称呼検索(特許情報プラットフォーム J-Plat-Pat)
称呼とは、商標の読み方、商標から生じる音声のことです。
一つの商標に、称呼が一つだけのこともあれば、二つあるいはそれ以上の称呼が生じることもあります。
称呼は、出願の際に指定する必要はありません。
商標登録出願後に、特許庁の方で、称呼を振ってデータベースに入力し、商標検索や審査に役立つようにするためのものです。
称呼に基づき、同一商標のほか、類似商標を検索することができます。
同一商標の調査だけでは、権利侵害の有無、登録できるかどうかの確認のためには不十分です。
称呼が同じであれば同一商標、あるいは類似商標ですが、称呼が1文字あるいはそれ以上異なる場合でも、類似商標とされる場合もあり、判断には注意を要します。
具体的な称呼の例
たとえば、商標「白梅」からは、「シラウメ」、「シロウメ」、「ハクバイ」の称呼が生じるでしょう。
一方、商標「白梅酒造」からは、「シラウメシュゾウ」、「シロウメシュゾウ」、「ハクバイシュゾウ」、「シラウメ」、「シロウメ」、「ハクバイ」の称呼が生じるかもしれません。
そうすると、商標「白梅」と「白梅酒造」とは類似商標ですし、商標「しらうめ」と「白梅酒造」も類似になるであろうと判断されます。
類似商標かどうかは、指定商品・指定役務との関係で
称呼検索で、同一商標または類似商標であるかどうかは、具体的な指定商品・指定役務との関係で考えます。
指定商品どうしが同一か類似であれば、商標が同一・類似のときに、同一・類似商標となります。
指定商品と指定役務が類似であれば、商標が同一・類似のときに、同一・類似商標となります。
指定商品・指定役務が類似しないものであるときは、商標が同一・類似であっても、商標は類似とはなりません。
区分が同じであっても、指定商品・指定役務が類似しないものであることもあります。
区分が違っても、指定商品・指定役務が類似であることもありえます。
区分 / 指定商品・指定役務(商標登録する)
商品・役務名検索(検索調査する)
称呼検索の方法(J-Plat-Pat)
特許情報プラットフォーム(J-Plat-Pat)にアクセス。

「商標検索」を選択
「商標」のメニューの中から、「商標検索」を選びます。

次のような「商標検索」メニューが表示されます。
ひと通り、どのような入力項目があるのか、見てみましょう。
「商標検索」画面にはヘルプのほか、 商品・役務名検索、商品・サービス国際分類表、類似商品・役務審査基準などへのリンクもあり、必要なときに参照しやすいようにされています。

称呼検索の事前準備
区分・類似群コードの下調べ
称呼(商標の読み方)以外に何も入力せずに検索を行うと、検索結果が膨大な数になることもあります。
商標の区分(第1類~第45類)や、類似する指定商品・指定役務を示す類似群コードを同時に入力するなどして、検索を行うことが通常です。
区分が違っても類似する商品・役務があります。
このため区分を指定して検索しても、異なる区分の商標も検索されますが、これらの中にも類似商標がある可能性が十分にあります。
商品・役務名検索で、事前に必要な区分や類似群コードを調べておきましょう。
称呼の特定
一つの商標にも、いくつもの称呼があることは普通です。
複数の読み方ができる商標は、通常考えられる読み方すべてを、称呼としてピックアップしなければ十分な調査はできません。
さらに、一つの商標に含まれる一部分から、称呼が生じることも多くあります。
詳しくは商標法第4条第1項第11号の商標審査基準などで解説されています。
事前に「称呼検索」で検索を行う「称呼」を特定し、必要な限りピックアップしておきます。
それ以外にも、出願人・権利者名や、除外キーワードなどの入力項目があります。
検索方針の組み立て
また「称呼検索」だけで終わらせずに、他の検索方法での調査が必要になることも多くあります。
たとえば商標に含まれる文字列の検索などです。
必要な商標調査の方針を事前に組み立てておかないと、必要十分な調査はできません。
「称呼検索」の種類
J-Plat Patには「称呼検索」メニューがあるのではなく、「商標検索」メニューでは、「商標・マーク」の入力項目の中に「称呼検索」があります。

「商標(検索用)」は、 商標に含まれる文字列で検索します。
「図形等分類」は、 図形商標検索で入力します。
試しに入力項目の選択をするためにカーソルを当ててみると、次のようになります。

称呼検索には、「称呼(単純文字鉄検索)」と、「称呼(類似検索)」の入力項目があります。
その下の「商品・役務」の入力項目では、「区分」か「類似群コード」を選択して入力することができます。

「称呼(単純文字列検索)」
「称呼(単純文字列検索)」は、称呼を完全一致で検索するものです。
称呼は全角カタカナで入力します。
たとえば「特許情報プラットフォーム」の称呼「トッキョジョウホウプラットフォーム」を入力し検索しても、称呼が一文字(1音)でも違うと、1音違いの商標は検索結果に出てきません。
なお前方一致、後方一致、部分一致などは利用できます。
「トッキョジョウホウ?」と称呼を入力すれば、「特許情報」や、「異なる文字だが称呼が一致する部分」で始まる商標(前方一致)が検索されます。
「?トッキョジョウホウ?」で検索すれば、部分一致が検索できます。
「?トッキョジョウホウ」や「?プラットフォーム」で検索すれば、後方一致が検索できます。
ただしこれらも入力した称呼との完全一致が検索されますので、たとえば「特許プラットフォーム」などがあっても検索されません。
「称呼(類似検索)」
「称呼(類似検索)」では、入力した称呼と同一の称呼の商標だけでなく、1音あるいはそれ以上に異なるが称呼が類似する可能性がある商標が検索されます。
商標全体の称呼のほか、必要に応じて商標の一部分での称呼やさまざまな読み方の称呼で検索をすることにより、類似商標を検索することができます。
OR検索
入力項目の欄に、スペース区切りを入れて複数の文字列(称呼)を入力すれば、OR検索ができます。
OR検索とは、複数の検索条件のいずれかを満たすものが検索されるものです。
たとえば「トッキョジョウホウ プラットフォーム」と称呼を入力すると、「トッキョジョウホウ」の称呼を含む商標、または「プラットフォーム」の称呼を含む商標が検索されます。
しかし同時に異なる称呼を検索するため、検索結果数が多すぎる結果になることもあります。
また、検索結果が見にくかったりするため、一つ一つの称呼ごとに検索する方がよいでしょう。
AND検索
「商標検索」画面では、初期状態で縦に3つの「商標・マーク」の入力項目があります。入力項目の数は追加することができます。
複数の入力欄に同時に入力して検索すれば、AND検索になります。
AND検索とは、複数の検索条件を同時にすべて満たすもののみが検索されるものです。
複数の欄に称呼を入力すれば、入力した称呼(や図形等分類など)をいずれも含む商標のみが検索されます。
たとえば図形等商標検索では、「花の図形を含み、かつ鳥の図形を含む商標」のように、AND検索が有効なケースが多いものの、称呼検索ではやめておいた方が無難です。
複数の称呼を同時に含む商標となると、検索結果が相当に絞られてしまい、限定的な検索結果しか確認できません。
結果として、類似商標があっても見逃してしまうリスクが大きくなります。
称呼検索の実例
称呼検索の方法で解説したやり方を、実例で行ってみましょう。
調査する商標として、J-Plat-Patのロゴを選んでみました。

称呼検索は、商標の読み方で検索するものであることは、説明したとおりです。
一つの商標でも、いくつもの称呼が考えられることが、このケースでの称呼をピックアップしてみます。
「ジェイプラットパト」
「トッキョジョウホウプラットフォーム」
この2つは当然です。
「トッキョジョウホウ」も「プラットフォーム」も、その業務(役務)についての説明的あるいは一般的な用語なので、それぞれを調べなくてもよいかもしれません。
しかし慣れないとき、迷ったときは検索してみることが大切です。
「J-Plat」はハイフンでつながっている、あるいは「Plat Pat」の部分にはまとまりが感じられるので、称呼として「ジェイプラット」、「プラットパト」を念のために調べたほうがよいかもしれません。
ほかの読み方ができる場合には、さらに別の称呼での検索も考える必要があります。
さらに、商標全体だけではなく、商標の部分ごとの称呼検索が必要とされるケースも多くあります。
「商標」のメニューの中から、「商標検索」を選びます。

次のような「商標検索」メニューが表示されます。
称呼の入力はデフォルト画面では、「称呼(単純文字列検索)」となっており、これでは同一称呼の商標しか検索できません。
類似商標を検索するには、必ず、「称呼(類似検索)」に変更して検索する必要があります。
当サイトの名称として、「ジェイプラットパト」の称呼で検索をしてみます。

区分・類似群コードを入力
検索対象とする業務(区分・類似群コード)を入力します
区分と、類似群コードとは、少なくともいずれかを指定します。
類似群コードは、「類似商品・役務審査基準」によって調べて指定します。
画面の例では、類似群コードを「35G03 42P02 42X11」と入力しました。
第35類の「コンピュータデータベースへの情報編集」(類似群コード35G03 42P02)
第42類の「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」(類似群コード42P02)、「電子計算機の貸与 」「電子計算機用プログラムの提供」(類似群コード42X11)のいずれかを含む称呼検索です。
類似群コードの「42P02」が共通していることから、第35類の「コンピュータデータベースへの情報編集」と第42類の「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」が、区分が違っても類似する役務であるとわかります。
区分・類似群コード入力の注意点:
(1)商標登録は、第○類という区分を指定して登録します。
しかし、区分が異なっても、類似の指定商品・指定役務とされている場合があります。類似群コードが同じであれば、類似商品・役務です。
(2)区分、類似群コードはどちらか一方を入力してください(両方入力も可能)。
類似商品・役務審査基準で確認することができます。

検索を行います
検索ボタンを押すと検索が行われ、検索結果の件数が確認できます。
それ以外にも入力項目がありますが、今回はこのまま下の方にある「検索」ボタンを押します。

検索が実行されました。
しかし「検索結果は0件でした」と表示されました。

条件を変えて検索を実行してみます。
称呼を「ジェイプラット」として検索してみます。
今回は試しに検索していますが、どのような検索を行うかは綿密に考え、組み立てて行う必要があります。

称呼入力の注意点
(1)1つの商標でも、何通りも称呼(読み方)があるときは、それぞれの検索調査をする必要があります。
(2)商標の部分的な主要部分についても、称呼検索をする必要があります。
改行で分離された商標や、ハイフン(-)、ピリオド(.)、中黒(・)、スペース(空白)などで区切られた前後のそれぞれは、商標の主要部分です。
また、2つ以上の単語に分けられる商標は、それぞれの単語だけの称呼の検索をする必要がありますし、普遍的な言葉を含む商標などは、その普遍的な言葉を除いた部分の検索をしなければなりません。
部分的に、商標の主要部分が類似するだけでも、両者が類似商標とされる可能性があるためです。

今度は、検索結果として複数件の登録商標、出願商標が検索されました。
検索結果は一覧表示で表示されます。
登録番号・出願番号のリンクをクリックすれば、その商標の詳細情報を見ることができます。
また右側にある「経過情報」からは出願の経過情報が、「商標公報」からは公報が確認でき、URLdehasonoshouhyouno URLコピーができます。
これらはそれぞれの商標の詳細情報からも見ることができます。

商標の詳細情報を見てみます。
出願日や出願番号、登録日、出願人・権利者、区分、指定商品・指定役務、商標、称呼などの情報を確認できます。

商標公報の内容は、通常のWEBページと、PDFとで見ることができ、PDFはダウンロード可能です。

出願の経過情報では、近年の出願であれば、拒絶理由通知や意見書などの内容も見ることができます。


