「フラワーセラピー」の文字が第31類「フラワーセラピーに供する花」について、商標法3条1項3号に該当するとされた事例
【種別】審決取消訴訟の判決
【訴訟番号】東京高平成13年(行ケ)207号
【事案】
「フラワーセラピー」の文字が第31類「フラワーセラピーに供する花」について、商標法3条1項3号に該当するとされた審決の取り消しを求めた事例。
【拒絶理由】
商標法第3条第1項第3号
【判決における判断】
本願商標は下記に表示したとおりの構成からなり、第31類「フラワーセラピーに供する花」を指定商品とするものである。
商標法3条1項3号が、指定商品の品質、用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標について、商標登録を受けることができない旨規定する趣旨は、そのような商標が商品の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占的使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解される。
そうすると、同号は、指定商品の品質、用途を表すものとして取引者、需要者に認識される表示態様の商標につき、そのことのゆえに商標登録を受けることができないとしたものであって、同号を適用する時点において、当該表示態様が、商品の品質、用途を表すものとして現実に使用されていることは必ずしも必要でないものと解すべきである。
そして、本願商標の表示態様は、以下のとおり、指定商品である「フラワーセラピーに供する花」につき、その品質、用途を表すものとして取引者、需要者に認識されるものと認められる。
これに加え、審決が引用する各種新聞に記載されていることによれば、フラワーセラピーに使用する花は、乾燥に強く、枯れて散らない種類の生花であって、安全、衛生的で、軽く、取扱いが簡単であること等の特質を備えることを要することが認められ、かつ、このことは、その取引者、需要者にはよく知られているものと推認することができる。そうすると、「フラワーセラピー」の片仮名文字を書してなる本願商標は、指定商品である「フラワーセラピーに供する花」の上記のような特質をも表示するものとして、その取引者、需要者に認識されるものと認めることができる。
したがって、本願商標の表示態様は、指定商品である「フラワーセラピーに供する花」につき、その品質、用途を表すものとして取引者、需要者に認識されるものと認めるのが相当である。