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自分で商標登録できない事例が頻発しています

商標登録出願の書類自体は、A4サイズの紙で1枚か2枚程度の、簡単な書式のものですから、書類の作成方法を調べて、特許庁に提出すること自体は、できるだろうと思います。
これで自分で商標登録ができるのだと錯覚してしまう原因になりかねないのですが、もちろんもともと拒絶理由がなく、すんなり登録になるものも多々あります。ただし、よほど商標法などを勉強された方でなければ、これはある意味では偶然です。

そもそも、自分で商標調査のやり方を調べて、商標検索ができるということは、検索作業そのものの簡単さによるものです。
検索作業の簡単さを、商標調査の簡単さであると錯覚してしまうことには注意が必要です。実際に登録した方が公開している、自分で調査・登録する方法のウェブサイトを見ても、その調査方法を真似しては駄目だというものが掲載されていたりします。

たとえば、特許庁の特許情報プラットフォームでの称呼検索(音声上の類似検索)を行うケースを考えてみましょう。
一例として、「ISIS」という商標を検索するとします。
この類似検索で、称呼(音声)は何と入力して検索すればいいでしょうか?
イズイズ、アイエスアイエス、イシス、イサイス、アイシス・・・。これらの称呼がすべて思い浮かばなかったとしたら、そして実際にこれらの検索をすべてしてみなかったら、検索そのものにも不備があり、これだけで拒絶の理由になるかもしれません。
お問い合わせを受けた範囲の限りでは、おそらくこの検索の段階で、少なく見積もっても半分以上の方は不十分な検索で、拒絶のリスクを見逃しています。

次に、これらの検索をすべてきちんと行ったとします。
しかし、どういう商標が類似商標であるのか、その判断は極めて専門的な話です。商標法第4条第1項第11号についても、商標審査基準、審査の動向、過去の登録例、拒絶例、審決例、裁判例などがあって、弁理士でも専門としていなければ判断が難しいことになります。

しかも、類似商標があるために登録できない(商標法第4条第1項第11号)というのは、よくある拒絶理由の1つですが、たくさんある拒絶理由の内のたった1つにすぎません。
そして数々の拒絶理由について、商標を決定する段階、特許庁への出願を検討する段階で、判断をする必要があります。
検索作業の簡単さを、商標調査の簡単さであると錯覚してしまうということは、検索のやり方を調べて自分でできたということをもって、調査を終え、これらの専門的な判断を飛ばしてしまい、リスクを放置してしまうということなのだと思います。

商標登録の費用を抑えたいということはよくわかります。
ところが、せっかく費用を安くするために自分で手続きをした結果、拒絶理由通知で対応に困り弁理士に依頼する、あるいは最初から出願をし直すということで、最初から弁理士に依頼した場合と比較しても、ほとんど費用的には変わらないことになってしまいます。

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