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政府等の標章等-拒絶理由

国・地方公共団体等の標章と同一・類似の商標

商標法第4条第1項第6号

(1)国・地方公共団体の標章、(2)国・地方公共団体の機関の標章、(3)公益に関する団体であって営利を目的としないものの標章であって、著名なもの、(4)公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章であって、著名なもの、と同一又は類似の商標は、登録されません。

「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕では、
「六号の立法趣旨はここに掲げる標章を一私人に独占させることは、本号に掲げるものの権威を尊重することや国際信義の上から好ましくないという点にある。なお、本号は八号と異なり、その承諾を得た場合でも登録しないのであるから単純な人格権保護の規定ではなく、公益保護の規定として理解されるのである。本号の例としては、YMCA、JETRO、NHK、結核予防会のダブルクロス、大学を表示する標章、都市の紋章等がある。また、国とは日本国を、地方公共団体とは地方自治法一条の三にいう都道府県及び市町村並びに特別区、地方公共団体の組合及び財産区を、これらの機関とは、立法、司法、行政についての国又は地方公共団体の機関をいう。公益に関する団体であって営利を目的としないものの代表的な例は公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律二条三号の公益法人である。公益に関する事業であって営利を目的としないものの例は地方公共団体の営む水道事業その他がある。」
と解説されています。

商標審査基準抜粋

第4条第1項第6号(国、地方公共団体等の著名な標章)(PDF)

1.「国、地方公共団体若しくはこれらの機関」について
(1) 「国」とは日本国をいう。
(2) 「地方公共団体」とは、地方自治法1条の3にいう普通地方公共団体(都道府県及び市町村)及び特別地方公共団体(特別区、地方公共団体の組合及び財産区)をいう。
(3) 「これらの機関」とは、国については立法、司法、行政の各機関をいい、地方公共団体については、これらに相当する機関(司法を除く。)をいう。

2.「公益に関する団体であつて営利を目的としないもの」について
「公益に関する団体であつて営利を目的としないもの」であるか否かについては、当該団体の設立目的、組織及び公益的な事業の実施状況等を勘案して判断する。この場合、国内若しくは海外の団体であるか又は法人格を有する団体であるか否かを問わない。
(例)
① 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律による認定を受けた公益社団法人又は公益財団法人 (例:日本オリンピック委員会)
② 特別法に基づき設立された社会福祉法人、学校法人、医療法人、宗教法人、特定非営利活動法人、独立行政法人(例:日本貿易振興機構)など
③ 政党
④ 国際オリンピック委員会
⑤ 国際パラリンピック委員会及び日本パラリンピック委員会
⑥ キリスト教青年会

3.「公益に関する事業であつて営利を目的としないもの」について
「公益に関する事業であつて営利を目的としないもの」であるか否かについては、当該事業の目的及びその内容並びに事業主体となっている団体の設立目的及び組織等を勘案して判断する。この場合、事業が国内又は海外のいずれにおいて行われているかを問わない。
(例)
① 地方公共団体や地方公営企業等が行う水道事業、交通事業、ガス事業
② 国や地方公共団体が実施する事業(施策)
③ 国際オリンピック委員会や日本オリンピック委員会が行う競技大会であるオリンピック
④ 国際パラリンピック委員会や日本パラリンピック委員会が行う競技大会であるパラリンピック

4.「表示する標章」について
「国若しくは地方公共団体若しくはこれらの機関、公益に関する団体であつて営利を目的としないもの又は公益に関する事業であつて営利を目的としないもの」(以下「国等」という。)を「表示する標章」には、国等の正式名称のみならず、略称、俗称、シンボルマークその他需要者に国等を想起させる表示を含む。
(例1) 公益に関する団体であって営利を目的としないものを表示する標章
① 国際オリンピック委員会の略称である「IOC」
② 日本オリンピック委員会の略称である「JOC」
(例2) 公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章
① 国際オリンピック委員会や日本オリンピック委員会が行う競技大会であるオリンピックを表示する標章としての「オリンピック」及び「OLYMPIC」、その俗称としての「『五輪』の文字」、そのシンボルマークとしての「五輪を表した図形(オリンピックシンボル)」
② 国や地方公共団体が実施する事業(施策)の略称

5.「著名なもの」について
(1) 「著名」の程度については、国等の権威、信用の尊重や国等との出所の混同を防いで需要者の利益を保護するという公益保護の趣旨に鑑み、必ずしも全国的な需要者の間に認識されていることを要しない。
(2) 「著名なもの」に該当するか否かについては、使用に関する事実、例えば、次の①から④までの事実を総合勘案して判断する。この場合、標章によっては、短期間で著名となる蓋然性が高いと認められる場合があることに留意する。
① 実際に使用されている標章
② 標章の使用開始時期、使用期間、使用地域
③ 標章の広告又は告知の方法、回数及び内容
④ 一般紙、業界紙、雑誌又は他者のウェブサイト等における紹介記事の掲載回数及び内容

6.「同一又は類似の商標」について
本号における類否は、国等の権威、信用の尊重や国等との出所の混同を防いで需要者の利益を保護するという公益保護の観点から、これら国等を表示する標章と紛らわしいか否かにより判断する。

●対応方法

(1)国・地方公共団体の標章、国・地方公共団体の機関の標章、公益に関する団体であって営利を目的としないものの標章、公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章、とは同一又は類似の商標ではないことを主張する。

(2)国・地方公共団体の標章、国・地方公共団体の機関の標章、公益に関する団体であって営利を目的としないものの標章、公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章は、著名なものではないことを主張する。

審決例

「OLYMPIC」の文字が図形と結合した商標は、国際オリンピック委員会および日本オリンピック委員会が、営利目的としない事業活動を表示する著名な標章と類似するとされた事例S51-7447

「万博/ばんぱく/BANPAKU」の文字は、国際的博覧会(万国博覧会)の略称を表示する標章と類似するとされた事例S44-9193

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