「タスマニア」の文字は、商品が「タスマニア」産の商品であるか、または、同地で販売された商品であることを表示するにすぎないとされた事例
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服平成11-10648
【審決日】
【事案】
本願商標は、「タスマニア」の片仮名文字を横書きしてなり、第31類「木、草、芝、ドライフラワー、苗、苗木、花、牧草、盆栽」を指定商品として、平成9年9月25日に登録出願されたものである。
【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、オーストラリア南東部、同国の州である『タスマニア』の文字を表してなるから、これを本願指定商品に使用するときは、単に商品の産地、販売地を普通に用いられる方法で表示するに過ぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」として、本願を拒絶したものである。
【審決における判断】
よって判断するに、「タスマニア」は、原審説示の如く、オーストラリア国の州名を表すものであり、また、同州の中心をなす島名としても我が国において知られている。同地は、冷涼な温帯気候であって、動植物相において特異性を示している。
ところで、我が国においては、ガーデニングがブームとなっており、世界各地から新種の植物の輸入が盛んに行われている現状にある。
そうとすれば、「タスマニア」の文字を普通に用いられる方法をもって書された本願商標を、その指定商品に使用するときは、該商品が「タスマニア」産の商品であるか、または、同地で販売された商品であることを表示するにすぎないものといわざるを得ないものであって、特定人に独占を認めることは適当ではない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するものとして拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。