「ホワイトハウス」が公序良俗に反する商標であるとされた事例
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服昭和60-2315
【事案】
「ホワイトハウス」が公序良俗に反する商標(商標法第4条第1項第7号)に該当するか
【拒絶理由】
本願商標は「ホワイトハウス」の文字を書してなるものであるが、これより一般には「アメリカ大統領官邸」を認識させるものであり、これを出願人が商標として採択使用することは穏当を欠くものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
【審決における判断】
本願商標は、「ホワイトハウス」の片仮名文字を横書きしてなり、第33類「穀物、豆、粉類、飼料、種子類その他の植物および動物で他の類に属しないもの」を指定商品として、昭和57年11月10日に登録出願されたものである。
これに対し、原査定は「本願商法は『ホワイトハウス』の文字を書してなるものであるが、これより一般には『アメリカ大統領官邸』を認識させるものであり、これを出願人が商標として採択使用することは穏当を欠くものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」として本願商標を拒絶したものである。
よって判断するに、「ホワイトハウス」の文字は、アメリカ合衆国大統領の官邸の通称であることは、我が国においても広く知られているところである。
してみれば、本願商標は該官邸の著名な通称を表してなる商標といわざるを得ない。
したがって、本願商標を一般人が営利の目的において使用することは、該国の権威と尊厳とを損ねるものであり、かつ、国際信義に反するものであるから、これを請求人(出願人)が自己の商標として採択使用することは穏当でないから、本願商標は商標法第4条第1項第7号の規定に該当し、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。