する予定の商標をあらかじめ新聞、雑誌などに広告するような場合は、その広告は既に商標の使用となるのである。この結果、旧法と異なる点は、不使用取消審判(五〇条)について、広告による使用があれば、不使用取消しを免れることとなる点である。また、他人によるこのような使用によって民事責任が生ずるかどうかは、従来解釈上はっきりしていなかったが、これを明文化した意味もある。なお、単に不使用取消しを免れるためだけの名目的な使用の行為があっても、使用とは認められない。刑罰等については従来も罰則が課せられていたのでほとんど差異はない。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)。

九号は、「平成二六年の一部改正により音商標が保護対象となったことに伴って新設されたものであり、音の標章について、機器を用いて再生する行為や楽器を用いて演奏する行為といった、商品の譲渡若しくは引渡し又は役務の提供のために実際に音を発する行為を音の標章の使用行為としている。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)。

一〇号は、「平成二六年の一部改正により、商標の定義が一部政令に委任されたことに伴って新設されたものである。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)。
すなわち、一項の「その他政令で定める」標章が追加された際に、当該標章に必要な使用行為についても併せて整備することができるよう、標章の使用の定義も政令委任したものである。

また、商標法第3条第4項においては、
「4 前項において、商品その他の物に標章を付することには、次の各号に掲げる各標章については、それぞれ当該各号に掲げることが含まれるものとする。
 一 文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合の標章 商品若しくは商品の包装、役務の提供の用に供する物又は商品若しくは役務に関する広告を標章の形状とすること。
 二 音の標章 商品、役務の提供の用に供する物又は商品若しくは役務に関する広告に記録媒体が取り付けられている場合(商品、役務の提供の用に供する物又は商品若しくは役務に関する広告自体が記録媒体である場合を含む。)において、当該記録媒体に標章を記録すること。」
とされています。

使用主義

使用主義

商標の権利を発生させる際の考え方として、登録により権利を発生させる登録主義と、現実の使用により権利が発生することを重視する使用主義の考え方とがあります。

使用主義は、先に商標を使用していた事実によって、権利を証明し主張できるものですが、権利の所在や有効性、先使用を主張する者が複数いた場合の無用な争いや、使用事実・使用開始日時の立証の必要性などの不安定さがあります。

わが国では、特許庁に対し出願をし、登録をするという登録主義の考え方を採用しています。

なお、現実の使用の有無を問わない登録主義のもとでは、不使用商標の蓄積や、これによる商標採択の余地が狭まるといった問題があり、これを解消するために、所定の場合には商標の使用意思を必要とし、また不使用商標の取消審判制度、未登録商標の一定要件下の保護など、使用主義的な考え方を取り入れています。

「各国の立法例も完全にどちらかの主義に基づいて構成されているものはないとしても、それぞれいずれかの主義を基本としているものとはいえよう。また、使用主義といい、登録主義といっても必ずしも一義的なものでなく、いろいろのニュアンスをもっているのであるが、ここでは使用主義とは実際に商標の使用をしていなければ商標登録を受けられないという法制をいい、登録主義とは実際に使用をしていなくても一定の要件さえ満たせば商標登録を受けられる法制をいうものとすると、前者の立場に立つ代表的な例はアメリカであり、後者の例はドイツであるということができるであろう(なお、ドイツは、一九六八年一月一日からは登録後における使用を強制する制度を採用している)。しかし、この二つの立場の対立は本質的な問題ではなく、商標保護政策の考え方の相違によるものといえるのである。すなわち、商標の本来的な目的は商標の使用を通じてそれに業務上の信用が化体した場合に、その信用を保護するものであるという点についてはいずれの主義も相違はない。ただ、使用主義の立場は保護すべき対象が商標の使用によって蓄積された信用ならば、必然的に、使用している商標だけがその対象となるのであり、未だ使用をしていない商標は保護の対象がないではないかというのである。これに対し、登録主義においては、現実に商標の使用をしていることを商標登録の要件とすると、折角使用をしてその商標に信用が蓄積しても、出願した場合に不登録理由があることによって不登録となるような事態が予想されるから、あらかじめ使用者に将来の使用による信用の蓄積に対して法的な保護が与えられることを保証すべきであり、そのためには現実にその商標の使用をする予定のある者には、近い将来において保護に値する信用の蓄積があるだろうと推定して事前に商標登録をすべきだというのである。そして、一定期間以上使用をしなければ事後的に商標登録を取り消せばよいというのである。すなわち、両者とも法的な保護の対象が商標の使用によってその商標に化体した業務上の信用である点においては一致するのだが、使用主義では現実にその信用がなければならないとするのに対して、登録主義においては必ずしも現実に存在する信用のみならず未必的に可能性として存在する信用も保護の対象として考えてもよいではないかというのである。この二つの主義は、前述したように純粋な型として存在するものはなく、両者の中間にニュアンスの差として存在するのであり、現行法は旧法に比べて商標の不使用取消制度の強化(昭和五〇年及び平成八年の一部改正でさらに強化)等によって使用主義的色彩も濃くなっているのである。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)。

登録主義

登録主義

商標の権利を発生させる際の考え方として、現実の使用により権利が発生することを重視する使用主義と、登録により権利を発生させる登録主義の考え方とがあります。

登録主義は、現実に商標を使用しているか否かにかかわらず、所定の登録要件にしたがい、通常は国家に対する設定登録をすることによって、商標権が発生するという考えです。
登録主義には、権利の所在や有効性、権利期間などを明確にし、無用な争いや、権利存在の証明などの不安定さを除くという利点があります。

わが国では、特許庁に対し出願をし、登録をするという登録主義の考え方を採用しています。

一方、現実の使用の有無を問わない登録主義のもとでは、不使用商標の蓄積や、これによる商標採択の余地が狭まるといった問題があり、これを解消するために使用主義の考え方も取り入れられています。
所定の場合には商標の使用意思を必要とし、また不使用商標の取消審判制度、未登録商標の一定要件下の保護など、使用主義的な考え方を取り入れています。

「各国の立法例も完全にどちらかの主義に基づいて構成されているものはないとしても、それぞれいずれかの主義を基本としているものとはいえよう。また、使用主義といい、登録主義といっても必ずしも一義的なものでなく、いろいろのニュアンスをもっているのであるが、ここでは使用主義とは実際に商標の使用をしていなければ商標登録を受けられないという法制をいい、登録主義とは実際に使用をしていなくても一定の要件さえ満たせば商標登録を受けられる法制をいうものとすると、前者の立場に立つ代表的な例はアメリカであり、後者の例はドイツであるということができるであろう(なお、ドイツは、一九六八年一月一日からは登録後における使用を強制する制度を採用している)。しかし、この二つの立場の対立は本質的な問題ではなく、商標保護政策の考え方の相違によるものといえるのである。すなわち、商標の本来的な目的は商標の使用を通じてそれに業務上の信用が化体した場合に、その信用を保護するものであるという点についてはいずれの主義も相違はない。ただ、使用主義の立場は保護すべき対象が商標の使用によって蓄積された信用ならば、必然的に、使用している商標だけがその対象となるのであり、未だ使用をしていない商標は保護の対象がないではないかというのである。これに対し、登録主義においては、現実に商標の使用をしていることを商標登録の要件とすると、折角使用をしてその商標に信用が蓄積しても、出願した場合に不登録理由があることによって不登録となるような事態が予想されるから、あらかじめ使用者に将来の使用による信用の蓄積に対して法的な保護が与えられることを保証すべきであり、そのためには現実にその商標の使用をする予定のある者には、近い将来において保護に値する信用の蓄積があるだろうと推定して事前に商標登録をすべきだというのである。そして、一定期間以上使用をしなければ事後的に商標登録を取り消せばよいというのである。すなわち、両者とも法的な保護の対象が商標の使用によってその商標に化体した業務上の信用である点においては一致するのだが、使用主義では現実にその信用がなければならないとするのに対して、登録主義においては必ずしも現実に存在する信用のみならず未必的に可能性として存在する信用も保護の対象として考えてもよいではないかというのである。この二つの主義は、前述したように純粋な型として存在するものはなく、両者の中間にニュアンスの差として存在するのであり、現行法は旧法に比べて商標の不使用取消制度の強化(昭和五〇年及び平成八年の一部改正でさらに強化)等によって使用主義的色彩も濃くなっているのである。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)。

商標の機能

商標の機能

(1)自他商品等識別機能
取引の中で発揮される商標は、ある商品やサービス(役務)と、別の商品やサービス(役務)とを識別できる、自他商品等識別機能をもっています。
この識別標識として機能する商標は、その本来の機能から派生して、様々な働きをするものです。

(2)出所表示機能
一定の商標を付した商品や、商標を用いて提供されるサービスは、一定の出所から提供されるものであることを認識させる機能です。
出所表示は、製造業者を示すもののほか、販売業者、輸入業者、業界団体などを示すものとして機能することもあります。

(3)品質等保証機能
一定の商標を付した商品や、商標を用いて提供されるサービスは、同一の商品の品質や、同一のサービスの質を有しているであろうと、取引者・需要者に認識させる機能です。

(4)広告宣伝機能
広い意味では商標の機能ともいえますが、広告を含むマーケティング活動において商標が使用される結果、発揮させる機能です。
一定の品質や、消費者に対するブランド認知、好感度の向上を得られるよう、適切な商標管理を行うことが要求されます。

商標

商標shohyo(しょうひょう)

「商標」とは、標章(の知覚によつて認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの)のうち、下記のように、商品またはサービス(役務)について使用するものです。

一 業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用をするもの
二 業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用をするもの(前号に掲げるものを除く。)
(商標法第2条第1項)

商品とは、「商取引の目的たり得るべき物、特に動産をいう。」とされています。
役務(えきむ)とは、「他人のために行う労務又は便益であって、独立して商取引の目的たりうべきものをいう。」とされています。通常使用されるサービス業の「サービス」のことと考えていいかと思います。
平成三年の一部改正においてサービスマーク(役務)登録制度を導入したことにより、商標法の保護を受ける商標は、商品及び役務の双方となりました。

商標の「使用」については、商標法第2条第3項及び第4項において、詳細に定められています。
「3 この法律で標章について「使用」とは、次に掲げる行為をいう。
 一 商品又は商品の包装に標章を付する行為
 二 商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為
 三 役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物(譲渡し、又は貸し渡す物を含む。以下同じ。)に標章を付する行為
 四 役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付したものを用いて役務を提供する行為
 五 役務の提供の用に供する物(役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物を含む。以下同じ。)に標章を付したものを役務の提供のために展示する行為
 六 役務の提供に当たりその提供を受ける者の当該役務の提供に係る物に標章を付する行為
 七 電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法をいう。次号において同じ。)により行う映像面を介した役務の提供に当たりその映像面に標章を表示して役務を提供する行為
 八 商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為
 九 音の標章にあつては、前各号に掲げるもののほか、商品の譲渡若しくは引渡し又は役務の提供のために音の標章を発する行為
 十 前各号に掲げるもののほか、政令で定める行為

 4 前項において、商品その他の物に標章を付することには、次の各号に掲げる各標章については、それぞれ当該各号に掲げることが含まれるものとする。
 一 文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合の標章 商品若しくは商品の包装、役務の提供の用に供する物又は商品若しくは役務に関する広告を標章の形状とすること。
 二 音の標章 商品、役務の提供の用に供する物又は商品若しくは役務に関する広告に記録媒体が取り付けられている場合(商品、役務の提供の用に供する物又は商品若しくは役務に関する広告自体が記録媒体である場合を含む。)において、当該記録媒体に標章を記録すること。」

なお、登録される商標は、現実に使用しているものでなければならないのかという問題があります。
これについては、
「登録主義においては、現実に商標の使用をしていることを商標登録の要件とすると、折角使用をしてその商標に信用が蓄積しても、出願した場合に不登録理由があることによって不登録となるような事態が予想されるから、あらかじめ使用者に将来の使用による信用の蓄積に対して法的な保護が与えられることを保証すべきであり、そのためには現実にその商標の使用をする予定のある者には、近い将来において保護に値する信用の蓄積があるだろうと推定して事前に商標登録をすべきだというのである。そして、一定期間以上使用をしなければ事後的に商標登録を取り消せばよいというのである。」(工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第20版〕)
との理由から、いまだ使用が開始されない商標でも登録が認められています。

また、商標を使用するのは、出願人(権利者)自身に限られるのか、また現実に使用しているものでなければならないのかという問題があります。
「商標登録の対象となる商標は自ら使用をしているもの、あるいは使用をしようとするものに限るのか、他人に使用をさせるものでもよいのかという問題については次のように考えられる。旧法は、商標権の譲渡をその営業とともにする場合に限ったり、使用許諾制度を認めていない等の理由から自ら使用をする意思がなければならないということができるのであるが、現行法では、商標権の自由譲渡を認め、使用許諾制度を採用したこと等から必ずしも旧法と同様に考えられない。しかし、当初から自ら使用をするものでないものに排他独占的な権利を設定するのは妥当ではない反面、いったん権利が設定された以上はその処分は一つの私的財産権として私的自治に委せた方がよいとの見解から、現行法においても商標登録は『自己の業務に係る商品又は役務について使用をする商標』」に限っているのである。」(工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第20版〕)
とされています。
現実の特許庁の審査では、個人の出願人による「株式会社」等の文字を含む商標や、広範に商品・役務が指定されており使用の意思に疑義があるもの等について、一定の場合に拒絶理由が通知されます。

商標の3大機能として、下記のものがあげられます。
(1)出所表示機能
同一商標の商品や役務は、いつも同じ生産者、販売者や提供者によるものであるということを示します。消費者はその商標を認識し、一定の出所~提供される商品またはサービスであると認識し、他社のものと区別して購入します。

(2)品質保証機能
同一商標の商品や役務は、いつも一定の品質を備えているという信頼を保証する機能です。消費者はその商標を見て、一定の品質を備えている商品またはサービスであると判断し、安心して購入できるという機能です。

(3)広告宣伝機能
商標を広告や宣伝に使用することによって、その商品や役務を消費者に伝え、広く知らしめることにより、購買、利用することを喚起させる機能です。

これらの機能は、その商標を使用すればするほど、増大していくものです。特許や意匠などの存続期間の定めがある権利とは違い、希望すれば更新登録申請によって、商標権は半永久的に更新することができるのも、このためです。

標章

標章(ひょうしょう)

平成26年の商標法改正までは、標章については、商標法第2条第1項において「文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合』と定義されていました。
ネーミング(文字)や、名称とマークの組み合わせ(文字+図形)、色つきのマーク(図形+色彩)、立体形状などが含まれるものです。

前記の法改正により、色彩のみからなる商標、音商標が新しいタイプの商標として認められたことにより、下記のように改正されました。
「人の知覚によつて認識することができるもののうち、文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音その他政令で定めるもの」

これら標章のうち、商品やサービス(役務)について使用する識別標識が、商標です。
「商品・役務について」、商標の「使用」の定義については、商標法第2条第2項及び第3項において定義されています。

色彩を構成要素としていることについては、
「平成二六年の一部改正が行われるまでは、独立して商標の構成要素となることができず、文字、図形又は記号などと結合してはじめて構成要素となることができるものとされていた。また、打ち抜いたものや透明なガラス等に描いたものには色彩はないといえるので、この場合には色彩は当然に構成要素ではないが、それはちょうど文字だけからできている商標では図形及び記号が構成要素になっていないのと同様の関係に立つのである。」との解説があります(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)。

立体商標については、
「平成八年の一部改正により、『立体的形状』を商標の構成要素として新たに加えた。この結果、平面商標(文字、図形若しくは記号若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合からなる平面標章により構成される。)のほかに立体商標(立体的形状又は立体的形状と平面標章との結合により構成される。)も商標登録の対象となった。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)。

新しいタイプの商標については、
「さらに、平成二六年の一部改正により、『色彩のみ』及び『音』が新たに商標の構成要素として認められた。これは、欧米等では、こうした商標を既に保護対象としており、著名な商標が数多く登録されていること、また、こうした海外諸国において、実際に我が国企業が出願や権利取得を進めるケースも増加していることを踏まえたものである。
あわせて、平成二六年の一部改正では、我が国企業に限らず各国での権利取得事例が相当程度ある商標(例えば、『におい』の商標)については、我が国における将来的な保護ニーズの高まりに迅速に対応し保護対象に追加することができるよう、商標の定義について、人の知覚によって認識することができるものであることを明示するとともに、政令に委任することとした。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)。

商標法

商標法(しょうひょうほう)

商標法は、商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする法律です。
商標とは何か、商標登録できない商標、商標登録の手続、商標権の内容、商標権侵害に対する措置などについて規定しています。

商標法は、「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護すること」を目的としています。

その趣旨は、
「商標を使用する者は商品や役務の提供に係る物品等に一定の商標を継続的に使用することによって業務上の信用を獲得するものであるが、この信用は有形の財産と同様に経済的価値を有する。全く同様の質を有する商品又は役務が、それに使用される商標の相違によってその市場価格を異にしていることは通常みられる現象である。したがって、商品の製造業者若しくは販売業者又は役務の提供者は絶えず自己の商品又は役務に使用される商標に対し、細心の注意を払い、不正な競業者が自己の商標と紛らわしい商標を使用して自己の商品又は役務と混同を生ぜしめるような行為を排除しようとする。そのような不正な競業者の不正な行為に対する法規として不正競争防止法(平成五年法律第四七号)及び商標法が存在するのである。商標を使用する者の業務上の信用を維持するという目的は、不正競争防止法も商標法も共通のものであるが、商標法が商標権を設定するという国家の行政処分を媒介としている点が不正競争防止法と異なるところである。『商標を保護することにより』とは、右の趣旨をあらわしているということができる。
また、商標を保護することは、一定の商標を使用した商品又は役務は必ず一定の出所から提供されるということを確保することになる。消費者等の側からみて、過去において一定の商標を付した商品を購入し、又は役務の提供を受けて満足した場合、当該商標を付した商品又は提供を受けた役務が出所の異なったものであったというのではその利益を害することになる。
したがって、一定の商標を使用した商品又は役務は一定の出所から提供されるという取引秩序を維持することは、消費者等の利益を保護することになると同時に、商品及び役務の取引秩序の維持ということを通じて産業の発達にも貢献することとなるのである。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)。


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