「マリエフランセ」「MARIE FRANCE」の文字を二段に書し他商標は、フランス国において周知著名な女性月刊誌の名称と認められ、その掲載内容と本願指定商品とに強い因果関係があり、著名商標と同一文字の商標をわが国で登録する行為は国際信義に反するとして、不正目的を認め第4条第1項第19号に該当するとされた事例
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】平成10年審判第13368号
【審決日】平成11年8月16日(1999.8.16)
【事案】
本願商標は、「マリエフランセ」の片仮名文字と「MARIE FRANC」の欧文字を二段に書してなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,和服,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,その他の被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,運動用特殊衣服」を指定商品として平成5年7月23日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、平成6年6月21日の手続補正書をもって「フランス製の洋服,フランス製のコート,フランス製のセーター類,フランス製のワイシャツ類,フランス製の寝巻き類,フランス製の下着,フランス製の水泳着,フランス製のエプロン,フランス製の靴下,フランス製の毛皮製ストール,フランス製のショール,フランス製のスカーフ,フランス製の手袋,フランス製のネクタイ,フランス製のネッカチーフ,フランス製のマフラー,フランス製のナイトキャップ,フランス製のヘルメット,フランス製の帽子,フランス製のガーター,フランス製のバンド,フランス製のベルト」と補正されたものである。
【拒絶理由】
原査定において、登録異議の申立がなされた結果、「登録異議申立人であるマリー・クレール・アルバンは、仏国に所在する法人であり、女性向けファッション雑誌「MARIE CLAIRE」誌、「ELLE」誌と並ぶフランスの3大女性雑誌「MARIE FRANCE」誌の出版を中心として、各種商品のファッションをはじめ生活全般にわたる情報を紹介していること、該MARIE FRANCEは、仏国において、1944年に創刊された女性雑誌の名称として使用されて以来、現在まで継続して使用されていて、その発行部数は1980年代には約52万部を数えていること等が認められる。そして、本願商標の出願時には、雑誌「MARIE FRANCE」が、仏国においては、周知著名であったものと推認される。また、本願商標の指定商品であるフランス製の洋服をはじめとするフランス製の各種身回品等は、ファッションに関して、該女性雑誌の掲載内容と密接な関連があるというのが相当である。してみれば、仏国において周知著名な商標と同じ文字をその構成中に含む商標を我が国で出願し、権利を取得しようとする行為は国際信義に反するものというべきであり、かつ、その行為には不正の目的があるものといわざるを得ない。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。
審決における判断

MARIE FRANCE https://www.mariefrance.fr/
「マリエフランセ」の片仮名文字と「MARIE FRANCE」の欧文字を二段に書してなる本願商標は、「MARIE CLAIRE(マリークレール)」、「ELLE(エル)」等と並ぶフランス国の代表的な女性月刊誌の名称「マリーフランス(MARIE FRANCE)」を表示してなるものと認め得るものである。そして、マリーフランス(MARIE FRANCE)誌は、1944年に週刊誌として創刊され、その発行部数は1980年代には約52万部に達しており、本願商標の出願時には、フランス国において周知著名であったものと認め得るものである。
また、マリーフランス(MARIE FRANCE)誌の掲載内容は女性のファッションが中心であるから、本願商標の指定商品である被服はその掲載内容の中心となるものであり、両者は強い因果関係にあるものとみるのが相当である。
してみれば、フランス国において周知著名な商標と同一の文字を有してなる商標を我が国において出願し、権利を取得しようとする行為は国際信義に反し、かつ、その行為には不正の目的があるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第19号の規定に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
本件は、「不正の目的」の認定根拠として、下記をあげています。
・フランスの著名な雑誌の内容が女性のファッションが中心であり、本願商標の指定商品である被服はその掲載内容の中心となるものであること
・フランス国において周知著名な商標と同一の文字を有してなる商標をわが国において出願し、権利を取得しようとする行為は国際信義に反すること
直接的に不正目的が立証されなくても、間接的な証拠から不正目的を認定し、商標法第4条第1項第19号が適用された事例です。

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