商標登録.com > Q&A・サポート > 用語辞典(審判・審決取消訴訟)

用語辞典(審判・審決取消訴訟)-商標登録.com(TM)

Q&A・サポート > よくいただくご質問 | ドメイン名の商標登録 | 商号・屋号の商標登録 | ECサイトの商標規約 | 小売業の商標登録 | 商標登録用語辞典 | お客様の声・ご相談事例


無料相談、無料検索トライアル


拒絶査定に対する審判

拒絶査定に対する審判

拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があった日から原則として3か月以内に審判を請求することができます。

審判を請求する者は、下記の事項を記載した審判請求書を特許庁長官に提出しなければなりません。
1 当事者及び代理人の氏名または名称、住所または居所
2 審判事件の表示
3 請求の趣旨及びその理由

拒絶査定に対する審判は、3人または5人審判官の合議体によって審理され、審理の結果、拒絶査定の取消(登録)、または拒絶査定の維持の審決が下されます。
拒絶の審決に対しては、審決取消訴訟による不服申し立てをすることができます。

補正の却下の決定に対する審判

補正の却下の決定に対する審判

商標登録出願の願書に記載した指定商品・指定役務。または商標登録を受けようとする商標についてした補正が、これらの要旨を変更するものであるときは、審査官は、決定をもつてその補正を却下しなければなりません(商標法第16条の2)。
その決定に不服があるときは、却下の決定を受けた出願人は、 補正却下の決定の謄本の送達があった日から30日以内に審判を請求することができます(商標法第45条)。

なお、却下された補正の内容で、商標登録を受けたいときは、補正後の商標についての新出願とすることもできます。
補正却下の決定の謄本の送達があった日から30日以内に、その補正後の商標について新たな商標登録出願をしたときは、その出願は却下された手続補正書を提出した時にしたものとみなされ、元の商標登録出願は取り下げたものとみなされます。

「本条は、補正の却下の決定に対する審判についての規定であり、一六条の二の補正の却下の決定に対する不服の申立の方法を定めている。一六条の二の補正却下の例としては、指定商品又は指定役務の範囲を変更又は拡大する場合や、商標登録を受けようとする商標に変更を加えて別の商標とするような場合が考えられる。本条に規定する期間内に審判を請求しなければ補正の却下の決定は確定する。
なお、昭和六〇年の一部改正により特許法及び実用新案法において補正却下の決定に基づく新出願の制度を廃止したこと、並びに意匠法及び商標法において同制度を存続させることとしたことに伴い、意匠法一七条の三に同制度に関する規定を新設し一七条の二において同条を準用することとしたので、本条一項ただし書中においても必要な改正を行った。
また、平成五年の一部改正において、特許法においては、制度の国際的調和及び迅速な権利付与の観点から、補正却下不服審判が廃止されたが、商標法においては、補正が要旨変更か否かの判断を行うにあたり、解釈が入り込む余地が少なく、客観的な判断が可能であり、補正却下処分について争いがある場合も、その審理にさほどの時間を要することがないため、迅速な権利付与の障害とはならないことから、補正却下不服審判を存続させることとした。このため、本条中において、従来特許法の準用としていたものを意匠法の準用とする等、必要な改正が行われた。
さらに、平成二〇年の一部改正前は、補正却下不服審判の請求期間を補正の却下の決定の謄本の送達があった日から『三〇日』以内としていたが、補正却下の決定を受けた出願人に対する手続保障の充実の観点から、同改正により当該期間を『三月』に拡大した。」(工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第20版〕)

代理人による不正登録の取消審判

代理人による不正登録の取消審判

所定の外国の商標に関する権利(商標権に相当する権利)を有する者の商標またはこれに類似する商標と、同一・類似の指定商品・指定役務について商標登録がされている場合において、その商標登録出願が、正当な理由なく、その商標に関する権利を有する者の承諾を得ないでその代理人・代表者・1年以内に代理人・代表者であった者によって出願されたものであるときは、本来その商標に関する権利を有する者は、その商標登録を取り消す審判を請求することができます(商標法第53条の2)。
なお、所定の外国には、パリ条約の同盟国、世界貿易機関の加盟国、商標法条約の締約国が含まれます。

上記審判は、商標権の設定の登録の日から5年を経過した後は、請求することができません。

「本条は、パリ条約六条の七の規定(リスボン条約で新設)を実施するため、昭和四〇年の一部改正で新設されたものであり、他の同盟国で商標に関する権利を有する者の保護を強化することを目的とするものである。すなわち、他の同盟国における商標に関する権利を有する者の承認なしに、その代理人・代表者が我が国に当該商標と同一・類似範囲にある商標について出願をした場合であって、それが登録されたときは、商標に関する権利を有する者がその登録を取り消すことについて審判を請求することができる旨を定めたものである。なお、平成三年の一部改正により、本条は、役務に係る商標登録にも適用があることとした。
また、平成六年の一部改正において、本条についてもTRIPS協定二条1の規定に従い、世界貿易機関の加盟国において商標に関する権利を有する者にも審判請求を認める改正を行った。
さらに、平成八年の一部改正においては、商標法条約一五条の規定に従い、商標法条約の締約国において商標に関する権利を有する者にも審判請求を認める改正を行った。」(工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第20版〕)

「1〈商標に関する権利(商標権に相当する権利に限る)〉これは、同盟国、加盟国及び締約国の商標法による商標権を指すものである。「商標権」といってもよいのであるが、我が国の商標法上『商標権』というと『日本商標法による商標権』の意になるので、混同を避けるため『商標に関する権利』と表現したのである。ただ、商標に関する権利というと商標に関する質権等まで含むように解されるおそれもあるので、我が国の商標権に相当する権利に限ることを明確にするため、『商標権に相当する権利に限る』としたものである。
2〈代理人・代表者〉『代表者』は、法人である商標所有者の代表者、『代理人』は、自然人であると法人であるとを問わず商標所有者からなんらかの代理権を授与されたものを指す。通常は、当該商標に係る商品又は役務の取引について、代理権を有する者が問題となろうが、必ずしもこれに限らず、それ以外の事項についての代理権を有する者も含まれる。」(工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第20版〕)

移転された商標権の混同による取消審判

移転された商標権の混同による取消審判

商標権が移転された結果、類似の登録商標が異なった商標権者に属することとなった場合において、一方の登録商標の商標権者が、不正競争の目的で、指定商品・指定役務について登録商標を使用し、他方の登録商標の商標権者・専用使用権者・通常使用権者の業務についての商品・役務と混同を生ずることとなったときは、何人も、その商標登録を取り消すことについて審判を請求することができます(商標法第52条の2)。
商標権を分割して移転する場合を想定して規定された取消審判です。

なお、類似の登録商標とは、
(1)同一の商品・役務について使用をする類似の登録商標
(2)類似の商品・役務について使用をする同一・類似の登録商標
があります。

上記審判は、商標権の設定の登録の日から5年を経過した後は、請求することができません。

商標権者であった者であって、上記の不正使用をした者は、取り消すべき旨の審決が確定した日から5年を経過した後でなければ、再度その商標または類似商標を、その指定商品・指定役務やこれらに類似する商品・役務について、登録することはできません。

「本条は、平成八年の一部改正において連合商標制度廃止に伴って分離移転を認めたこと、及び類似関係にある商品・役務についても商標権の分割移転を認めたこと(二四条の二〔趣旨〕参照)に対応する誤認混同防止のための担保措置の一つとして設けられた取消審判についての規定である。
一項は、商標権者が有する二以上の商標権のうちの一つが分離して移転され、又は商標権者が有する商標権(二以上の指定商品若しくは指定役務を指定しているもの)が二四条の二第一項の規定により分割して移転された結果、同一の商品若しくは役務について使用をする類似の登録商標又は類似の商品若しくは役務について使用をする同一若しくは類似の登録商標が異なった商標権者に登録されることとなった場合において、不正競争の目的で他の商標権者等の業務に係る商品又は役務と混同を生ずる使用をしたときには、何人も、混同を生じさせるような使用をした登録商標に係る商標登録の取消審判を請求することができることを定めたものである。自己の登録商標の使用であっても、不正競争の目的で他の類似関係にある登録商標の商標権者等の業務に係る商品又は役務と混同を生ずる使用をしたときは、その制裁として、そのような使用をした登録商標に係る商標登録全体を審判により取り消す(指定商品・指定役務ごとに取消しを請求することは認められず、また、多区分に係る登録にあってはその全区分について取り消す)こととなる。ここで『不正競争の目的』を取消しの要件としたのは、需要者間に混同が生じるような事態に至っている場合には、類似商標を有する両当事者の少なくとも一方が、混同状態を放置することにより何らかの利益(例えば、片方が周知で他方がその名声にフリーライドしようとしている等)を得ようとしていることが想定され、『不正競争の目的』が認定されるものと考えられること、及びこれを要件としない場合には、利益を害されている側(例えば、名声をフリーライドされている側)の商標まで『混同』を理由に取り消されかねず、妥当性を欠く結論となるおそれがあるからである。なお、不正競争の目的があるかどうかは、使用の動機、使用の目的、使用の実態、周知性の程度、混同の有無等の要因を総合勘案して個々具体的に判断することとなる。また、『何人も』請求し得ることとしたのは、不正競争の目的を持って混同を生じさせるような登録商標の使用は、需要者の利益も損ねることとなるからである。したがって、当事者以外の者、例えば、消費者団体、同業者組合等をも含め誰でも請求することができるのである。両当事者が互いに取消審判を請求し合う事態もあり得るが、その場合でも、両商標の周知度等を勘案の上、いずれの商標権者がその信用を害されるのかを判断することにより、『不正競争の目的』を有する商標権者を認定し、その者の登録を取り消すこととなる。譲渡人であるか譲受人であるかということも問わないし(二以上の商標が別々の者に譲渡された場合には譲受人同士の争いとなる)、どちらが早く請求したのかということも問わない。なお、移転の結果、類似の商標を互いに有することとなった両当事者の一方が自己の登録商標と類似するさらに別の商標を使用することにより出所の混同を生ぜしめた場合、及び使用権者の使用によって他の登録商標の商標権者等との混同を生ずることとなった場合については、本条では何ら規定していない。これは、前者については五一条一項で、後者については五三条一項で、それぞれ規定する取消審判の対象となるからである。二項は、前項で取消しの審決を受けた商標権者は、審決の確定の日から五年を経過しなければその商標又はこれに類似する商標について商標登録を受けられないこと、及び当該取消審判の請求については五年の除斥期間があることを規定したものである。」(工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第20版〕)

商標権者による不正使用取消審判

商標権者による不正使用取消審判

商標権者が登録商標の使用をした結果、禁止権の範囲内で、故意により、品質の誤認や出所の混同を生じるようなこととなっている場合には、何人も、登録商標の取消を請求することができます(商標法第51条)。

審理の結果、商標登録を取り消すべき旨の審決が確定したときは、商標権は、その後消滅します(商標法第54条)。

商標権者であった者であって、上記の不正使用をした者は、取り消すべき旨の審決が確定した日から5年を経過した後でなければ、再度その商標または類似商標を、その指定商品・指定役務やこれらに類似する商品・役務について、登録することはできません。

「本条は、商標権者が故意に指定商品若しくは指定役務についての登録商標に類似する商標の使用又は指定商品若しくは指定役務に類似する商品若しくは役務についての登録商標若しくはこれに類似する商標の使用をして一般公衆を害したような場合についての制裁規定である。すなわち、商標権者は指定商品又は指定役務について登録商標の使用をする権利を有するが、指定商品又は指定役務についての登録商標に類似する商標の使用又は指定商品又は指定役務に類似する商品又は役務についての登録商標若しくはこれに類似する商標の使用は、法律上の権利としては認められていない。
ただ、他の権利と抵触しない限り事実上の使用ができるだけである。そこで、このような商標の使用であって商品の品質若しくは役務の質の誤認又は商品若しくは役務の出所の混同を生ずるおそれがあるものの使用を故意にしたとき、つまり、誤認、混同を生ずることの認識があったときには、請求により、その商標登録を取り消すこととしたのである。
これは商標の不当な使用によって一般公衆の利益が害されるような事態を防止し、かつ、そのような場合に当該商標権者に制裁を課す趣旨である。したがって、本条は前述のように故意を要件とし、過失の場合は適用がない。当初過失であってもその後このような事態を認識しながらその使用を続ければ、もちろん本条に該当する。本条は制裁規定であるから、指定商品又は指定役務の一部についてのみ本条に該当したときでも商標登録全体を取り消す(指定商品・指定役務ごとに取消請求することは認められず、また、多区分に係る登録にあってはその全区分について取り消す)こととなる。また、本条二項で、一項で取消の審決を受けた商標権者は、審決の確定の日から五年を経過しなければ本項で定める範囲について商標登録を受けられないこととして、制裁規定である趣旨を明確にしている。本項違反は拒絶理由、異議申立理由及び無効理由である。本条は登録商標に類似する商標の使用についてのみ適用があり、たとえある程度登録商標との関連が認められていても、これと非類似の商標の使用については適用はない。非類似の範囲についてはもはやその登録商標となんらの関係もなく、登録商標と関係づけられない商標の使用にまで干渉するいわれはないからである。誤認、混同を生ずる商品又は役務に使用されている相手方の商標は登録商標であると未登録商標であるとを問わない。なお、指定商品又は指定役務について登録商標自体を使用して誤認、混同を生じさせてもなんらの制裁規定はない。また、品質等を劣悪にして需要者に商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせたような場合も含まない。
なお本条一項の請求は何人もできる。本条及び五三条の請求は何人もできることとしたのは公衆保護の色彩が強いからである。」
(工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第20版〕)

使用権者による不正使用取消審判

使用権者による不正使用取消審判

専用使用権者または通常使用権者が登録商標の使用をした結果、専用権または禁止権の範囲内で、品質の誤認や出所の混同を生じるようなこととなっている場合には、何人も、登録商標の取消を請求することができます(商標法第53条)。
ただし、商標権者がその事実を知らなかった場合であって、相当の注意をしていたときは、この限りではありません。

審理の結果、商標登録を取り消すべき旨の審決が確定したときは、商標権は、その後消滅します(商標法第54条)。

専用使用権者、通常使用権者であった者であって、上記の不正使用をした者は、取り消すべき旨の審決が確定した日から5年を経過した後でなければ、再度その商標または類似商標を、その指定商品・指定役務やこれらに類似する商品・役務について、登録することはできません。

「本条は、商標権者から使用許諾を受けた専用使用権者又は通常使用権者が、指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について登録商標又はこれに類似する商標を不当に使用して需要者に商品の品質又は役務の質の誤認や商品又は役務の出所の混同を生じさせた場合における制裁規定であり、いわば、現行法において自由に使用許諾を認めたことに対する弊害防止の規定である。その制裁は商標登録の取消しである(指定商品・指定役務ごとに取消しを請求することは認められず、また、多区分に係る登録にあってはその全区分についての取消し)。すなわち、この規定がなくても、商標権者は使用許諾にあたって自己の信用保全のため通常の場合十分な注意をするだろうけれども、もしそうでない場合には本条一項による取消しをもって、そのような無責任な商標権者及び専用使用権者又は通常使用権者に対する制裁を課すこととして、使用許諾制度の濫用による一般需要者への弊害防止の手段としているのである。本項においては、このような意味から五一条では問題としない指定商品又は指定役務についての登録商標の使用をも問題とし、かつ、その使用により商標権者の商品又は役務より劣悪な商品又は役務を提供して需要者の期待を裏切った場合にも本項の適用があることとしているのである。したがって、商標の使用許諾は事前になんらの制限なしに、無制限、かつ、自由に行いうるが、その設定後は本項によって間接的にではあるが商標権者は専用使用権者又は通常使用権者に対し相当の監督の責任を負うこととなるのである。このようなことから、本項は専用使用権者又は通常使用権者のみならず商標権者をも対象とした規定といえよう。しかし、法文にも明らかなとおり、商標権者が相当の注意をしてもその事実を知らなかったときには適用がない。
二項は、一項により取消しを受けた商標権者及びそれに係る専用使用権者又は通常使用権者は五年間、本項所定の場合に商標登録を受けられないこととして、制裁規定としての意味を明確にしている。
三項は、一項の審判についても五一条の審判と同様の除斥期間があることを規定したものである。その趣旨は五一条についての除斥期間と同様であるから、その説明を参照されたい。なお、平成八年の一部改正において、商標登録の取消審判についての五二条の二の規定を新設したことに伴う形式的な改正を行った。」(工業所有権法(産業財産権法)逐条解説〔第20版〕)

無効審判

無効審判

商標登録が、商標法に記載される無効事由を有しているときは、商標登録を無効にすることについて審判を請求することができます。
無効審判は、指定商品・指定役務が2以上のものについては、指定商品または指定役務ごとに請求することができます。

無効審判の手続は、審判官の合議体により審理されます。
無効審判が請求されると、商標権者との当事者対立構造となり、書面での審理、必要に応じ口頭審理を行い、裁判に類似した流れで手続が進みます。

無効理由
・商標法第3条違反:商標としての識別力がない商標(普通名称、慣用商標、単なる品質表示や原産地表示など)
・商標法第4条違反(公益的理由):公序良俗違反、誤認混同・品質誤認を招く商標、著名商標の不正目的登録、その他公益的理由から登録すべきでない商標
・商標法第4条違反(私益的理由):先登録の類似商標の存在、周知商標や著名商標と類似商標、他人の氏名・名称を許可なく含む商標、その他私益的理由から登録すべきでない商標
・商標法第8条違反:後から出願された商標が、誤りにより先に登録されていた場合
・出願により生じた権利を承継しない者に対して登録されたとき
・不正使用で登録された商標が、その後一定期間内に登録されてしまったとき
・登録後に無効理由が生じた場合
・その他

商標登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、商標権は、初めから存在しなかつたものとみなされます。

なお、無効審判は、商標権が存続している間だけではなく、権利消滅後にも請求することができます。
ただし、所定の私益的理由については、5年(除斥期間)を経過した後には請求ができません。登録後一定期間が経過すると、その商標にも信用が化体するため、無効にする利益よりも現状を優先させることとしています。
公益的な無効理由については、除斥期間はありません。

不使用取消審判

不使用取消審判

継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品又は指定役務についての登録商標の使用をしていないときは、何人も、指定商品または指定役務について商標登録を取り消す審判の請求をすることができます。
取消は、商標権全体、あるいは一部の指定商品・指定役務についての請求ができます。

商標権者は、取消請求がされた指定商品または指定役務について、商標を使用した事実、あるいは使用していないことについての正当な理由を明らかにする必要があります。
登録商標の書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名・片仮名・ローマ字の文字の表示を相互に変更するものであつて同一の称呼及び観念を生ずる商標、外観において同視される図形からなる商標、その他の社会通念上同一と認められる商標を使用していたときは、取消にはなりません。

「本条の立法趣旨は、次のように理解される。すなわち、商標法上の保護は、商標の使用によって蓄積された信用に対して与えられるのが本来的な姿であるから、一定期間登録商標の使用をしない場合には保護すべき信用が発生しないかあるいは発生した信用も消滅してその保護の対象がなくなると考え、他方、そのような不使用の登録商標に対して排他独占的な権利を与えておくのは国民一般の利益を不当に侵害し、かつ、その存在により権利者以外の商標使用希望者の商標の選択の余地を狭めることとなるから、請求をまってこのような商標登録を取り消そうというのである。いいかえれば、本来使用をしているからこそ保護を受けられるのであり、使用をしなくなれば取り消されてもやむを得ないというのである。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)

「特定の市町村又は特別区に限っても、請求人が不使用の事実を証明することはきわめて困難であり、不使用取消審判制度はほとんど実効をあげることができなかった。ところが商標権は、もともと出願人が「自己の業務に係る商品について使用をする」ということで与えられるものであり(三条一項)、商標権者は、その商標の使用をしているかどうかを最もよく知っているだけでなく、使用をしていることの証明も容易にできるはずである。挙証責任は、本来衡平の原則によって決定されるべきものであり、以上の諸事情を勘案した結果、昭和五〇年の一部改正により登録商標の使用に関する挙証責任は、審判の被請求人たる商標権者に負わせることとした。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)

「一項は不使用による商標登録の取消の要件を規定している。分説すれば次のとおりである。すなわち、第一は商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもがその登録商標の使用をしていないことである。逆にいえば商標権者自身が使用をしていなくても、専用使用権者又は通常使用権者が使用をしていればよいのであり、この三者のうちの一者の使用があれば取消を免れる。第二は継続して三年以上日本国内において使用をしていないことである。つまり、前述の三者のいずれもが設定登録の日から三年以上不使用のとき、あるいは設定登録後いったん使用しその後中断して三年以上不使用のときである。「継続して」であるから、三年間のうち一度でも使用の事実があれば本項の適用はない。また、「していないとき」であるから、請求時に使用をしていればそれ以前に継続して三年以上の不使用の事実があっても本項の適用はない。「日本国内において」であるから、専ら外国で使用をしていても本項の規定により取消をうける。第三は各指定商品又は指定役務について登録商標の使用をしていないことである。逆にいえば、指定商品又は指定役務に類似する商品又は役務について使用をしたり、登録商標に類似する商標の使用をしても本項の適用を免れることはできない。商標権のうち禁止権に係る部分つまり類似部分の使用は、権利としての使用ではなく事実上の使用であるから本条の意図する登録商標の使用義務を履行しているとはいい難いので、その部分の使用をもって不使用取消を免れることはできないこととしたのである。また、商標登録に係る指定商品又は指定役務がいくつもあるときは、その一部の指定商品又は指定役務についての取消を請求することもできる。この場合の審判の請求は、その一部の指定商品又は指定役務を一体とする一つの請求であって、その一部の指定商品又は指定役務に属する個々の指定商品又は指定役務ごとに請求があるのではない。この点、四六条の無効審判の請求が指定商品又は指定役務ごとにされていると解されるのと大きく相違する。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)

「なお、本項における括弧書は、本条の審判における『登録商標』の使用にあっては、その使用の範囲を拡大して社会通念上同一と認められるものを含ませることを明確にしたものであり、平成八年の一部改正で追加したものである。すなわち、登録商標の使用であるかどうかは、自他商品(役務)の識別をその本質的機能としている商標の性格上、単なる物理的同一にこだわらず、取引社会の通念に照らして判断される必要があるとの考え方から、従来より審決例や裁判例でも、社会通念上同一と認識しうる商標の使用については登録商標の使用と認めてきていたのであるが、この運用も社会通念上同一と認識しうる商標をその内容とする過剰な防衛的出願・登録の抑制を図るまでには至っていないことから、同改正では、こうした出願を抑制し、ひいては早期権利付与の確保を図るために、この括弧書を設けたのである。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)

「また、『登録商標と社会通念上同一と認められる商標』について、従来からの運用上の例示として『書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標』『外観において同視される図形からなる商標』をそれぞれ掲げ、さらに、従来よりも一層弾力的な運用とするため、『平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであつて同一の称呼及び観念を生じる商標』もその例示として掲げた。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)

「また、本条の審判の請求人適格については、平成八年の一部改正前においては『利害関係人』に限られるとされていたものを、同改正で『何人』にも認めることとした。これは、①不使用取消審判制度は、商標法の変遷の中では公益的な観点から職権又は審査官の審判請求により不使用商標の取消がなされていたこともあり、公益的な重要性は元々高いと言えるうえに、近年、不使用の登録商標の累積により、他人の商標選択の幅の狭小化、特許庁における審査負担増・審査遅延等の事態が生じており、これを抑制する手段として当該審判の公益的重要性が一層高くなってきていること、②『利害関係』の有無について争われることにより審理の結論が出るのが遅れるというケースも存在すること、③利害関係を作ろうと思えば、同一又は類似の商標を『出願』又は『使用』をするという形で簡単に作ることが可能であること、④平成八年の一部改正で更新時の使用状況の審査を廃止したため、特許庁が直接的に不使用商標の取消に関与することができなくなったこと、⑤諸外国でも『何人』にも請求を認めている例が少なくないこと(イギリス、カナダ、ドイツ、オーストリア等)等を背景にして、不使用商標の整理についての一層の促進を図ることとしたものである。もっとも、請求人適格を『何人』としても、当該審判の請求が被請求人を害することを目的としていると認められるような場合には、その請求は権利濫用として認められない可能性がある。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)

「二項は取消請求に係る商標登録の取消を免れる場合を規定しており、被請求人が使用の事実を証明し、または不使用についての正当な理由があることを明らかにしない限り、商標登録の取消を免れない旨を明文化することによって被請求人が挙証責任を負担することを明らかにしている。また、不使用期間の算定の起算点についても、審判の請求の登録時であることを明定した。被請求人が使用の事実を証明する場合に、取消請求に係る指定商品(役務)の全てについて使用の事実を証明しなければならないこととすれば、その証明に要する手数が大変になるだけでなく、審判の迅速な処理も困難となり、また審判の請求人は自分で必要とする指定商品(役務)だけについて取消請求をするべきであると考えられるので、被請求人は、取消請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての使用の事実を証明すれば足りることを明らかにしている。このことは、不使用についての正当な理由についても同様である。ここでいう『正当な理由』としては、例えば、その商標の使用をする予定の商品の生産の準備中に天災地変等によって工場等が損壊した結果その使用ができなかったような場合、時限立法によって一定期間(三年以上)その商標の使用が禁止されたような場合等が考えられる。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)

「三項は、平成八年の一部改正で新設した規定であり、商標権者等が本条の審判の請求がされることを知った後に登録商標の使用(いわゆる「駆け込み使用」)をした場合には、その使用は一項に規定する登録商標の使用に該当しないこととしたものである。すなわち、被請求人による使用が審判請求前三月から審判請求の登録の日(予告登録日)までの間におけるものであって、審判の請求がされることを被請求人が知った後の使用であることを、請求人が証明したときは、当該使用は駆け込み使用であって使用とは認められないこととなる。このような駆け込み使用を認めないこととしたのは、①登録商標の使用が審判請求の登録前三年以内であれば、その商標登録は取り消されないこととなっているところ、改正前は、商標権者が取消審判の請求がされ得ることを譲渡交渉、ライセンス交渉等での相手方の動きから察知した場合に、登録商標について審判請求の登録前に駆け込み使用をすることにより取消を免れうるという問題があったこと、②したがって、譲渡交渉等を申し出る者はやむを得ず先ず不使用取消審判を請求し、その登録がされるのを待ってから譲渡交渉等を開始することとなる結果、審判請求の増加及びその取り下げ等による事務処理負担の増加という弊害をもたらしていたこと、③駆け込み使用を認めないこととすれば、審判請求を実際に行うことなく譲渡交渉等が円滑にまとまるという効果も期待できること、④欧州諸国も同様の制度を採用していること、等の理由に基づくものである。
ただし、被請求人が、その登録商標の使用をしたことについて正当な理由があることを証明したときは、当該登録商標の使用をしたものとされる。この場合の「正当な理由」としては、例えば、審判請求がされることを知る前から当該登録商標について具体的な使用計画や準備(例えば、当該商標を商品に付する契約を第三者と締結しているような場合、当該商標を付した商品の広告を作成していたり、その作成を第三者に依頼していたような場合、当該商標を商品に付して使用することの意思決定(例えば取締役会の決議等)が明確になされているような場合等)があり、これに基づいて使用をしたものである場合や審判請求前三月以内の使用ではあるが審判請求がされることを知る前(譲渡交渉等の前)から継続して使用しているものである場合等が考えられる。なお、審判請求前『三月』を駆け込み使用と認める期間の始点としたのは、一般的に譲渡交渉が開始された場合の交渉成否の判明までの期間が二..三月であること、及び欧州諸国の法制との横並びによるものである。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)


shohyo-toroku.com 運営者情報

金原商標登録事務所 | 事務所概要

〒152-0034 東京都目黒区緑が丘一丁目16番7号 TEL 03-6421-2936 FAX 03-6421-2937

電話する benrishi@kanehara.com 平日 9時~ | 土・日・祝 原則休み

業務内容 | 商標・意匠の調査・出願・中間手続。審判など争訟手続。知財関連業務全般。

制作・著作

金原 正道 ©Masamichi Kanehara |  |  | mail

サイトご利用規約 | 個人情報・秘密情報 | 著作権・リンク

Copyright 商標登録.com All Right Reserved