商標「日本でココだけ!超限定!!」は、「日本でこの場所だけにあり、しかも超限定されたもの」程度の意味合いにすぎず、これに接する取引者、需要者は、本願商標について、自他商品の識別標識として認識するというよりはむしろ、商品の宣伝文句やキャッチフレーズの一類型として認識し、自他商品の識別標識とは認識しえないから、商標法第3条第1項第6号に該当するとされた事例
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2015-20911
【審決日】平成28年6月6日(2016.6.6)
【事案】
本願商標は、「日本でココだけ!超限定!!」の文字を標準文字で表してなり、第9類「硬貨投入式写真シール作成機並びにその部品及び附属品,硬貨投入式写真プリント作成機並びにその部品及び附属品,写真シール自動作成機,写真機械器具」を指定商品として、平成27年2月16日に登録出願されたものである。
【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、『日本でココだけ!超限定!!』の文字を標準文字で書してなるところ、全体として、『日本でこの場所だけにあり、しかも超限定されたもの』程度の抽象的意味合いを理解・認識させるばかりでなく、本願商標の構成は、格別要部として把握し得る部分があるとも認め難いことから、その意味合いを看取した取引者・需要者は、これをその取り扱いに係る特定の商品について使用する商品識別の標識と認識するというよりは、むしろ、出願人の業務又は商品に関し、消費者の興味をそそるように端的に表現した標語(キャッチフレーズ)の一種と認識し理解するとみるのが社会通念上相当である。してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、消費者向けのキャッチフレーズの一類型と理解するにとどまり、それをもって自他商品の識別標識とは認識し得ないものであるから、本願商標は、需要者をして何人かの業務に係る商品であるのかを認識することができない商標というべきである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
審決における判断
3 当審においてした証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを実施し、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、別掲のとおりの事実を内容とする証拠調べの結果を通知した。
4 証拠調べに対する意見の要旨
請求人は、前記3の証拠調べ通知に対して、以下のように述べている。
(1)「本願の指定商品を取り扱う分野において、商品が場所や期間等を限定して設置されている例」に記載された情報は、本願の指定商品を取り扱う分野において、単に「場所や期間等を限定して設置されている」商品が存在することを示すのみであって、これらについて「日本でココだけ!超限定!!」との文字が一般的に使用されていることについて何ら言及するものではない。
(2)「本願の指定商品を取り扱う分野において、オリジナルの硬貨投入式写真シール作成機が取引されている例」に記載された情報は、単に「オリジナル(の)プリントシール機(オリジナルプリクラ機)」や「オリジナルフレーム」が市場で取引されている例について言及しているにとどまるものであって、これらについて「日本でココだけ!超限定!!」との文字が一般的に使用されていることについて何ら言及するものではない。
(3)「『ココだけ(ここだけ)』の語の使用例」に記載された情報は、単に「ココだけ(ここだけ)」や「日本でココだけ(日本でここだけ)」の語が使用されている例について言及しているにとどまるものであり、「日本でココだけ!超限定!!」との一体的な文字が一般的に使用されていることについて何ら言及するものではない。
(4)「『超限定』の語の使用例」に記載された情報は、単に「超限定」の語が使用されている例について言及しているにとどまるものであり、「日本でココだけ!超限定!!」との一体的な文字が一般的に使用されていることについて何ら言及するものではない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「日本でココだけ!超限定!!」の文字を標準文字で表してなるところ、全体として、「日本でこの場所だけにあり、しかも超限定されたもの」程の意味合いを容易に想起させるものである。
そして、証拠調べ通知で示した事実によれば、「(日本で)ここ(ココ)だけ」の文字は、物や事柄がその場所だけに存在するものであることを、また、「超限定」の文字は、「非常に限定されたもの」であることを誇称するための表示として一般に使用されているものといえる。
さらに、本願の指定商品を取り扱う分野において、商品が場所や期間等を限定して設置される事例や、オリジナルの硬貨投入式シール作成機が取引されている事実がある。
これらを総合勘案すると、「日本でココだけ!超限定!!」の文字からなる本願商標をその指定商品に使用したときは、「日本でこの場所だけにあり、しかも超限定されたもの」程の意味合いを認識させるにすぎず、これに接する取引者、需要者は、本願商標について、自他商品の識別標識として認識するというよりはむしろ、商品の宣伝文句やキャッチフレーズの一類型として認識、理解するにとどまるとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であり、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「日本でココだけ!超限定!!」の文字が、商品のキャッチフレーズを表すものとして、一般的に使用されている事実はなく、本願商標は、自他識別力を有するものであり、一般需要者が一定の出所を表示するものとして認識していることが窺える旨主張する。
しかしながら、上記(1)のとおり、「(日本で)ここ(ココ)だけ」の文字や「超限定」の文字の使用例や、本願指定商品の分野における取引の実情などを総合的に勘案すると、「日本でココだけ!超限定!!」の文字からは、「日本でこの場所だけにあり、しかも超限定されたもの」程の意味合いを認識させ、商品の宣伝文句やキャッチフレーズの一種として認識、理解させるものというべきである。
そして、一般需要者が一定の出所を表示するものとして認識していることが窺える証拠として提出している甲第4号証及び甲第5号証は、個人ブログの記事やインターネット掲示板の記事であって、これらの情報のみをもって本願商標が自他商品の識別標識として認識されていると認めることはできない。
また、請求人が現実の取引における使用状況として提出した資料(甲第2号証、甲第3号証及び甲第6号証)に表示されているものの多くは、赤色の下地に黄色の星柄を配したものを背景として、輪郭が黒色で白抜きのゴシック体で、「日本でココだけ!超限定!!」の文字を書してなるものであり、標準文字で表してなる本願商標とは相違するものであって、請求人(出願人)提出の証拠等によっては、本願商標が自他商品の識別力を有するに至っていると認めることはできない。
イ また、請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、請求人の挙げる登録例は、本願商標とは、商標の構成態様等において相違し、事案を異にするものであって、そのような例が存することをもって、本願商標についてした上記認定、判断が左右されるものではない。
ウ したがって、上記ア及びイのとおり、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。

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