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公序良俗違反の商標-拒絶理由

公序良俗を害するおそれがある商標

商標法第4条第2項第7号
公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標は、登録されません。

たとえば、下記のものが該当します。

1.「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には、その構成自体がきょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合
2.商標の構成自体がそうでなくとも、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するような場合

なお、「差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形」に該当するか否かは、特にその文字又は図形に係る歴史的背景、社会的影響等、多面的な視野から判断されます。

2.他の法律によって、その使用等が禁止されている商標、特定の国若しくはその国民を侮辱する商標又は一般に国際信義に反する商標は、本号の規定に該当します。

「工業所有権法(産業財産権法)逐条解説」〔第20版〕では、
「七号は旧法二条一項四号に相当する規定で、なんら変更はない。本号を解釈するにあたっては、むやみに解釈の幅を広げるべきではなく、一号から六号までを考慮して行うべきであろう。」
と解説されています。

商標審査基準抜粋

第4条第1項第7号(公序良俗違反)(PDF)

1.「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」とは、例えば、以下(1)から(5)に該当する場合をいう。
(1) 商標の構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音である場合。
なお、非道徳的若しくは差別的又は他人に不快な印象を与えるものであるか否か は、特に、構成する文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音に係る歴史的背景、社会的影響等、多面的な視野から判断する。
(2) 商標の構成自体が上記(1)でなくても、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合。
(3) 他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合。
(4) 特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反する場合。
(5) 当該商標の出願の経緯に社会的相当性を欠くものがある等、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない場合。

2.本号に該当する例
① 「大学」等の文字を含み学校教育法に基づく大学等の名称と誤認を生ずるおそ れがある場合。
② 「○○士」などの文字を含み国家資格と誤認を生ずるおそれがある場合。
③ 周知・著名な歴史上の人物名であって、当該人物に関連する公益的な施策に便 乗し、その遂行を阻害する等公共の利益を損なうおそれがあると判断される場合。
④ 国旗(外国のものを含む)の尊厳を害するような方法で表示した図形を有する 場合。
⑤ 音商標が、我が国でよく知られている救急車のサイレン音を認識させる場合。
⑥ 音商標が国歌(外国のものを含む)を想起させる場合。

●対応方法

(1)公序良俗に反するおそれがない場合には、その旨の反論を行う。

(2)法令等により正当な権限がないと判断された場合には、その拒絶理由を解消する。
・出願人が株式会社でないのに商標に「株式会社」の文字が含まれるときなど、出願人を正当な権利を有する者に変更すれば拒絶理由が解消する場合には、適切な名義変更を行う
・商標に「協会」「連合会」などの文字が含まれるときなど、出願人がその商標を登録する正当な権限があることを立証する

審決例

「昭和大仏」の文字は、宗教法人青龍寺の境内に建立された大日如来座像を示すものであり、無断で出願をした行為は、社会の一般道徳観念に反するものであって、公の秩序を害するおそれがあるため、商標法第4条第1項第7号に該当し無効であるとされた事例S60-18883

「ホワイトハウス」が公序良俗に反する商標であるとされた事例S60-2315

「ポパイ」の特徴を顕著に表した図形を配した商標は、一見して漫画の「ポパイ」そのものを直ちに認識させ、他人の著名な標章の盗用と推認し、商標法第4条第1項第7号に該当し無効であるとされた事例S59-19123

「OldSmuggler」の文字は、密輸者(密輸商人を含む。)、酒類密造者の意味を有する「Smuggler」の文字を服うものであり、自他商品識別の標識としては不穏当であり、結局、本願商標は、商標法4条1項7号に該当するとされた事例昭和30年抗告審判第15号

「ごまの蠅」の文字は、懐中のスリ又はさぎ等を意味する用語であり、本願商標は公の秩序、善良の風俗を害するおそれがあるとされた事例 昭和29年抗告審判第825号

判決例

「SHINAGAWA INTER CITY」及び「品川インターシティ」の文字を2段書きした商標が、「INTER・CITY」、「インター・シティ」他の各引用商標とは類似せず、商標法第4条第1項第7号に該当しない、引用商標は著名ではないから商標法第4条第1項第8号にいう「他人の名称の略称」に該当しない、周知であるといえるためには、全国的でなくとも数県にまたがる程度の相当に広い範囲で多数の取引者・需要者に知られている必要があり、商標法第4条第1項第10号、第15号には該当しないとされた事例東京高昭平成13年(行ケ)第430号

「白書」の文字は中央省庁が編集する政府刊行物の名称に用いられるところ、本願商標「企業市民白書」の文字をたとえば印刷物に使用した場合、これに接する取引者、需要者は政府発行の刊行物であるかの如く、誤認するおそれがあり、商標法4条1項7号に該当するとされた事例東京高平成11年(行ケ)第394号

「特許管理士会」の漢字を横書きし、第26類「書籍、雑誌、その他本類に属する商品」を指定商品とする商標について、無効であるとされた事例東京高平成10年(行ケ)第299号

町内の各業者に対し使用が奨励されていることを十分承知していながら、「母衣旗」の名称による利益の独占を図る意図で出願した本件商標は、公正な競業秩序を害するものであって、公序良俗に反するものであるとされた事例東京高平成10年(行ケ)第18号

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