優良品であることを誇示する単なる宣伝文の英語として記述したものにすぎない文字と解するに止まり自他商品識別機能を果たさないとされた事例
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服昭和40-7720
【事案】
本願商標は、ローマン書体をもって「BECAUSE YOU LOVE NICE THINGS」の英文字を横書きしてなり、第16類「織物」等を指定商品とするものである。
【拒絶理由】
商標法第3条第1項第6号
【審決における判断】
本願商標は、英語の普及している現在、容易にこれが英語であって「何故ならあなたは良い(上品な)衣服を好むから」という意味合いを表現した叙述文と解されるとするのが相当である。そして、衣服等の素材として用いられる織物・編物等の商品は用途に従い自ら原材料・編織方法・仕上加工・染色・色彩・意匠等を異にするものであって、用途に応じて多種多様の種類の商品が作られるものであり、それらの商品が何かの特徴を有するものであること、用途に応ずる品質が充分満たされていることを表現して顧客誘引のための訴求力を強めるために、この種業界においては主張・意見等を簡潔にまとめて記述した宣伝文を日本文のみならず英文にても商標を付して使用する下げ札等に記して使用されていることは顕著な事実である。
そうだとすれば、上記の意味合いを表現した文字と容易に理解される本願商標を指定商品に使用した場合、お客の愛顧に応ずる優良品であることを誇示する単なる宣伝文として記述したものにすぎない文字と解するに止まり自他商品識別機能を果たす文字とは認識し得ないものとするのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法3条1項6号に該当する。