「npi」と「Nippon Paper Industries」の欧文字からなる商標が、国際機関である「北欧特許機構」を表示する標章「NPI」と混同するものではなく類似しないから、第4条第1項第3豪荷が該当しないとされた事例
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2011-5421
【審決日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【事案】
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第16類「紙類,文房具類」を指定商品として、平成22年7月6日に登録出願されたものである。

【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、その構成中に、国際機関である北欧特許機構を表示する標章であって経済産業大臣が指定するもの(平成22年6月1日経済産業省告示第129号)と類似する『npi』の文字を有してなるから、当該標章と類似する。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第3号に該当する。」 旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
審決における判断
本願商標は、別掲のとおり、黒塗りの円形図形内の中央に「npi」の欧文字を、その下方に、当該図形の円周に沿って弧を描くように「Nippon Paper Industries」の欧文字を、それぞれ白抜きにて書してなるものである。
しかして、当該「Nippon Paper Industries」の文字は、請求人が、本願の指定商品の分野における我が国を代表する会社であることからすれば、請求人の英文表記の商号「Nippon Paper Industries Co.,Ltd.」(甲第2号証、請求人インターネットウェブサイト英文版(http://www.np‑g.com/e/about/group‑npi.html))の主要部分と容易に認識されるものであって、当該文字部分は、自他商品の識別標識として強い印象を与えるものである。さらに、本願商標の構成中「npi」の文字部分は、前記「Nippon Paper Industries」の文字部分を構成する各文字の頭文字からなる請求人の略称と容易に認識されるものであり、かつ、請求人の業務に係る商品の商標として使用されていることが、請求人の提出に係る証拠(商品カタログ、商品写真等)、インターネット情報及び新聞記事に照らして優に認めることができるものである。加えて、本願商標が請求人の商標として使用されていることも認められる(甲第37号証)。
さらに、本願商標の構成中「npi」の文字部分が、「Nippon Paper Industries」の文字部分に比較して大きく書されているものの、当該「Nippon Paper Industries」の文字部分は、前記のとおり、本願の指定商品の分野においては、極めて顕著な出所識別力を有する商標である。しかして、「npi」の文字部分は、前記のとおり、「Nippon Paper Industries」の略称と容易に認識されるものである。したがって、本願商標の構成上、「npi」の文字部分が大きく書されているとしても、当該文字部分が単独で、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるとまでは言い難く、請求人である日本製紙株式会社に係る「npi」として、取引者、需要者が印象にとどめ、記憶するものというべきであるから、商標法第4条第1項第3号における商標の類否判断に係る本件において、ことさら「npi」の文字部分のみを分離、抽出して、当該部分のみを引用標章と対比して類否を判断することは、適切ではないというべきである。

他方、引用標章「NPI」(平成22年6月1日経済産業省告示第129号の6)は、国際機関である「北欧特許機構」を表示する標章、例えば、「Nordic Patent Insutitute」(前記告示第129号の2)を構成する各文字の頭文字からなる当該機関の略称であると理解しうるものの、当該「NPI」が「北欧特許機構」を指し示すものとまでは、いまだ一般に認識されている事情は見当たらない。
そうすると、本願商標と引用標章とは、称呼において類似する余地があるとしても、全体の外観において顕著に相違するばかりでなく、請求人の観念を直ちに生ずる本願商標と引用標章とは、観念においても顕著な相違を有するものであって、前記の取引の実情をも考慮するならば、両者は、なんら商品の出所に誤認混同をきたすおそれを認めがたいものであるから、これを類似するものということはできない。
加えて、本願商標の登録が、前記の「北欧特許機構」の尊厳を傷つけ、妥当性を欠くものということもできない。
以上からすれば、本願商標は、商標法第4条第1項第3号に該当しないものである。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する

Nordic Patent Institute https://npi.int/


