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商標登録ドットコム > 商標の拒絶理由(登録できない商標) > 4条1項19号(審決例)

審決例(4条1項19号):商標の拒絶理由

「飲食物の提供」について、商標「ガンベロ ロッソ\GAMBERO ROSSO」が、イタリアでワインガイド等の食材専門紙を発行する出版社の商標として広く知られている「GAMBERO ROSSO」と類似するものの、出版社の商標として著名であったとするに十分な客観的証拠は見当たらず、不正の意図を窺わせるような状況もないとして、第4条第1項第19号に該当しないとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】平成11年審判第698号
【審決日】平成14年9月3日(2002.9.3)
【事案】
本願商標、「ガンベロ ロッソ」の片仮名文字と「GAMBERO ROSSO」の欧文字とを二段に書してなり、第42類「飲食物の提供」を指定役務として平成8年1月16日に登録出願されたものである。

【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、イタリアワインガイドの一つ『vinid’Italia』等食材専門紙を発行する出版社の商標として、イタリアにおいて需要者又は取引者の間に広く知られている『GAMBERO ROSSO』(以下「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であるから、我が国で登録されていないことを奇貨として、上記法人とは何ら関係のない出願人が無断で出願することは、不正の目的をもって使用するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

審決における判断

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

本願商標は、上記のとおりの構成よりなるものであるが、その構成中の「GAMBERO ROSSO」の欧文字部分と、同一綴り字よりなる引用商標について、職権をもって調査するも、これが本願商標の登録出願時すでに、原審で示唆する出版社の商標として、著名であったとするに十分な客観的証拠は見当たらず、また、不正の意図を窺わせるような状況もなく、その証拠も見出せなかった。
よって、本願商標について、その登録出願時に、我が国はもとより外国における引用商標の周知性を確認することができないばかりでなく、不正の目的をもって使用をするものということもできない
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第19号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は妥当でなく、取り消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

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商標「Lisbeth Dahl」が、デンマークの会社が使用する標章であって雑貨・食器などが世界各国で使用され販売され、日本でも出願前から販売されていたことから、商品・役務の出所について誤認・混同を生じさせるおそれがあるとして第4条第1項第15号により拒絶され、拒絶査定不服審判では同一商標の選択が偶然ではないとして第4条第1項第19号の拒絶理由通知がされたものの、出願人のグループ会社がデンマークの会社と代理店契約を結び、ブランド名の権利も移転する合意があったことから、登録が認められた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2015-11995
【審決日】平成28年6月29日(2016.6.29)
【事案】
本願商標は、「Lisbeth Dahl」の文字を標準文字で表してなり、第3類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類、第25類及び第35類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成26年8月6日に登録出願されたものである。そして、指定商品及び指定役務については、原審における平成27年1月16日受付の手続補正書により、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」、第14類「貴金属,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,宝石箱,身飾品,時計」、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,紙類,文房具類,印刷物,写真,写真立て」、第18類「愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具」、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス,愛玩動物用ベッド,犬小屋,小鳥用巣箱,家具」、第21類「化粧用具,家事用手袋,台所用品(「ガス湯沸かし器・加熱器・調理台・流し台」を除く。),食器類,清掃用具及び洗濯用具,アイロン台,霧吹き,こて台,へら台」、第24類「織物,布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第35類「広告業,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,職業のあっせん,求人情報の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,紙類及び文房具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。

Lisbeth Dahl

【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、『Lisbeth Dahl』の文字からなるところ、該文字は、1981年にデンマークに設立された会社が使用する標章であって、当該会社のデザインした雑貨・食器などが世界各国で使用され販売されてきたことが認められる。そして、日本においても、遅くとも本願商標の出願前には、『Lisbeth Dahl』の標章を使用する雑貨・食器などが、当該会社のデザイン・業務に係る製品として多くの通信販売業者らにより認識され輸入され販売されていたものと認められる。そうすると、本願商標は、その指定商品・指定役務に使用した場合には、デンマークの『Lisbeth Dahl』の標章を使用する会社の業務に係る商品・役務かのように商品・役務の出所について誤認・混同を生じさせるおそれのある商標と認められる。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。」旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。

審決における判断

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

第3 当審における拒絶の理由の要点

当審において、平成28年1月18日付けの拒絶理由通知書で、請求人に対し通知した拒絶の理由の要旨は、以下に示すとおりである。
本願商標は、「Lisbeth Dahl」の欧文字を標準文字で表した商標であるのに対し、「Lisbeth Dahl A/S」社の商標は、「Lisbeth Dahl」又は全て大文字で表した「LISBETH DAHL」の文字(以下「使用商標」という。)を表してなるものである。 してみれば、本願商標は、その出願前からデンマークで取引者、需要者の間に広く認識されている使用商標と酷似するものである。
しかも、本願商標は、特定の観念を生じない造語といえるものであって、使用商標と文字の綴りを同一にし、構成上の顕著な特徴を共通にするものであることからすれば、請求人が本願商標を採択するに際し、使用商標と偶然一致したものであるとは、認められない
そうすると、本願の指定商品及び指定役務中の「宝石箱、写真立て、傘、食器類」等と、使用商標を使用する会社が販売している商品「食器、写真立て、宝石箱、傘」は、同一又は類似のものであり、取引者、需要者が共通しているといえるものであることなどを総合勘案すると、請求人は、本願商標の登録出願時に、使用商標の存在を熟知していたものというべきであり、<使用商標が、本願の指定商品・指定役務の分野において商標登録されていないことを奇貨として先取りし、剽窃的に本願商標を登録出願し、その登録を受けようとしたものというのが相当であるから、不正の目的をもって使用するものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

第4 当審における拒絶の理由に対する意見

上記第3の拒絶理由通知に対して、請求人は、平成28年2月29日受付の意見書及び同年5月18日付けの上申書により、次のとおり述べている。
拒絶理由通知において指摘されたデンマークの「Lisbeth Dahl A/S」(以下「リスベスダール社」という。)に関しては、2013年1月17日付にて、審判請求人会社のグループ会社である「株式会社ジョージオリバー」との間で、我が国における代理店契約を締結し、当該事実は、取引社へ通知されていた。その後、2013年10月16日付にて、リスベスダール社は破産したが、リスベスダール社のCEO・取締役であった「Nicolai Winding Andersen」氏(以下「ニコライ氏」という。)は、同日付にて、新会社「LISBETH DAHL COPENHAGEN ApS」(以下「新会社」という。)を設立した。当該新会社は2014年6月3日付にて倒産しているが、2014年6月16日付けにて、ニコライ氏と株式会社ジョージオリバーとの間で、覚書を締結した。その覚書の第1項において、両者は、「Lisbeth Dahl JAPAN Company(仮)」を設立することを同意し、これに基づいて設立されたのが審判請求人会社である。さらに、覚書第4項において、「Lisbeth Dahl Copenhagen」のブランド名等に係る全ての権利を、ニコライ氏から審判請求人会社へ移転することが合意されている。
以上の事実から、審判請求人会社は、本願商標を正当に使用及び取得する権原を有していることは明らかである。
したがって、外国の権利者の国内参入を阻止したり、代理店契約締結を強制する目的で出願したものであるというような不正な意図を窺わせるような状況ではなく、むしろ、両者の合意に基づいて出願をしたものであって、審判請求人会社に不正の目的はないことは明確であるから、本願商標を、商標法第4条第1項第19号に該当するとした拒絶理由は妥当ではない。
 

第5 当審の判断

本願商標は、「Lisbeth Dahl」の文字からなるところ、該文字は、前記第2のとおり、1981年にデンマークで設立されたリスベスダール社に係る雑貨ブランドであって、「食器、宝石箱、傘」等の商品について使用されて、少なくとも本願商標の登録出願時(平成26年(2014年)8月6日)には、同社の出所を表示するものとして、同国において広く認識されているものと推認されるものである。さらに、我が国における取引者、需要者の間にも一定程度知られていたものというのが相当である。
しかしながら、上記第4の請求人の意見及び提出された証拠によると、本願商標の登録出願前に、リスベスダール社と請求人のグループ会社の「株式会社ジョージオリバー」は、代理店契約を結んでいたものである。そして、リスベスダール社の破産後は、リスベスダール社の元CEO・取締役のニコライ氏と請求人との間で、ニコライ氏が設立した「Lisbeth Dahl Copenhagen」のブランド名等に係る全ての権利を、ニコライ氏から請求人へ移転することが合意されていることが認められる(添付資料6)。
そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務について使用しても、破産したリスベスダール社との間で出所の混同を生ずるおそれはないものと認められるものであって、また、本願商標は、その指定商品及び指定役務の分野において商標登録されていないことを奇貨として先取りし、剽窃的に本願商標を登録出願し、その登録を受けようとしたものではなく、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用する商標であるということはできない
してみれば、本願商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当しない
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

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「マリエフランセ」「MARIE FRANCE」の文字を二段に書し他商標は、フランス国において周知著名な女性月刊誌の名称と認められ、その掲載内容と本願指定商品とに強い因果関係があり、著名商標と同一文字の商標をわが国で登録する行為は国際信義に反するとして、不正目的を認め第4条第1項第19号に該当するとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】平成10年審判第13368号
【審決日】平成11年8月16日(1999.8.16)
【事案】
本願商標は、「マリエフランセ」の片仮名文字と「MARIE FRANC」の欧文字を二段に書してなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,和服,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,その他の被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,運動用特殊衣服」を指定商品として平成5年7月23日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、平成6年6月21日の手続補正書をもって「フランス製の洋服,フランス製のコート,フランス製のセーター類,フランス製のワイシャツ類,フランス製の寝巻き類,フランス製の下着,フランス製の水泳着,フランス製のエプロン,フランス製の靴下,フランス製の毛皮製ストール,フランス製のショール,フランス製のスカーフ,フランス製の手袋,フランス製のネクタイ,フランス製のネッカチーフ,フランス製のマフラー,フランス製のナイトキャップ,フランス製のヘルメット,フランス製の帽子,フランス製のガーター,フランス製のバンド,フランス製のベルト」と補正されたものである。

【拒絶理由】
原査定において、登録異議の申立がなされた結果、「登録異議申立人であるマリー・クレール・アルバンは、仏国に所在する法人であり、女性向けファッション雑誌「MARIE CLAIRE」誌、「ELLE」誌と並ぶフランスの3大女性雑誌「MARIE FRANCE」誌の出版を中心として、各種商品のファッションをはじめ生活全般にわたる情報を紹介していること、該MARIE FRANCEは、仏国において、1944年に創刊された女性雑誌の名称として使用されて以来、現在まで継続して使用されていて、その発行部数は1980年代には約52万部を数えていること等が認められる。そして、本願商標の出願時には、雑誌「MARIE FRANCE」が、仏国においては、周知著名であったものと推認される。また、本願商標の指定商品であるフランス製の洋服をはじめとするフランス製の各種身回品等は、ファッションに関して、該女性雑誌の掲載内容と密接な関連があるというのが相当である。してみれば、仏国において周知著名な商標と同じ文字をその構成中に含む商標を我が国で出願し、権利を取得しようとする行為は国際信義に反するものというべきであり、かつ、その行為には不正の目的があるものといわざるを得ない。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。

審決における判断

MARIE FRANCE
MARIE FRANCE https://www.mariefrance.fr/


「マリエフランセ」の片仮名文字と「MARIE FRANCE」の欧文字を二段に書してなる本願商標は、「MARIE CLAIRE(マリークレール)」、「ELLE(エル)」等と並ぶフランス国の代表的な女性月刊誌の名称「マリーフランス(MARIE FRANCE)」を表示してなるものと認め得るものである。そして、マリーフランス(MARIE FRANCE)誌は、1944年に週刊誌として創刊され、その発行部数は1980年代には約52万部に達しており、本願商標の出願時には、フランス国において周知著名であったものと認め得るものである。
また、マリーフランス(MARIE FRANCE)誌の掲載内容は女性のファッションが中心であるから、本願商標の指定商品である被服はその掲載内容の中心となるものであり、両者は強い因果関係にあるものとみるのが相当である。
してみれば、フランス国において周知著名な商標と同一の文字を有してなる商標を我が国において出願し、権利を取得しようとする行為は国際信義に反し、かつ、その行為には不正の目的があるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第19号の規定に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。

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