「たっぷりカリフォルニア太陽の味」の文字からなる商標を指定商品に使用しても、カリフォルニア産の商品であること、あるいはそれらを原材料としたものであることの単なる宣伝文にすぎないため、自他商品識別の機能を具有しないとされた事例
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服昭和47-381
【事案】
本願商標は、「たっぷりカリフォルニア太陽の味」の文字を横書きしてなり、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食品」等を指定商品とするものである。
【拒絶理由】
商標法第3条第1項第6号
【審決における判断】
よって判断するに、アメリカ合衆国カリフォルニア州のとくに南部では、地中海式気候の特色とコロラド州の水を利用した人工引水によって、ブドウ、イチジク、プラム、オレンジなどの栽培が盛んで、乾果、かんづめなどのほか生果としても、カリフォルニアのオレンジ、レモンとして国の内外で名声を博しているものであり、該地で生産される商品は気候、土壌との関係から、滋味なものとして生果は勿論のこと、それらを原材料として各種の加工食品が作られていることは明らかである。そして、それらの商品が、その原産地の特徴を有するものであること、即ち品質が充分満たされていることを表現して、顧客誘引のための訴求力を強めるために、この種業界においてはカリフォルニア産の商品であること、あるいはそれらを原材料とした優良品であることを誇示する宣伝文句に上記の如き内容を記して使用されていることは、われわれ日常生活上において見聞するところである。
してみれば、「たっぷりカリフォルニア太陽の味」の文字を書してなる本願商標をその指定商品に使用しても、該商品がカリフォルニア産の商品であること、あるいはそれらを原材料としたものであることを端的に強調し、誇称した単なる宣伝文として記述したものにすぎない文字と解するに止まり、自他商品識別の機能を具有しないものであって、需要者が何人の業務にかかる商品であることを認識することのできないものである。
したがって、本願商標は、商標法3条1項6号に該当する。