比較的平易な英語で記述的に表示してなる「BEAUTY IS IN THE CUTTING」の文字は、その商品のカッティングが良いこと(優良品であること)を誇称する単なる宣伝文として理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たす文字とは認識し得ないとされた事例
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服昭和55-10170
【事案】
本願商標は、「BEAUTY IS IN THE CUTTING」の欧文字を横書きしてなり、第21類「ダイヤモンドその他のカットした宝玉およびその模造品」を指定商品とするものである。
【拒絶理由】
商標法第3条第1項第6号
【審決における判断】
本願商標は、これより全体として「美しさは切断(cutting)にある。」如きの意味合いをもって理解される語を欧文字で表現したものと解されるとするのが相当である。ところで、指定商品「ダイヤモンドをはじめ各種の宝玉」にあっては、その商品価値(美しさ)は、カッティング(切り子)の善し悪しにかかっているといわれている商品である。
そうとすれば、比較的平易な英語で記述的に表示してなる本願商標をその指定商品(宝玉等)に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、前記の事情から、その商品のカッティングが良いこと(優良品であること)を誇称する単なる宣伝文として理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たす文字とは認識し得ないものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわなければならないから、本願商標は、商標法3条1項6号に該当する。