意見書・手続補正書
商標登録が認められないと特許庁の審査で判断されたとき、拒絶理由が通知され、これに対しては、意見書・手続補正書を提出することができます。
意見書は、拒絶理由通知の発送後、所定の応答期間内に提出する必要があります。
拒絶理由通知は、弁理士が代理人であれば弁理士事務所宛に拒絶理由通知が送付されます。
拒絶理由通知の条文や内容を見て、意見書・手続補正書の提出など適切な対応方法があるかどうかを検討します。
拒絶理由通知に対し、意見書・手続補正書等の書類を提出し、拒絶理由が解消した場合には、登録査定となります。
拒絶理由が解消しなかった場合には、拒絶査定となります。
拒絶査定に対する不服申立の手続もあります。
意見書
意見書は、拒絶理由通知に対し、反論を行ったり、手続補正書により補正した内容を説明したりするための書類です。
拒絶理由は法律で規定されており、その通知は法律的な要件を認定する内容であるため、意見書もこれに応答して、法的構成に沿った内容で記載していく必要があります。
意見書の内容は、拒絶理由の条文、内容により様々です。
手続補正書
併せて、手続補正書を提出する場合もあります。
手続補正書は、指定商品・指定役務、その他の項目を補正するための書類です。
手続補正書は、審査の結果(査定)が確定するまでは、通知がない時でも提出することができますが、拒絶理由通知に対しては、意見書と同時に提出することが一般的です。
あるいは、手続補正書のみで拒絶理由が解消する場合もあります。
なお、いったん補正により指定商品・指定役務を削除するなどして範囲を狭めた後に、また広げることは認められません。範囲を広げてしまうと要旨変更として補正が却下されます。
上申書
この他、上申書を提出するケースがたまにあります。
たとえば、以前の古い住所や社名で登録してある商標が存在し、その商標と類似するため登録できないとされた場合に、以前の登録の旧住所や旧社名を現在の出願と同一のものに変更する場合です。
住所や社名が現在のものと一致しないため、他人の類似商標であるとされてしまったところ、前の登録の旧住所や旧社名を現在の出願と同一のものに変更し、拒絶理由が解消した旨を上申します。
その他にも上申書を提出するケースがあります。
拒絶査定に対する審判
拒絶理由通知に対し、意見書・手続補正書等の書類を提出したが、拒絶理由が解消しなかった場合、あるいは拒絶理由通知に対し手続をしなかった場合には、拒絶査定となります。
拒絶理由が解消しなかった場合には、拒絶査定と拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があった日から三月以内に審判を請求することができます。
拒絶査定が来たが、適切な対応方法が難しい。
拒絶査定に対し、登録する方法があるか、弁理士の見解を聞きたい。
拒絶査定に対する不服申立のための、立証に役立つ証拠を集めたい。
自社で出願はするが、拒絶査定に対する対応は、弁理士に依頼したい。
項目 | 弁理士手数料 |
拒絶査定不服審判請求書 | 50000~100000円 |
※特許印紙代15000円+(区分数×40000円)別途
※消費税10%別途
※区分の数が多い場合等、作業内容が特に困難と見込まれます場合には、事前に、料金表とは異なる料金で個別にお見積いたします。
項目 | 弁理士手数料 |
再出願(内容修正後)の書類作成(助言・調査等含む) | 10000~20000円(特許印紙代別途) |
分割出願 | 10000円~20000円(特許印紙代別途) |
※消費税10%別途
※区分の数が多い場合等、作業内容が特に困難と見込まれます場合には、事前に、料金表とは異なる料金で個別にお見積いたします。
補正の却下の決定に対する審判
商標登録出願の願書に記載した指定商品・指定役務。または商標登録を受けようとする商標についてした補正が、これらの要旨を変更するものであるときは、審査官は、決定をもつてその補正を却下しなければなりません(商標法第16条の2)。
その決定に不服があるときは、却下の決定を受けた出願人は、 補正却下の決定の謄本の送達があった日から30日以内に審判を請求することができます(商標法第45条)。
なお、却下された補正の内容で、商標登録を受けたいときは、補正後の商標についての新出願とすることもできます。
補正却下の決定の謄本の送達があった日から30日以内に、その補正後の商標について新たな商標登録出願をしたときは、その出願は却下された手続補正書を提出した時にしたものとみなされ、元の商標登録出願は取り下げたものとみなされます。