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審決例(3条1項3号)-商標登録.com(TM)

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「セロテープ」の文字は、その指定商品である「セロファン製テープ」を暗示するものではあっても、「セロファン製粘着テープ」の商標として自他商品識別機能を失わない程度に広く認識されていたものであって、いわゆる特別顕著性を有していたものとみるのが相当であるとされた事例

【種別】審決取消訴訟の判決
【審判番号】東京高昭和39年(行ナ)第27号
【事案】
本件商標は、下記のとおりの形状構成の、「セロテープ」の片仮名を左横書きしてなり、第50類「セロファン製のテープ」を指定商品とするものである。
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【拒絶理由】
商標法(旧法)第1条第2項
【判決における判断】
本件商標「セロテープ」は、少なくともその登録時においては、その指定商品である「セロファン製テープ」を暗示するものではあっても、単にその品質・形状を表すに過ぎないものではなく、また、その取引者・需要者間において一般的に普通名称として使用され、認識されていたものではなく、商品である「セロファン製粘着テープ」の商標として自他商品識別機能を失わない程度に広く認識されていたものであって、商標法(旧法)1条2項にいわゆる特別顕著性を有していたものとみるのが相当である。

「Veneto」の文字は、「時計」に使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、商品が「ベネト(Veneto)州産の時計」であること、すなわち商品の品質、産地を表示するものと理解させるに止まるものであるとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服平成11-15694
【審決日】
【事案】
本願商標は、「Veneto」の欧文字を横書きしてなり、第14類に属する商品を指定商品として、平成10年4月23日に登録出願、その後、指定商品については、当審における平成11年9月28日付け提出の手続補正書をもって「時計」と補正されているものである。
【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、イタリア北東部の州を表したものと認められる『Veneto』の文字を書してなるところ、該州の州都ベネチアは、観光・文化の中心地であり、また、陶器・ガラス・レース・金などの工芸品を輸出していることよりすれば、これをその指定商品に使用しても該商品が『Veneto』で製造された商品であること、即ち、産地を表したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たすものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
【審決における判断】
イタリア東北部に位置し、古代ローマの時代にはベネチア地方と呼ばれていたベネト(Veneto)州は、観光・文化の中心地である州都ベネチアのほか、中世の歴史都市パドバ、ビチェンツァ等が点在する観光地として知られるとともに、最近では、料理や食文化に関するセミナー等で同州産のワインとともにその名が屡々紹介され、一般に知られているところである(「コンサイス地名事典外国編」株式会社三省堂発行、「イタリア」ブルーガイド・ワールド実業之日本社発行、日本食料新聞2001年1月24日、同年8月8日及び同年12月10日等)。
そして、ベネト州の州都ベネチアは、陶器、ガラス、金等の工芸品の販売地であること、ガラスや金は時計の原材料でもあることも勘案すれば、「Veneto」の文字よりなる本願商標をその指定商品「時計」に使用した場合、これに接する取引者、需要者をして、上記実情から、該商品が「ベネト(Veneto)州産の時計」であること、すなわち商品の品質、産地を表示するものと理解させるに止まるものであって、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。

「那須山麓」の文字は、単に商品の産地を普通に用いられる方法で表示するにすぎないとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服平成11-14854
【審決日】
【事案】
本願商標は、「那須山麓」の文字を横書きしてなり、第29類「乳製品,食用油脂」を指定商品として、平成10年4月1日に登録出願されたものである。
【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、栃木県北東部の酪農産地である『那須山麓』の文字を表してなるから、これを本願指定商品について使用するときは、単に商品の産地を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」として、本願を拒絶したものである。
【審決における判断】
本願商標は、「那須山麓」の文字を普通に表した文字のみよりなるものであるところ、その構成中の「山麓」の文字は、「山のふもと、山のすそ」を意味する親しまれた語であり、「那須山麓」もまた栃木県最北部に位置する「那須岳(那須五岳)」より東南部に広がる地域一帯を指し示すものであることは、請求人の否定するところでない。
そして、この地域は、その気候、風土に起因する観光業のみならず農業、酪農業が盛んであることは、当審における顕著な事実である。
してみれば、本願商標は、その指定商品に係る商品の産地(品質)を普通に表したにすぎないものというべく、自他商品識別機能を果たし得ないものというのが相当である。
しかして、商標法第3条の規定の趣旨は、旧商標法第1条第2項の「特別顕著」を具体的に法文に明定した(「逐条解説」特許庁編)ものであり、判例も「商品の品質を表示する名称は、それがすでに一般的に使用されている場合はもとより、そうでなくても将来は一般的に使用されるに至るべき可能性を多分にもつものというべきであり、この可能性を多分にもつものについて商標権の設定を認め、その権利者だけに独占的使用を許すことは相当でないものと考えられるところであって、この意味からして、右のような可能性をもつものについては、永年使用による特別顕著性の認められる場合の外は、その特別顕著性を認めることはできないものといわなければならない。東京高裁昭和36年(行ナ)第192号判決」と判示するところである。
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべきでない。
なお、請求人は、登録例を挙げて述べるところがあるが、上記のとおりであるから、採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。

「PROVENCE」の文字は、調味料、香辛料等の商品について使用するときには、取引者、需用者は、該商品の産地、販売地を表示するものと認識するにとどまるといわざるを得ないとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服平成11-12616
【審決日】
【事案】
本願商標は、「PROVENCE」の欧文字を書してなり、第30類「茶、コーヒー及びココア、氷、菓子及びパン、ウースターソース、ケチャップソース、しょうゆ、食酢、酢の素、そばつゆ、ドレッシング、ホワイトソース、マヨネーズソース、焼肉のたれ、角砂糖、果糖、氷砂糖、砂糖、麦芽糖、はちみつ、ぶどう糖、粉末あめ、水あめ、化学調味料、香辛料、アイスクリームのもと、シャーベットのもと、穀物の加工品、アーモンドペースト、サンドイッチ、すし、ピザ、べんとう、ミートパイ、ラビオリ、即席菓子のもと、酒かす」を指定商品として、平成9年9月30日に登録出願されたものである。
【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、フランスの南東部、地中海に臨む地方を指称する『PROVENCE』の文字を表してなるから、これを本願指定商品に使用するときは、単に商品の産地、販売地を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」として、本願を拒絶したものである。
【審決における判断】
本願商標は、前記構成よりなるものであるところ、「PROVENCE」は、フランス南東部の地中海沿いの地方で「保養地」として、また、古くから文化の花開いた地としても知られており、その文化に根付いた食文化においても、種々の「プロバンス風」料理があることは、我が国においても知られているところである。そして、「プロバンス風」と称される各料理の特徴は、オリーブ、香草、ニンニク、トマトをきかせた点にあるとされ、ことに、この地方の香草は、エルブ・ド・プロバンスとして名を世界にとどろかせている。
ところで、本願商標の指定商品中には、特徴ある各国料理を作るための調味料、香辛料等の商品が含まれており、これら商品の中には、世界各国または各地方において生産され、販売されているものが我が国に輸入され、それぞれの料理に供されている事実が認められる。
そうとすれば、「PROVENCE」の文字を普通に用いられる方法をもって書された本願商標を、その指定商品中の前記商品等に使用するときには、取引者、需用者は、該商品の産地、販売地を表示するものと認識するにとどまるといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。

「タスマニア」の文字は、商品が「タスマニア」産の商品であるか、または、同地で販売された商品であることを表示するにすぎないとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服平成11-10648
【審決日】
【事案】
本願商標は、「タスマニア」の片仮名文字を横書きしてなり、第31類「木、草、芝、ドライフラワー、苗、苗木、花、牧草、盆栽」を指定商品として、平成9年9月25日に登録出願されたものである。
【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、オーストラリア南東部、同国の州である『タスマニア』の文字を表してなるから、これを本願指定商品に使用するときは、単に商品の産地、販売地を普通に用いられる方法で表示するに過ぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」として、本願を拒絶したものである。
【審決における判断】
よって判断するに、「タスマニア」は、原審説示の如く、オーストラリア国の州名を表すものであり、また、同州の中心をなす島名としても我が国において知られている。同地は、冷涼な温帯気候であって、動植物相において特異性を示している。
ところで、我が国においては、ガーデニングがブームとなっており、世界各地から新種の植物の輸入が盛んに行われている現状にある。
そうとすれば、「タスマニア」の文字を普通に用いられる方法をもって書された本願商標を、その指定商品に使用するときは、該商品が「タスマニア」産の商品であるか、または、同地で販売された商品であることを表示するにすぎないものといわざるを得ないものであって、特定人に独占を認めることは適当ではない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するものとして拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。

「揚子江」の文字は、商品が「長江の下流域にある化学工場において生産された肥料」と理解・認識させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服平成11-3745
【審決日】
【事案】
本願商標は、「揚子江」の文字を横書きしてなり、第1類「肥料」を指定商品として、平成9年9月25日登録出願されたものである。
【拒絶理由】
原査定は、『本願商標は、「揚子江」の文字を普通に用いられる方法で書してなるにすぎないところ、該文字は、「ヤンツーチアン」とも称呼され、武漢等の、長江の流域の局地的な地域名(地理学上では、長江の下流の局地的な名称)であり、武漢(ウーハン)等においては、本願指定商品の工業的生産、取引も行われていること明らかであるから、このような長江下流域の地域名(ヤンツーチアン)を、本願指定商品に使用しても、単に、その商品の生産地または生産地域名、または販売地を表示するものとして直観し認識するに止まり、なんら自他商品を区別する標識としての機能を果たすことができないものと認めるを相当とする。したがって、本願商標は、商標法第3条第1号第3項に該当する。』旨認定して、本願を拒絶したものである。
【審決における判断】
よって判断するに、本願商標は、「揚子江」の文字を横書きしてなるところ、原審において認定したとおり、「揚子江」は、「長江の別称であって、中国最大の河川でチベット高原に源を発し、青海、雲南、湖北、湖南、江西、江蘇、などの各省を経て東シナ海に注ぐ。本流域の主要都市は、重慶、宜昌、武漢、九江、鎮江、揚州、南京、上海など。」であり(三省堂編修所編者「コンサイス外国地名事典」株式会社三省堂、1985年12月10日改訂版第1刷発行)、また、その都市の中で特に、「九江」は、「江西省北部の都市。揚子江中流右岸に位置。綿紡績・燐酸肥料工場がある。」(同「コンサイス外国地名事典」)と認められるものである。
してみれば、「揚子江」の文字を普通に用いられる方法で書してなる本願商標を、その指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、該商品が「長江の下流域にある化学工場において生産された肥料」と理解・認識させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとは認められないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は商標法第3条第1号第3項に該当し、登録することはできない。
なお、請求人は、本願商標が商標法第3条第1号第3項に該当するとしても、使用により識別力を有するにいたったと十分認められるので、商標法第3条第2項に該当すると主張し、その事実を立証するために甲第1号証乃至同第3号証を提出している。
しかしながら、本願商標については前記の判断されること叙上のとおりであり、請求人の提出に係る書証をもってしても、本願商標が商標法第3条第2項に該当する要件を具備するに至ったものとは認めがたいから、同人の主張は採用することはできない。
よって、結論のとおり審決する。

「三宮手帳」の文字は、「年刊定期刊行物である手帳」について使用するときは、「神戸市の三宮で生産、販売される心おぼえに雑事や必要事項を記入する小さな帳面」と理解・認識させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服平成10-113331
【審決日】
【事案】
本願商標は、「三宮手帳」の文字を横書きしてなり、第16類「日記帳,手帳」を指定商品として、平成8年3月23日登録出願、その後、当審において、指定商品を「年刊定期刊行物である手帳」と補正されたものである。
【拒絶理由】
原査定において、『本願商標は、”神戸市の葺合・生田2区の境で市内随一の商店街”を認識する「三宮」及び「手帳」の文字を普通に用いられる方法で書してなるものに過ぎないから、これをその指定商品中、「手帳」に使用しても単に商品の産地・販売地を表すにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。』旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
【審決における判断】
本願商標は、「三宮手帳」の文字を横書きしてなるところ、「三宮」の文字部分は、「神戸市中央区の一部で、神戸市随一の商業・娯楽等の繁華街」を表示したもの、また、「手帳」の文字部分は、「心おぼえに雑事や必要事項を記入する小さな帳面」の意味合いと解されること、新村 出編者「広辞苑(第五版)」株式会社岩波書店、1998年11月11日第五版第一刷発行、の記載に徴し明らかなところである。
してみれば、これらの語を結合してなるにすぎない本願商標は、その指定商品に使用するときは、この種の商品の取引者、需要者をして該商品が「神戸市の三宮で生産、販売される心おぼえに雑事や必要事項を記入する小さな帳面」と理解・認識させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとは認められないものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は商標法第3条第1号第3項に該当する。
請求人は、三宮を中心とする神戸の各種の情報や地図を資料として載せている旨主張するが、一般の手帳には、各種の情報や鉄道路線等が掲載されているばかりでなく、仮に請求人主張の如く神戸市三宮の情報・地図が掲載されている手帳に使用するのであれば、本願商標は、その内容を端的に表示したものにすぎず、自他商品の識別機能を有しないことに変わりはないものである。
また、本願商標の指定商品を「年刊定期刊行物である手帳」と補正しているが、手帳というものは、一般に、毎年1月より12月まで記入できるように作製されているものであり、通常、年1回の刊行となるものであるから、上記補正は、ほとんど内容のない補正というべく、かかる補正により、拒絶の理由が解消したとする請求人の主張は、採用することができない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。

「嬬恋高原」の文字は、商品が「嬬恋高原で製造、販売されるビールあるいはビール製造用ホップエキス」であること、すなわち商品の産地、販売地を表示するものと理解させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服平成10-5393
【審決日】
【事案】
本願商標は、「嬬恋高原」の漢字を横書きしてなり、第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料,ビール製造用ホップエキス」を指定商品として、平成8年3月29日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、平成9年12月26日付け提出の手続補正書により「ビール,ビール製造用ホップエキス」と補正されたものである。
【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、群馬県吾妻郡にある『嬬恋高原』の文字を、普通に用いられる方法で書してなるから、これを本願指定商品中、例えば『嬬恋高原産の地ビール』等の商品に使用するときは、単に商品の産地・販売地を表示するにすぎない。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同第4条第1項第16号に該当する。また、出願人の提出に係る各資料によっては、本願商標が同第3条第2項に該当するに至ったものとは認められない。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
【審決における判断】
群馬県吾妻郡西端に位置する嬬恋村は、村域の半分以上が上信越高原国立公園に含まれる観光地として知られ、吾妻川沿いの集落を除く大部分が標高千メートル以上の風光明媚な高原状の地形にあることから、付近一帯は「嬬恋高原」の呼び名でも親しまれているところである。
このことは、ホテルやゴルフ場の所在地に「嬬恋村嬬恋高原」との表示が、また、インターネットによる嬬恋村に関する紹介記事に「嬬恋高原のキャベツ畑」、「万座ハイウェー経由で嬬恋高原まで○○Km」等の表示が、さらに、嬬恋村に関する新聞記事に、「東海大学嬬恋高原研修センター」、「嬬恋高原芸術展」、「嬬恋高原山野草愛好会」等の表示がみられること等から認めることができる(「全国ゴルフ場ガイド’93東日本編」ゴルフダイジェスト社発行1764頁、「goo」1999年9月1日インターネット情報、朝日新聞1989年1月31日群馬版、毎日新聞1999年8月5日群馬版、同1997年7月5日群馬版)。
ところで、1994年4月の酒税法改正でビール製造量の下限が引き下げられたことにより、我が国でも地域の特性を生かした地ビール造りが盛んに行われるようになり、全国各地で多種多様のビールが製造され、販売されているのが実情である。
そして、嬬恋村に1万1千人の住民の他、多くの企業、リゾート施設や宿泊施設等が存在することを考えれば 、「嬬恋高原」の文字は、前記「嬬恋高原」の地域で本願指定商品の製造または販売をする者によって、必要に応じ、商品の生産地、販売地を表示するものとして、その容器、包装等に任意に採択、使用され得る性質のものであるというのが相当である。
してみれば、「嬬恋高原」の文字よりなる本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者に対し、上記実情から、該商品が「嬬恋高原で製造、販売されるビールあるいはビール製造用ホップエキス」であること、すなわち商品の産地、販売地を表示するものと理解させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
つぎに請求人は、本願商標が商標法第3条第2項に該当する旨述べ、それを証明するものとして資料1乃至同11を提出しているが、そこに示された請求人の使用に係る商標は、いずれも「嬬恋高原」「つまごいこうげん」「ブルワリー」の各文字と図形が一体になったもの、あるいは「嬬恋高原ブルワリー」であって、本願商標である「嬬恋高原」とは態様が異なるものであるうえ、上記商標の使用期間も2年と短く、さらに取引数量の証明もないものであるから、本願商標が、その指定商品に使用された結果、需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができるに至っているとは認められない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、登録することかできない。
 よって、結論のとおり審決する。

「北海道発」の文字は、商品の品質、産地又は販売地を表示するものと理解させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服平成10-1896
【審決日】
【事案】
本願商標は、「北海道発」の文字を横書きしてなり、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,サンドイッチ,すし,ピザ,べんとう,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」を指定商品として、平成7年7月14日に登録出願されたものである。
【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、全体として『北海道からの』等の意味合いを認識するから、これをその指定商品に使用しても単に商品の産地を表示したものと認められ、自他商品の識別標識としての機能を有しない。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
【審決における判断】
本願商標は「北海道発」の文字よりなるところ、構成文字中「北海道」の文字は、日本列島の北端にある大きな島、「北海道」の地名を表すものとして、また、「発」は、「出ること、出すこと」等を意味するものとして、いずれも普通に使用されている語であるから、本願商標は、「北海道から出ること」あるいは「北海道から出すこと」を表すものと容易に理解されるものである。
ところで、新聞紙面においては「~北海道発のブランド商品として、素材にこだわった菓子の共同開発・販売~」の記載がみられ、また、北海道特産の海産物、農産物に関する記事において、「“北海道発”商品の開発に本腰を入れる。」との記載がみられる(日経流通新聞1997年7月31日7頁、同1989年5月30日11頁)。さらに、1996年に東京都内の郵便局が取り扱った「’96東京お歳暮特選品」においては、「北海道ラーメン」の紹介欄に「北海道発」の記載がみられ、本願指定商品を取り扱う分野において、「北海道発」の語は、北海道で製造、販売される商品であることを表すものとして使用されていることが認められる。
そうとすれば、「北海道発」の文字よりなる本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者に対し、上記実情から、該商品が「北海道で製造し発売されたもの」であること、すなわち商品の品質、産地又は販売地を表示するものと理解させるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであり、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。

指定商品「せんべい」について「焼おにぎり」「やきおにぎり」の文字は、商品の品質表示にあたらず、品質誤認のおそれもないとして、登録された事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服平成11-11433
【審決日】
【事案】
本願商標は、「焼おにぎり」の文字と「やきおにぎり」の文字を二段に書してなり、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、平成9年3月13日に登録出願、その後、指定商品については平成11年4月15日付手続補正書により「せんべい」と補正されたものである。
【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、商品が『焼きおにぎりの形状及び風味を有する商品』であることを容易に認識させる『焼おにぎり』『やきおにぎり』の文字を普通の態様で二段に書してなるものであるから、これを本願指定商品中前記に照応する商品に使用しても、単に該商品の形状、品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
【審決における判断】
本願商標は、上記の構成よりなるところ、これをその指定商品に使用しても、原審において説示するような、商品の品質を表示するものとは看取し得ないばかりでなく、当審において調査するも、前記意味合いでこの種業界において取引上普通に使用されている事実も見出せない。
そうとすると、本願商標は、商品の品質を表示するものとはいい難く、自他商品の識別標識としての機能を十分果たし得るものであり、またこれを指定商品に使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないものといわざるを得ない。
してみれば、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶した原査定の拒絶の理由は妥当でなく、その理由をもって拒絶をすべきものとすることはできない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。よって、結論のとおり審決する。

「清里高原」の文字は役務の提供地を表示するものとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服平成10-15795
【審決日】
【事案】
本願商標は、「清里高原」の文字を横書きしてなり、第42類「飲食物の提供」を指定役務として、平成8年6月6日に登録出願されたものである。
【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、山梨県北西部八ヶ岳南東麓の高原地帯をいう『清里高原』の名称である文字よりなるから、この高原はペンション等様々な休養施設、飲食物の提供施設を有し、営業をしていることからして、これを指定役務に使用した場合、役務の提供地を表示するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」として本願を拒絶したものである。
【審決における判断】
本願商標は、「清里高原」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、その構成中前半の「清里」の文字は、例えば、(株)三省堂発行「コンサイス地名辞典」第3版、(株)岩波書店発行「広辞苑」第5版及び(株)昭文社発行「マップルガイド20信州」1997年等に掲載されており、これらの掲載内容を総合すると、「清里」は、八ヶ岳中信国定公園に属する山梨県北西部八ヶ岳南東麓の高原に位置し、高冷地野菜栽培と酪農が盛んで避暑地としても有名なことが確認できるところである。そして、清里のシンボルでもある清泉寮や美し森等の観光名所はもとより、多くのレストラン・喫茶店が紹介されており、近年当該地が観光、行楽地として大きく発展し、周辺にはレストラン・喫茶店を初め、別荘、ホテル、ペンション等も多数存在しているところである。
また、後半の「高原」の文字は、海面からかなり高い位置にあって、平らな平面をもち、比較的起伏が小さく、谷の発達があまり顕著でない山地を指称する語として広く親しまれているものである。
そうとすれば、本願商標は、「清里周辺の高原地帯」を表したものといわなければならない。
現に、「清里高原」の文字は、同地域を指す語として、(株)三省堂発行「大辞林」第2版に掲載されており、また、清里高原(高根町)観光案内のホームページ(http://www1e.mesh.ne.jp/kiyosato/kiyosat2.htm)、清里観光振興会のホームページ(http://www.comlink.ne.jp/~sinkokai/)、(株)昭文社発行「ス-パーマップル3関東道路地図」1999年及び実業之日本社発行「ブルーガイド・ムック首都圏東京200kmガイド&マップウィークエンドナビゲーション」等に使用されているし、また、中央自動車道長坂ICを降りてから野辺山高原に至る有料道路の名称にも「清里高原有料道路」と命名され、該文字が使用されているところである。
そして、該地域は、前述のとおり、著名な観光、行楽地として発展し、これに伴いレストラン・喫茶店等本願指定役務である「飲食物の提供」を業とする者が少なからず存在していること明らかである。
してみれば、「清里高原」の文字が広く使用されており、かつ、該地域においてレストラン、喫茶店等の飲食物の提供が広く行われていると認められる以上、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者は、役務の提供の場所を表す語として理解、認識するに止まり、自他役務の識別機能を有しないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は妥当なものであって、取り消す限りではない。
なお、請求人は、過去における登録例、審決例を多数挙げ、本願商標は、自他役務の識別機能を有する旨主張しているが、請求人主張の事例が指定商品に係るものであるのに対し、本願商標は指定役務に係るものであるから、商品と役務という相違のあることは明かである。また、商標登録をすべきものとされた時が本願商標と異なることも当然であり、本願がこれら事例に左右されなければならない特別の事情も見い出せないものであるから、請求人の該主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。

ニューヨークの地名「5th Avenue」に「INTERNATIONAL」を付しても商標法3条1項6号(原査定では3号)に該当するとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服平成9-19423
【事案】
本願商標は、下記に表示したとおりの構成よりなり、第25類「被服、ガーター、靴下止め、ズボンつり、バンド、ベルト、履物」を指定商品として、平成7年8月25日に登録出願されたものである。
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【拒絶理由】
これに対し、原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、アメリカ合衆国ニューヨーク市の高級品店がある通りとして有名な『5th Avenue』の文字を2段に分けて表示したものに『国際的な』の意味の『INTERNATIONAL』の文字を小さな文字で付記した構成よりなるものであるから、これをニューヨーク製を初め外国製のものが多く取り扱われている本願指定商品に使用しても,該通りを産地にするものと理解されるにとどまるから、単に商品の産地・販売地を表示するにすぎない商標である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
【審決における判断】
よって判断するに、本願商標は下記に表示したとおり大きな「5th Avenue」の文字の下に小さく「INTERNATIONAL」の文字を表してなるものであるが、構成中の上段の「5th Avenue」は、パリの「シャンゼリゼ通り」、日本の「銀座」と同様、国を代表するアメリカ合衆国ニューヨーク市の著名な繁華街であり、そこには「グッチ」、「バリー」、「フェラガモ」、「テファニー」等の一流品店舗が軒を並べていることでよく知られているものである。また、下段の「INTERNATIONAL」の文字は、「国際的な」を意味する英語であるが、「スーツ」「コート」等、被服を取り扱う業界において「世界のどの国でも共通に着られる」如き意味合いを表す語として適宜採択し使用されているところである。
そうとすれば、これら「5th Avenue」と「INTERNATIONAL」各文字よりなる本願商標を、その指定商品中「スーツ」「コート」等の被服に使用しても、これに接する取引者・需要者は、該商品が単に「世界中のどこでも着られる被服であり、ニューヨークの5番街(5th Avenue)で製造若しくは販売された商品である」ことを理解し認識するに止まるものといえる。
したがって、本願商標は、何人の業務に係る商品であるかを認識させることができないものと認められるものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
なお、原査定は、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当すると認定しているが、当審では、本願商標が自他商品の識別標識の機能を果たし得ない点においては3号も6号も同様であると判断し、改めて拒絶理由を通知することなく上記のとおりの認定をした。
よって、結論のとおり審決する。

「マキトール」の文字は「巻き取る」の意味を直観させ、商品の品質、機構(構造)を表示するものとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2001-2238
【事案】
「マキトール」の文字は「巻き取る」の意味を直観させ、ロールブラインド・ロールスクリーン等の巻き取る機構(構造)を有する商品について使用しても、商品の品質、機構(構造)を表示するものである(商標法第3条第1項第3号)。
これを前記商品以外の屋内装置品、屋外装置品について使用した場合には、該商品が「巻き取る機構(構造)を有する商品」であるかの如く、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものである(商標法第4条第1項第16号)。
【拒絶理由】
本願商標は、「マキトール」の文字を横書きしてなり、第20類「家具、畳類、建具、屋内装置品(書画および彫刻を除く)屋外装置品(他の類に属するものを除く)記念カップ類、葬祭用具」を指定商品として、昭和61年2月17日に登録出願されたものである。
これに対し、原査定は、「本願商標は、『巻き取る』の意味合いを直観する『マキトール』の文字を普通に用いられる方法で表してなるにすぎないから、これをその指定商品中巻き取り機構を有するロールブラインド・ロールスクリーン等に使用するときは、単に該商品が上記機構を有するものであることの品質を表示するにすぎない。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。
【審決における判断】
よって接ずるに、ある商標が自他商品の識別力を有するか否かについては、その指定する商品との関係を考慮して相対的に判断されなければならないところである。
しかして、本願商標は「マキトール」の文字よりなるものであるところ、これは「巻いて他の物へ移しとる」の意味を有する「巻き取る」の語の字音を容易に想起させる「マキトル」の語にあって、その後半部の「トル」を語呂よく「トール」と表音化したものとみるを相当とし、その指定する商品中の「ロールブラインド・ロールスクリーン」等の商品との関係では、該文字は「巻き取る」の意味を直観させるものといわなければならない。
即ち、屋内装置品等の業界においては、巻き取る機構(構造)を有する商品として、「ロールブラインド・ロールスクリーン」等の存するところ、これら商品については、「巻き上げるタイプ」とか「巻き込んで収納できる」等の解説が記載されていたり、また、該商品の部品として「巻き取りチューブ」「巻取ドラム」「巻取パイプ」等の用語が使用されていることからみて、「巻き取る」の語は商品の機能、構造を表すものとして一般に使用されているものといえる(株式会社経済出版発行「家具木材加工インテリア用語辞典」、株式会社東洋経済新報社発行「現代商品大辞典 新商品版」、株式会社三省堂発行「コンサイスカタカナ語辞典」、株式会社ニチベイ発行「Nichibei Product Guide総合カタログ」、株式会社ヨコタ発行「ヨコタカタログ’83」等の「ロールブラインド・ロールスクリーン、ローラーシエード」の項参照)。
そうとすれば、本願商標は、その指定商品中のロールブラインド・ロールスクリーン等の巻き取る機構(構造)を有する商品について使用しても、取引者・需要者は、該商品が前記機構(構造)を有する商品であること、即ち、商品の品質、機構(構造)を表示するものであることを容易に理解し、認識するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものであるといわなければならず、また、これを前記商品以外の屋内装置品、屋外装置品について使用した場合には、該商品が「巻き取る機構(構造)を有する商品」であるかの如く、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。


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