商標「Victoria\ヴィクトリア」が、東京都新宿区在のヴィクトリア株式会社が自己の各種運動用具の小売業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く知れ渡っている「Victoria」「ヴィクトリア」の商標と類似する商標であり、商品においても類似するから、商標法第4条第1項第10号に該当するとされた事例
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】平成10年審判第18539号
【審決日】平成11年11月8日(1999.11.8)
【事案】
本願商標は、別紙の構成よりなり、平成7年2月15日に登録出願され、第28類「スキムボード,サーフボード,水上スキー,その他の運動具」を指定商品として、平成8年12月25日に出願公告されたところ、商標登録異議申立があり、拒絶の査定がされたものであり、指定商品については、平成11年6月29日付手続補正書により、第28類「スキムボード」に補正されているものである。

【拒絶理由】
商標登録異議申立の結果、本願商標は、東京都新宿区在のヴィクトリア株式会社が自己の各種運動用具の小売業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く知れ渡っている「Victoria」「ヴィクトリア」の文字(以下、「引用商標」という。)と類似する商標であり、商品においても類似するものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する、として拒絶したものである。
審決における判断
(1)本願商標は、前記の構成のとおり、「victoria」の文字を筆記体で書し、その下に「ビクトリア」の片仮名を書してなるものであり、引用商標は、「Victoria」の文字からなる商標と「ヴィクトリア」の文字からなる商標である。
してみれば、本願商標と引用商標は、「ビクトリア」の称呼を共通にする類似の商標と認められる。
(2)引用商標の周知・著名性について
商標登録異議申立における甲各号証を総合勘案すると、ビクトリア株式会社は、スキー、ゴルフをはじめテニス、ウインドサーフィン、キャンプ用具など各種運動用具の販売の業務を行っている企業であり、1972年創業以来「ヴィクトリア」或いは「Victoria」の文字を店名に使用し、次々と店舗のネットワークを拡大し、その店舗は全国に及ぶものであり、その間各種新聞、テレビ、看板等の媒体を通じて自己の取扱いに係る商品とともに盛んに宣伝、広告に努めた結果、少なくとも、本願商標出願時には、運動用具を取り扱う取引者、需要者の間では、「VICTORIA」「ヴィクトリア」は、ヴィクトリア株式会社の業務に係る商品を表示するものとして、広く認識されていると認め得るものである。
(3)本願商標の指定商品である「スキムボード」は、「ボードの形はサーフボードに似るが、長さは1.4mと小さめ。波打ち際の引き波に乗り、その上を滑って楽しむ」(現代用語の基礎知識1999)マリンスポーツに使用する用具であり、運動用具の一種と認められる。また、例えば、兵庫県姫路市在の「ハローズ・アウトドア店」のホームページに「夏はスキムボード、冬はスノーボードを中心にスポーツ系ブランドを取り扱っています。」の記述がみられ、石川県金沢市在のムラサキスポーツ金沢店がスキムボード及びスノーボードを扱っていることが認められる。
そうとすると、スキムボードは、スポーツに用いられる用具であるというだけでなく、他の運動用具と販売場所を共通にするものであり、ヴィクトリア株式会社の取扱いに係る他の運動用具と類似する商品と認められるから、本願商標は、引用商標と類似する商品に使用するものである。
(4)したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、これを取り消すことはできない。
なお、請求人は、引用商標が、スキー若しくはゴルフ用品に周知であるとしても、本願商標もスキムボードについて周知著名であり、このような場合は、学説に照らし、先願である本願商標は登録されるべきである旨主張するが、周知商標使用者が複数存在するときは、出願時を基準としていずれも登録されない(青林書院「注解 商標法」173頁)から、仮に本願商標がスキムボードに使用し周知著名であるとしても、その主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。

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