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「美し国」観光キャッチフレーズを使用差止? -2007年03月20日
「『うまし国』は三重のフレーズ」宮城に抗議へ」との記事がありました。(イザ!)
宮城県がJRと共に展開するキャンペーンのキャッチフレーズを「美味し国 伊達な旅」と発表したことに対し、「美し国、まいろう。伊勢・鳥羽・志摩」を使用する三重県が抗議するという内容です。
まず、誰もが使用するようなキャッチフレーズ、標語については、原則として商標登録が認められないという商標法第3条第1項第6号の商標審査基準もありますが、登録例も各種あり、「美し国、まいろう。」はロゴマークにもなっており、登録される可能性は高くあるといえます。
ただし、「美し国」だけでは、広く使われている言葉のため、観光業について商標登録できない可能性もあります。
「美し国」だけでは、既に観光や地域づくりの標語、あるいはそうした活動の名称としても各所で使用されており、「美し国」という名称のお米などもあります。
したがって、三重県がこの言葉を独占使用できるとは考えにくいものがあります。
該当すると思われる商標登録出願として、下記のものがありました。
出願番号:商願2007-6528
出願日:平成19年(2007)1月29日
出願人:株式会社メディアート
商標:(ロゴマーク)
「美し国、まいろう。
伊勢・鳥羽・志摩」
指定役務:
第39類:観光地・観光施設に関する旅行情報の提供、他
第35類:割引などの特典付カード・割引クーポン・割引券の発行、広告、他
第41類:娯楽施設の提供、他
第43類:宿泊施設の提供に関する情報の提供、他
(2007年3月20日検索)
(2026年1月5日再検索では存在せず)
仮に商標登録されていたとして、そもそも、「美味し国 伊達な旅」と、「美し国、まいろう。伊勢・鳥羽・志摩」とが類似でしょうか。
特許庁は、出願商標の読み方(称呼)に、「ウマシクニマイロウ」、「ウマシクニマイロー」、「ウツクシクニマイロー」をあてており、外観も異なるため、類似しないとされる可能性が高いように思います。
さらに、商標法によれば、出願中に警告ができるのは商標登録出願人、登録後には商標権者または専用使用権者ですが、上記商標には三重県の名前が出てきません。
また、三重県の標語が全国的に著名な程度になっていた場合には、不正競争防止法に規定する商品等表示、誤認混同のおそれに基づき、使用差止を請求することができます。
しかしこの場合には、宮城県が不正目的での使用であることを立証しなければならず、しかも、「美味し国 伊達な旅」と「美し国、まいろう。伊勢・鳥羽・志摩」が類似することを立証しなければなりません。
(以下は2026年1月6日追記)
その後の三重県の「美し国」
三重県による下記の登録商標がありました。

登録第6908079号
登録日:令和7(2025)年 3月 14日
商標:美し国みえ
権利者:三重県
【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】
第35類 印刷物及びインターネットによる広告,事業に関する助言又は支援
第41類 セミナーの企画・運営又は開催,観光・県産品展・文化の三重県の魅力を発信するイベントの企画・運営又は開催及びこれらに関する情報の提供(商品の販売促進又は役務の提供促進に関するものを除く。)
しかし第39類の観光業についての登録ではありません。

