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先願-拒絶理由

先願の商標であること

同一または類似の商品・役務について使用をする、同一または類似の商標について、異なった日に2以上の商標登録出願があったときは、最先の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができます。
なお、後の商標登録出願は、この規定の条文(商標法第8条第1項)ではなく、商標法第4条第1項第11号が拒絶理由として適用されます。

同一または類似の商品・役務について使用をする、同一または類似の商標について、同日に2以上の商標登録出願があったときは、商標登録出願人の協議により定めた一の商標登録出願人のみがその商標について商標登録を受けることができます。
指定された期間内に協議の結果の届出がないときは、特許庁長官が行う公正な方法によるくじにより定めた一の商標登録出願人のみが商標登録を受けることができます。

「本条は、商標登録出願が競合した場合についての規定である。
平成三年の改正では、それぞれ『商標』の定義を改正したことに伴い『商品』の次に『役務』を加える改正を行ったものである。さらに商品と役務の類似があることとしたため(現行二条六項)、商品に係る商標登録出願と役務に係る商標登録出願の間においても先後願関係が成立することとなる。
一項は異なった日に二以上の商標登録出願があった場合である。この場合には最先の出願人のみが商標登録を受けることができる。ただし、類似関係にある商標についての商標登録出願において、それらが同一の出願人に係るものである場合には本項の適用はない。なお、八条一項違反は無効理由であるが、拒絶理由ではない。その理由は、八条一項違反で拒絶すべき場合は必ず四条一項一一号違反になるから八条一項違反を拒絶理由としておく意味がないのに反し、これを無効理由にしておかないと誤って後願が先に登録された場合にその後願に係る登録を無効にできないからである。
二項は同日出願の場合である。この場合は協議により商標登録を受けるべき者を定めることは特許法と同様であるが、協議が成立しない場合の取扱いが特許法とは異なる。これについては後に述べる(五項)。同一の出願人に係る類似関係にある商標の商標登録出願については一項と同様に適用がない。
三項は商標登録出願の放棄、取下げ若しくは却下又は査定若しくは審決の確定があった場合の一項又は二項についての効果を規定している。つまり、この場合は出願がなかったことになり、その後の出願が順次くり上がるのである。
なお、平成八年の一部改正において、三項中の『無効』を『却下』に改めたが、これは七七条二項で準用する特許法一八条において『無効』を『却下』に改め、七七条二項で準用する特許法一八条の二に『却下』を新設したことに伴うものである。
四項は同日出願の場合の協議を一定の期間内にさせるための規定で、成立しなかった場合は五項で処理することとなる。
五項は同日出願のときに協議が成立しなかった場合である。この場合は特許法三九条二項の規定と異なり、くじで商標登録を受けるべき出願人を定めるのである。商標法では先願が拒絶されても三項の規定により先願権は残らない。したがって、拒絶になった商標と、同一又は類似の商標についても過去に先願があったという理由によっては拒絶されないから、協議が成立しない場合に両方とも商標登録を受けられないものとすると、その直ぐ後に同様な商標登録出願をした者(当事者及び第三者を含めて)の方に商標登録をしなければならない場合があるという不合理があるからである。
くじで先後を定める立法例としては鉱業法二七条三項がある。
なお、本条には他人の防護標章登録出願と競合した場合を規定してないが、この場合には、商標登録出願に対し登録が行われるときには、その指定商品又は指定役務と防護標章登録出願に係る登録商標についての指定商品又は指定役務とは必ず混同を生じないし、防護標章登録出願されるような場合には、それと競合する商標登録出願に係る指定商品又は指定役務とその防護標章登録出願に係る登録商標についての指定商品又は指定役務とは必ず混同を生ずるので、いずれも先後願を問題にするまでもなく他の登録要件で処理(四条一項一五号、六四条)できるからである。」(「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕)

商標審査基準抜粋

第8条(先願)(PDF)

1.「同一又は類似の商品又は役務について使用をする同一又は類似の商標」について
本号における類否の判断については、この基準第3の十(第4条第1項第11号)を準用する。

2.第8条第4項の協議命令(以下「協議命令」という。)並びに第8条第2項及び第5項の拒絶理由の通知について
出願が同日に相互に同一又は類似の関係にある他人の出願と競合したときは、該当するすべての出願に対し、協議命令と第8条第2項及び第5項の拒絶理由の通知を同時に行うこととする。
ただし、上記の協議命令と拒絶理由の通知がなされる前に、第8条第2項の協議が成立した旨又は協議が不成立である旨の書面が提出されているときは、以下のとおりとする。
(1) 協議が成立した旨の書面が提出されたときは、協議により定めた一の出願人に係る出願以外の商標登録出願に対し、第8条第2項の拒絶理由を通知する。
(2) 協議が不成立である旨の書面が提出されたときは、すべての商標登録出願に対し、第8条第5項の拒絶理由を通知する。

3.協議が成立した旨の書面が提出された場合について
特許庁長官の指定する期間内に、出願人から協議が成立した旨の書面が提出された場合には、協議により定めた一の出願人に係る商標が登録された後、他の出願について、第8条第2項に基づき拒絶査定を行う。

4.協議が不成立である旨の書面が提出された場合又は協議が成立若しくは不成立である旨の書面がいずれも提出されない場合について
特許庁長官の指定する期間内に、出願人から、協議が不成立である旨の書面が提出された場合又は協議が成立若しくは不成立である旨の書面がいずれも提出されない場合は、第8条第5項の特許庁長官が行う公正な方法によるくじの手続を行うこととし、くじにより定めた一の出願人に係る商標が登録された後、他の出願について、第8条第5項に基づき拒絶査定を行う。

5.「一の商標登録出願人」に係る出願の拒絶査定等が確定した場合について
「商標登録出願人の協議により定めた一の商標登録出願人」及び「特許庁長官が行う公正な方法によるくじにより定めた一の商標登録出願人」に係る出願について、拒絶査定の確定又は取下げ、放棄等がされた場合には、他の出願人に係る出願が、商標登録を受けることができる出願となる。

●対応方法

(1)同一または類似の商品・役務について使用をする、同一または類似の商標ではないことを主張する。

(2)最先の商標登録出願人による商標と、出願人の名義を一致させたうえで、そのことを説明し登録する。

(3)指定された期間内に、商標登録出願人の協議により登録する商標を決定する。

(4)指定された期間内に協議の結果の届出をせず、特許庁長官が行う公正な方法によるくじにより定めてもらうこととする。

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