拒絶理由通知が来たら、弁理士に依頼すべき理由
拒絶理由通知が来た場合には、まずは弁理士を探し、すぐに相談をするべきです。
ご自分で出願手続きをされた方の中には、この段階になっても、自分で何とかできないか、費用を節約できないかと、いろいろ調べたりされる方も見受けられます。調べること自体は悪いことではありません。
しかし、すぐに弁理士に相談し、その結果、見込みがあるようであれば、すぐに弁理士に依頼をするべきです。
拒絶理由通知をわかりやすく簡単に、動画で解説
拒絶理由通知や意見書は、法律文書です
拒絶理由の内容によっては、指定商品・指定役務のちょっとした変更や削除など、簡単な書面の提出で済む場合もあります。
それ以外の理由でも、意見書で反論する内容を、”自分なりに”考えて思いつくかもしれません。
指定商品・指定役務の変更や削除など、手続補正書の提出で済む場合には、いろいろ調べて、書式や記載方法などはある程度わかるかもしれません。
しかし、手続補正書の記載内容の不備で、補正却下になることもありえます。
商標の場合には、いったん手続補正書で指定商品・指定役務の範囲を狭く限定してしまうと、その後で再度、手続補正書で範囲を広くすることは認められません。
拒絶理由は法律で規定され、それぞれの条文ごとに商標審査基準が規定され、その商標審査基準は、数々の審決や、判決、法律の解釈などの長年にわたる積み重ねとして、特許庁の内規としてあるものです。
拒絶理由通知に対し、意見書で反論することは、拒絶理由を構成する1つ1つの要件を検討し、どの要件が当てはまらないかを主張し、したがって商標法第○条第○項第○号には該当しないということを法的に主張する、裁判での法的三段論法を駆使した書面を書くことと同じです。
これによって、数々の審決や、判決、法律の解釈などの専門知識を有する審査官の主張を覆し、納得させなければなりません。
拒絶理由通知の次は、登録査定か拒絶査定
拒絶理由通知には、「40日以内に意見書を提出してください」と書いてありませんでしたか?
しかし、弁理士を探すだけだって、何日かかかるかもしれません。
「意見書の提出があったときは、商標登録の可否について再度審査することになります」とありますね。
下記のフローチャートをご覧ください。
指定商品等の補正をする手続補正書を提出してもまだ不備があり、これに対して手続補正指示書が来て、再度の訂正のチャンスを与えられる場合はあります。
しかし、次は、審査の結論となる査定です。登録査定か、拒絶査定か、です。
登録査定になれば問題ありません。
拒絶査定になったとき
拒絶査定になったとき、不服申立の審判請求をしなければ、それで拒絶が確定してしまいます。
不服申立の審判を請求するには、1区分ごとに55000円の印紙代を払わなければなりません。2区分で110000円、3区分で165000円です。この段階になってから弁理士に依頼しようと思ったら、この程度では済みません。
しかも、いったんは審査官というプロが、正式な行政処分としての拒絶査定を出したわけですから、これを覆すにはそれ相応の法律的理由・根拠が必要となります。後の段階になるほど、狭き門になるといっても過言ではありません。
弁理士は拒絶理由対応のプロ、登録できないものとあきらめずに相談を
目の前に拒絶理由通知が来ていたら、自分でやることにこだわったり、節約など考えている時ではありません。
すぐにでも相談するべきだということを、申し上げておきたいと思います。
反論しても見込みが少ない場合には、無駄な手続きをしてしまうことも避けられます。
意見書での反論や、手続補正書での対応のほかにも、別の適切な他の方法を弁理士が考えてくれるかもしれません。
審査官もプロですが、数々の審決や、判決、法律の解釈などの専門知識を有する弁理士もプロです。
できることなら、ご自身で出願をする場合でも、あらかじめ、途中で難しくなったら依頼できそうな弁理士を探しておくくらいの方がよいでしょう。