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特許庁任期付商標審査官(補)の採用 -2020年01月25日
商標による店舗の外観・内装の保護 -2019年09月10日
商標「PYTHON」はたくさん登録されていた、そのことによる問題は? -2019年08月08日
「APPLE CARD」、「APPLE CASH」の日本での商標登録出願、登録されるのかその理由、第三者はAPPLEを含む商標を登録できるのかできないのか、その理由 -2019年08月05日
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特許庁任期付商標審査官(補)の採用 -2020年01月25日

特許庁は1月2日、任期付商標審査官(補)採用を公表しました。
最終試験合格は、10名です。
採用最終試験(面接 第二段階)は、令和2年1月18日(土曜日)・19日(日曜日)に実施されました。

近年の出願件数の増大により、商標審査着手状況(審査未着手案件)は現在、2019年1月~2月に出願した件が、審査着手されている状況です。
分野により多少の前後があり、食品関係では2019年3月、機械関係では2019年4月頃の出願が審査着手される状況です。

審査官補の採用により、直ちに早まるわけではありませんが、審査の早期化を期待したいところです。
令和2年1月~3月に出願する案件については、審査着手までの期間(目安)はおおむね、11~13か月後となっております。

審査の早期化のため、商標登録出願人の方でも、留意すべき点があります。
無用な手続き補正や拒絶理由通知を防ぐため、出願前の調査をきちんと弁理士に丁寧に行ってもらうこと。
専門知識のない出願人自身に、検索作業をさせるようなウェブサイトを利用するべきではありません。
また、指定商品・指定役務の記載などについても、業務に精通した弁理士を選ぶことが大切です。

商標による店舗の外観・内装の保護 -2019年09月10日

商標制度による店舗の外観・内装の保護と、そのための法改正や基準作りが、具体的なスケジュールにのってきそうです。

2019年9月19日開催予定の、産業構造審議会知的財産分科会商標制度小委員会・第27回商標審査基準ワーキンググループにおいて、「店舗の外観・内装の商標制度による保護等について」が議題にあげられています。
産業構造審議会知的財産分科会商標制度小委員会  第27回商標審査基準ワーキンググループの開催のお知らせ

店舗の外観・内装の模倣等を防ぐための保護については、従来、不正競争防止法による保護がなされてきました。
また、物品のデザインを保護する意匠登録の制度や、立体商標の制度を活用して、部分的にはこれまでも保護が図られてきました。

店舗の外観・内装の保護といっても、無制限に権利を設定して保護していては、きりがなく、イメージとしては、著名なカフェチェーンの外観や、コンビニエンスストア、銀行など、チェーン店の統一されたデザインの周知になっている外観・内装等について、保護する制度の拡充が検討されているところです。

昨年12月に開催された第4回商標制度小委員会では、
「我が国の商標制度において、店舗の外観・内装は、店舗の外観・内装の立体形状それ自体が独立して出所を認識させるものであれば、立体商標としての保護の対象となり得る。」とされ、
新しいタイプの商標として既に導入されている、店舗の特定の位置に付する標章は位置商標、店舗に用いられる色彩は色彩のみからなる商標として、現行制度でも保護の対象となり得ることも明確にしていました。
店舗の外観・内装の商標制度による保護について(PDF)

店舗の外観・内装は、店舗の機能や美観の面からも各種の工夫がなされ、特に大規模チェーン店などでは統一したデザインで使用され、企業や店舗のブランディングのめに保護を認める必要性が議論されてきました。実際に模倣される事例も後を絶たないことから、商品等の出所を示す外観はトレードドレスとして、国際的にも保護される制度を設ける国もあります。ただしトレードドレスの定義も、保護の対象や法制度もまちまちです。
トレードドレス(Wikipedia)

参考判例:
コメダ珈琲店事件(平成27年(ヨ)第22042号)
2016年12月、東京地方裁判所において、店舗外観が不正競争防止法上の「商品等表示」に該当することが認められ、コメダ珈琲店の店舗外観と類似する店舗外観の使用禁止を認める仮処分決定が下されました。

コメダ珈琲店の店舗外観は、立体商標の登録によっても保護されています。
コメダ珈琲店の店舗外観の立体商標登録

このような流れを受けて、
産業構造審議会知的財産分科会第5回商標制度小委員会(2019年8月)では、今後の対応の方向性として、特許庁による店舗の外観・内装の保護に関する調査研究、海外の制度・運用及び事例、わが国商標制度上の法制面・運用面の論点整理などを行うとしています。
参考資料 店舗の外観・内装の商標制度による保護等について(PDF)

この中で、商標制度において店舗の外観・内装を保護する場合の権利範囲の特定方法等については、具体的な検討として、下記の3案の検討を行っています。

「A案:
立体商標、位置商標、色彩のみからなる商標等を組み合わせた商標を新しいタイプの商標として認め、登録により保護を与える案。権利範囲が広くなり得るのがメリットだが、諸外国の制度との整合性が低く、第三者の商標選択の幅が狭まることや、調査負担が増大するとの懸念もある。」

「B案:
店舗の外観又は内装からなる立体商標を出願する際に、商標を構成する要素を実線で、構成しない要素を破線等で描くことを認めるとともに、商標の詳細な説明を願書に記載できるようにする案。既存の立体商標制度をより柔軟な制度としつつ、権利範囲を明確化できるのがメリットである。」

「運用の見直し:
立体商標・位置商標・色彩のみからなる商標で、店舗の外観・内装を保護しやすくするため、商標の特定に関する商標審査基準・便覧を見直す。」

その結果、現行の立体商標制度の見直しによって店舗の外観・内装を登録するB案が望ましく、運用の見直しを行うことが望ましいと結論づけるとともに、一方で安易に店舗の外観・内装が登録されることにより、店舗デザインの選択の幅が限定されることや、無用な紛争が増加することは好ましくないとして、今後、制度の検討がされることとなりそうです。

なお、意匠法においても、従来は、建築物は「物品(=動産)」に含まれないことから意匠権で保護することがきなとされてきましたが、「特許法等の一部を改正する法律(令和元年5月17日法律第3号)の成立によって意匠法も改正され、意匠の定義に「建築物…の形状等」が追加されました。
改正意匠法が施行された後は、建築物の外観デザインについても意匠権の保護対象とされることになります。

商標「PYTHON」はたくさん登録されていた、そのことによる問題は? -2019年08月08日

プログラミング言語「Python(パイソン)」の商標登録がされていると、IT関係者の間で話題になっていました。

それで登録の内容を調べてみると・・・。
いくつも「PYTHON」の商標登録がありました。

これによって、プログラミング言語「Python(パイソン)」を使ったプログラムやサービス等での表示に、何か支障が出るでしょうか?
解説記事がいくつも出回っていますが、商標の使用(商標法第2条)の定義や、商標権の効力が及ばない範囲(商標法第26条)について、きちんと解説しているものが、あまり見受けられません。

とりあえず、いくつも登録されていると書いたものを一つずつ見てみましょう。
登録の古い方から。

2019080510.jpg
1998年の登録です。
カテーテルなど、外科用、医療器具を指定した登録です。

商標権には独占して使用する権利がありますが(商標法第25条)、ここでいう使用とは、指定商品について、

一 商品又は商品の包装に標章を付する行為
二 商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為
八 商品若しくは役務に関する広告、価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為

など。
上記の登録では、医療器具やその包装、広告に登録商標を表示することについての独占権があります。あくまでも商品名やブランド名などの商標として表示することの独占権になります。

他人が商標権のある商標を、たとえば商品紹介記事などで記載しても、自分の商標として使用しているわけではありませんから、これは商標権侵害の問題にはなりません。

登録されている商標の指定商品・指定役務と類似しない分野での使用は、もちろん問題ありません。


2019080509.jpg
次は、2001年の登録になります。
楽器、音さ、調律器などについての登録です。


2019080508.jpg
さらに次は、2017年の登録です。
不織布、ロール状の不織布についての登録です。


そして今回話題となっている登録です。

2019080507.jpg

さすがに、第9類の電子計算機用プログラムや、第42類の電子計算機用プログラムの提供などについては登録されていません。

2019080511.jpg

審査記録を見ると、刊行物等提出書が提出されたり、拒絶理由通知が出され、手続補正書などが提出されています。
刊行物等提出書は、第三者が資料を提出するなどして、全部あるいは一部について、登録されないように特許庁に情報提供するためのものです。
審査記録の閲覧請求が何度もされているのも目につきます。

今回登録された指定商品・指定役務

第9類
デジタルフォトフレーム,電気通信機械器具,録画済み又は録音済みのDVD・光ディスク・コンパク
トディスクその他の記録媒体,通信ネットワークを介してダウンロード可能な動画ファイル・音声ファイル・音楽ファイル又は静止画ファイル,レコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,電子定期刊行物

第16類
紙類,文房具類,定期的に発行される印刷された教材,定期刊行物,書画,写真,写真立て

第41類
組織の経営管理及び事業の変革管理・業務改善・後方支援への取り組みに関する教育訓練研修,マネジメント・コミュニケーション・営業・リーダーシップ・人材育成の能力向上の教育訓練研修,マネジメント・コミュニケーション・営業・リーダーシップ・人材育成の能力向上の教育・研修に関するコンサルティング・助言・指導及び情報の提供,教育・文化・娯楽用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供

第42類
デザインの考案(広告に関するものを除く。

今回の登録による影響は?

電子定期刊行物などについて登録されていることを、気にしている方も多いようです。
しかし、雑誌の題号などと同じように、電子定期刊行物の題号についての独占権はありますが、刊行物の中のコンテンツで、第三者がプログラミング言語「Python(パイソン)」についての記述をしたとしても、何ら問題はありません。
その場合は、商標として使用しているわけではなく、しかも著作物の中の内容にすぎないからです。

同様に、教育訓練研修などについて登録されていることを、気にしている方も多いようです。
しかし、研修・セミナーを提供するサービスのブランド名としては独占権がありますが、研修の内容で第三者がプログラミング言語「Python(パイソン)」について取り扱ったり、テキストに記載をしたとしても、何ら問題はありません。
その場合は、商標として使用しているわけではなく、しかも研修や教材の内容にすぎないからです。

指定役務について、商標権者は、
三 役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物(譲渡し、又は貸し渡す物を含む。以下同じ。)に標章を付する行為
四 役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供する物に標章を付したものを用いて役務を提供する行為
などの商標の使用をする独占権はありますが、研修や教材の内容として第三者が使う分には、自分の商標として使用しているわけではありません。

また、商標権の独占権の例外として、商標法第26条では、商標権の効力が及ばない場合、つまり誰でも自由に使っていいケースを列挙しています。

商標権の効力が及ばない場合の一例

二 当該指定商品若しくはこれに類似する商品の普通名称、産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格又は当該指定商品に類似する役務の普通名称、提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する商標

三 当該指定役務若しくはこれに類似する役務の普通名称、提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格又は当該指定役務に類似する商品の普通名称、産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する商標

四 当該指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について慣用されている商標

結論

プログラミング言語「Python(パイソン)」を使用したプログラムやサービス、研修、セミナー、イベント、テキスト、書籍、電子出版物などで、「Python」を使用した場合には、商品の普通名称か慣用されている商標、品質や、役務つまりサービスの質、提供の方法などにあたる場合がほとんどでしょう。
したがって過度な心配は不要です。

心配なケースの場合には、弁理士に相談するのがよいでしょう。

「APPLE CARD」、「APPLE CASH」の日本での商標登録出願、登録されるのかその理由、第三者はAPPLEを含む商標を登録できるのかできないのか、その理由 -2019年08月05日

2019年6月に、アップルインコーポレーテッドが、ゴールドマン・サックス・グループと共同で開発したiPhone向けクレジットカード「アップルカード」のテストを米国内で行っているニュースがあり、次いで7月には、Apple Cardの商標登録の手続を欧州や香港などで行ったとの報道がありました。

今回、その同時期に、 「APPLE CARD」、「APPLE CASH」の日本での商標登録出願がされていることが明らかになりました。
出願日は、2019年7月19日で、商標公報により公開されたのは7月30日です。

「APPLE CARD」の商標公報2件

2019080501.jpg
ロゴ+「CARD」の図形商標、

2019080502.jpg
「APPLE CARD」の標準文字商標、
この2件になります。

2019年7月19日に出願され、7月30日に公開された指定商品、指定役務は多岐にわたります。
第9類のコンピュータ、スマートフォン、ソフトウエア関係、第35類の広告・事業の管理・小売・卸売関係、第36類の金融関係、第39類の旅行・経路探索関係、第42類のソフトウエアの開発・ウェブサービス関係、第45類の証明・認証関係が目立ちます。

指定商品・指定役務をすべて記載すると長いので、末尾に記載しておきます。

「APPLE CASH」の商標公報2件

2019080503.jpg
ロゴ+「CASH」の図形商標、

2019080504.jpg
「APPLE CASH」の標準文字商標、
この2件になります。

指定商品・指定役務については「APPLE CARD」と同様です。

商標の登録要件

商標登録の要件には、大きく分けて、
・商品・役務(サービス)の普通名称や、単なる品質・内容などの表示、その他識別力のない商標は、誰もが使用するものであり、登録できない(商標法第3条関係)
・他人の類似商標、他人の周知・著名商標、他人の名称、他人の著名商標の不正目的などは、登録できない(商標法第4条関係)
があります。

この点、「CARD」や「CASH」の部分は、金融関係等については、サービスの普通名称や、サービスの内容を示す言葉に該当すると思います。

しかし、「APPLE」の文字は、第31類のリンゴについては普通名称であっても、今回の指定商品・指定役務についてはそうではありません。
またアップル社のリンゴをかたどった図形についても、商標登録もされている識別力のあるロゴとして認知されているものです。

したがって、商標法第3条の要件はクリアするものです。

アップルインコーポレイテッドの先行登録商標

次に、商標法第4条についてですが、特に問題になりそうな、類似商標(商標法第4条第1項第11号)についてはどうでしょう。

商標法第4条第1項第11号の類似かどうかの判断にあたっては、商標全体として類似するものがあるかどうかの判断をします。しかしそれだけではありません。
商標中の識別力のない部分は、この部分を除いて判断されるのが通常です。

今回の事例でいえば、第36類の金融関係では特に、「CARD」、「CASH」の部分を除いた、図形のみ、あるいは「APPLE」の文字部分のみで、類似商標があるかどうかも判断されることになるでしょう。

図形について、アップル社のロゴであると広く認知され、著名ですので、この点でも図形商標については問題ないと考えられます。

標準文字商標「APPLE CARD」、「APPLE CASH」については、「APPLE」、「あっぷる」などの類似商標がない指定商品・指定役務について、登録できるであろうと考えられます。

アップル社は下記の通り、第36類の金融関係や、もともとの本業である第9類、第42類その他広い分野において、「APPLE」、「アップル」の商標を登録しています。
※今回の指定商品・指定役務の全部についても登録しているか、たとえば第45類などについて筆者は未確認です。

2019071901.jpg
「APPLE」の標準文字商標

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「アップル」の標準文字商標

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「APPLE」の商標

「APPLE CARD」、「APPLE CASH」が登録されるとの結論

上記の通り、筆者が未確認である指定商品・指定役務もありますし、これらの記載がすべて特許庁の審査で1字1句訂正や削除などしないで登録できるかは断言できません。

しかし上記した点や、さらに商標法第4条の第11号以外でも特に拒絶される理由は思い当たりませんので、「APPLE CARD」、「APPLE CASH」は登録されるであろうと考えます。

2019071904.jpg

ちなみに、「APPLE PAY」、「APPLE WALLET」なども既に登録されています。

第三者の登録例

それでは、アップルインコーポレイテッド以外の第三者が、「APPLE」を含む商標を登録することはできないのでしょうか?
いくらアップル社が世界的に著名企業であるからといって、さすがにそんなことはありません。

第三者であっても、上記と同様に、商標法第3条、第4条などの要件を満たせば、登録は認められます。
やはり、特に気になるのは、アップル社が著名であり、しかも広い分野にわたって多数の商標登録をしている点です。
したがって、他人の類似商標、他人の周知・著名商標、他人の著名商標の不正目的などは、登録できない(商標法第4条関係)という点が、一番ネックになりやすいと思われます。

しかし逆にいえば、類似商標ではなく、アップル社の商標とそっくりなものを不正目的で登録する等でなければ、登録することもできるといえます。

2019080505.jpg

現に、アップルを会社名に含む権利者による上記のような登録や、アップルを含むスーパーの名称、その他いくつもの登録例が見られます。

中には単なる「アップル」という商標も登録されている

中には、今回されている第36類の金融関係でも、第三者が「アップル」の商標を、しかも標準文字で登録できている事例がみられます。
なぜでしょうか?

2019080506.jpg

この登録は、個人が登録しているものですが、指定役務は第36類の「税務相談,税務代理」等、税理士資格を持つものでなければ登録できない指定役務について、登録されているのです。

アップル社がこうした指定役務について出願をしても、日本の税理士資格がなく、自己の業務に使用しないことが明らかな商標等(第3条第1項柱書)として、登録が認められない可能性が高いものです。
実際に、今回の出願でも、過去の登録でも、アップル社は第36類の「税務相談,税務代理」は除外しています。

APPLEを含む第三者の商標が登録される場合もあるとの結論と、その理由

以上、結論としては、「APPLE」を含む商標を、第三者が登録できる場合もあるということになります。
登録例をみる限り、「APPLE」の文字を含んでいても、商標全体として類似していなければ、比較的緩やかに登録が認められているように見受けられます。

「APPLE CARD」の指定商品・指定役務(商標登録出願時)

【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】
第9類 コンピュータ,コンピュータハードウェア,身体に装着可能なコンピュータハードウェア,手持ち式コンピュータ,タブレット型コンピュータ,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電話機,携帯電話,スマートフォン,音声・データ・画像・音響・映像及びマルチメディアコンテンツの送信用無線通信機械器具,ネットワーク通信装置,インターネットへ接続でき、電話・電子メール及びその他の電子データの送受信及び保存可能な手持ち式デジタルコンピュータ,インターネットへ接続でき、電話・電子メール及びその他の電子データの送受信及び保存可能な身体に装着可能な携帯情報端末装置,腕時計型携帯情報端末,着用可能なアクティビティトラッカー,接続機能付きブレスレット型測定用具,電子書籍リーダー,コンピュータソフトウェア,携帯情報端末装置・携帯電話・身体に装着可能なコンピュータ・コンピュータ・コンピュータ周辺機器・セットトップボックス・テレビジョン送受信機・オーディオプレイヤー・ビデオプレイヤーをセットアップ・設定・操作及び処理するためのコンピュータソフトウェア,アプリケーション開発用コンピュータソフトウェア,コンピュータゲームソフトウェア,マルチメディアコンテンツを内容とするダウンロード可能な音声・映像ファイル,コンピュータ周辺機器,コンピュータ・携帯電話・携帯情報端末装置・身体に装着可能な電子情報端末・腕時計型携帯情報端末・眼鏡型携帯情報端末・イヤホン・ヘッドホン・セットトップボックス・オーディオプレーヤー・オーディオレコーダー・ビデオプレイヤー・ビデオレコーダー用周辺機器,身体に装着可能なコンピュータ周辺機器,コンピュータ・携帯電話・携帯情報端末装置・腕時計型携帯情報端末・眼鏡型携帯情報端末・テレビジョン送受信機・セットトップボックス・オーディオプレーヤー・オーディオレコーダー・ビデオプレイヤー・ビデオレコーダー用の身体に装着可能な周辺機器,加速度計,高度計,距離測定機械器具,距離記録装置,歩数計,圧力測定装置,圧力指示計,コンピュータ・スマートフォン・携帯情報端末装置・身体に装着可能な電子情報端末・腕時計型携帯情報端末・眼鏡型携帯情報端末・テレビジョン送受信機・オーディオプレーヤー・オーディオレコーダー・ビデオプレイヤー・ビデオレコーダー用のモニター・ディスプレイスクリーン・ヘッドマウントディスプレイ・ヘッドセット,眼鏡型携帯情報端末,3D眼鏡,眼鏡,サングラス,眼鏡用レンズ,光学ガラス,光学製品,光学機械器具,カメラ,カメラ用フラッシュ,コンピュータ・携帯電話・携帯情報端末装置・身体に装着可能な電子端末・腕時計型携帯情報端末・眼鏡型携帯情報端末・テレビジョン送受信機・オーディオプレーヤー・オーディオレコーダー・ビデオプレイヤー・ビデオレコーダー用のディスプレイスクリーン,キーボード,マウス,マウスパッド,プリンター,コンピュータハードドライブ,ハードディスクドライブ,音声及び映像の記録及び再生用機械器具,デジタルオーディオ機器及びビデオ記録再生装置,オーディオスピーカー,音響増幅器及び受信機,乗物用音響装置,音声記録及び認識用機械器具,イヤホン,ヘッドフォン,マイクロフォン,テレビジョン送受信機,テレビジョン受信機,テレビジョン受像モニター,セットトップボックス,ラジオ,ラジオ送受信機,全地球位置測位装置(GPS),ナビゲーション装置,コンピュータ・携帯電話・携帯情報端末・身体に装着可能な電子情報端末・腕時計型携帯情報端末・眼鏡型携帯情報端末・オーディオプレーヤー・オーディオレコーダー・ビデオプレイヤー・ビデオレコーダー・テレビジョン送受信機・スピーカー・アンプリファイアー・ホームシアターシステム及びホームエンターテイメントシステムの遠隔制御装置,コンピュータ・携帯電話・携帯情報端末装置・身体に装着可能な電子情報端末・腕時計型携帯情報端末・眼鏡型携帯情報端末・オーディオプレーヤー・オーディオレコーダー・ビデオプレイヤー・ビデオレコーダー・テレビジョン送受信機・スピーカー・アンプリファイアー・ホームシアターシステム・ホームエンターテイメントシステム操作用の身体に装着可能な装置,データ記憶装置,コンピュータチップ,クレジットカード用の未記録の磁気カード,カード読み取り装置,電子支払代金決済用端末機,ポイント決済用端末機,電池,バッテリーチャージャー,電気及び電子コネクター,カプラー,電線及びケーブル,充電器,コンピュータの機能拡張用接続器,スマートフォンの機能拡張用接続器,携帯型音楽プレーヤーの機能拡張用接続器,台架類,電源アダプター,電気アダプター,コンピュータ・コンピュータ周辺機器・携帯電話・携帯用電子情報端末・身体に装着可能な電子情報端末・腕時計型携帯情報端末・眼鏡型携帯情報端末・テレビジョン送受信機・セットトップボックス及びオーディオ機器及びビデオ記録再生装置用インターフェース,コンピュータの画面保護用フィルム,コンピュータ・携帯電話・携帯用電子情報端末・身体に装着可能な電子情報端末・腕時計型携帯情報端末・眼鏡型携帯情報端末・イヤホン・ヘッドフォン・セットトップボックス・オーディオ機器及びビデオ記録再生装置用カバー・バッグ・ケース・スリーブ・ストラップ及び飾りひも,自撮り棒(手持ち用一脚),電子たばこ用充電器,動物の訓練用電子式首輪,電子手帳,郵便切手のはり付けチェック装置,金銭登録機,硬貨作動式機械用の始動装置,口述録音機,ヘムマーカー,票数計算機,商品用電子タグ,抽選器,ファクシミリ機,計量用機器,計量器,電光掲示板,測定装置,シリコンウェハー,集積回路,アンプリファイアー,蛍光スクリーン,遠隔制御装置,光伝導フィラメント(光ファイバー),電気的遠隔制御装置,避雷器,電解槽,消火器,工業用の放射線装置,救命用具,警笛音発生型警報器,アニメーションを内容とする記録済み媒体及び動画ファイル,検卵器,犬笛,装飾用磁石,家畜等を拘束するための通電用フェンス,携帯用の遠隔操作可能な自動車用リターダ,電熱式ソックス,家電製品及び住宅内システムの操作用の電子音声操作及び認識用機器,携帯情報端末装置,温度調整装置,サーモスタット,空気調節・暖房及び換気装置及びシステム用モニター・センサー及びコントロール,電気制御用機械器具,調光器(光調整器)(電気式のもの),照明用制御装置,電気コンセント,電気スイッチ及び電子スイッチ,警報器,警報用センサー,入退室管理装置及び警報監視装置,煙及び一酸化炭素探知器,扉及び窓用電気式錠,扉及び窓用電子式錠,扉及び窓用金属製掛金を用いた電気式錠,扉及び窓用金属製掛金を用いた電子式錠,ガレージ用扉の電気及び電子制御装置,住宅用防犯警報装置,防犯用屋内監視装置

第35類 事業の運営及び管理,事業に関するコンサルティング,キャリアプランに関する指導及び助言(就職及び社員育成のためのもの),就職あっせん,仕事及び人材募集に関する情報の提供,事務処理の代行,広告の代理,広告業,広告に関する相談,マーケティングに関する相談,セールスプロモーション広告の企画及び代理,他人の商品の販売促進及び役務の提供促進のための企画及びその実行の代理,市場調査又は分析,広告効果および市場調査の分析,広告及び広告物の作成・準備・制作及び配布,メディアプランニングサービス,顧客ロイヤリティプログラムの管理,商品及び役務の販売促進のためのインセンティブ報酬プログラムの手配及び実施,コンピュータによるファイルの管理,コンピュータによるデータベースの管理,データ処理による事務処理の代行,他人のためにするグローバルコンピュータネットワーク並びに他の電子及び通信ネットワーク上で利用可能な情報・サイト及び他のリソースのインデックスの作成,他人のためにするグローバルコンピュータネットワーク並びに他の電子及び通信ネットワーク上で利用可能な情報・サイト及び他のリソースの提供・調査・ブラウジング及び検索,ユーザーの好みに応じたグローバルコンピュータネットワーク並びに他の電子及び通信ネットワークを介して提供される情報のコンテンツの体系化,コンピュータネットワーク及びグローバルコミュニケーションネットワークを介した企業・消費者・商業情報の提供,ビジネスサービスすなわち多種多様な商品の売買及び役務の提供に関するコンピュータデータベースへの情報構築,インターネット並びに他の電子・コンピュータ及び通信ネットワーク上の出版用のディレクトリーの編集,小売及びオンライン小売サービス,インターネット並びに他のコンピュータ・電子及び通信ネットワークを介して提供される小売サービス,電子出版物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(電子商取引によるものを含む。),インターネット並びに他のコンピュータ・電子及び通信ネットワークを介して提供される映画・テレビ番組・スポーツイベント・音楽作品並びにオーディオ及びオーディオビジュアル作品を内容とする電子映像・画像・音響の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(電子商取引によるものを含む。),コンピュータ・コンピュータソフトウェア・コンピュータゲーム用ソフトウェア・携帯電話・スマートフォン・その他の電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供(電子商取引によるものを含む。),店内並びにグローバルコミュニケーションネットワーク並びに他の電子及び通信ネットワークを介した製品の実演による広告,サブスクリプションサービスすなわちテキスト・データ・画像・オーディオ・ビデオ・マルチメディアコンテンツの購読の提供(インターネット及び他の電子・通信ネットワークを介して提供されるものを含む。),インターネット並びに他の電子及び通信ネットワークを介したフィー又はプリペイドサブスクリプション用ダウンロード可能な記録済みテキスト・データ・画像・オーディオ・ビデオ及びマルチメディアコンテンツの提供,商業・取引及び事業の会議・ショー及び展示会の手配及び実施,これらに関する助言・相談・情報の提供

第36類 金融に関するサービス,金融又は財務取引,金融又は財務に関する指導及び助言,財務管理,金融又は財務に関する調査,金融又は財務に関する計画の立案,金融又は財務に関する情報の提供,投資に関する指導及び助言,投資の管理,投資に関する調査,投資に関する計画の立案,投資に関する助言,有価証券の売買の媒介・取次ぎ又は代理,ミューチュアルファンド及びヘッジファンド投資,銀行業務,両替,料金の支払いの代行,安全な商取引の提供,電子マネー利用者に代わってする支払代金の決済,クレジットカード・デビットカード及びストアドバリューカードの発行,クレジットカード・デビットカード及びストアドバリューカードの支払承認・検証及び取引の処理,生命保険の引受け,財産の損失に対する保険の引受け,損害保険の引受け,ヘルスケアに関する計画の立案,保険契約の締結の仲介,保険契約の締結の仲介に関する助言及び情報の提供,建物の売買又は貸借の代理又は媒介,土地・建物の売買又は貸借の代理又は媒介,土地・建物担保付資金の貸付け,慈善のための募金,奨学金の給付,保証サービス,製品保証の引受け,延長保証保険引受け,商品の保証書の発行及び管理に関する事務及び管理の代行,消費者向け製品の修理代の評価,消費者向け製品の契約の代行,製品の盗
難防止及び損害保険の引受け

第39類 旅行及び観光に関する情報の提供,観光旅行に関する情報の提供,旅行者の案内,旅行の手配,会員制による旅行に関する情報の提供・相談又は取次ぎ(宿泊に関するものを除く。),旅行の予約,旅行チケットの予約,旅行の経路の企画,道路交通情報の提供,駐車場の貸与に関する情報の提供,駐車場の予約の代行,コンピュータ・電気通信ネットワーク・携帯電話・手持ち式情報端末装置・無線ナビゲーション装置による旅行・観光・地理情報・目的地情報・地図・旅行の経路の企画・交通情報・駐車場情報・通行情報並びに運転経路・徒歩経路・自転車経路及び公共交通機関による乗り換え案内に関する情報の提供,インタラクティブマップの提供,オンラインで検索可能なコンピュータデータベース及びウェブサイトで提供される旅行・観光・地理情報・目的地情報・地図・旅行の経路の企画・交通情報・駐車場情報・通行情報並びに運転経路・徒歩経路・自転車経路及び公共交通機関による乗り換え案内に関する情報の提供,旅行及び観光の分野における情報・ニュ-ス及び解説の提供,旅行業者及び観光業者による評価の提供,全地球測位システム(GPS)を用いた車両・船舶・航空機の位置情報の提供,コンピュータ及び電気通信ネットワークによる双方向性を備えたオンラインでの運転の道順に関する情報の提供,ナビゲ-ション装置の貸与,輸送,乗物の座席の手配,鉄道・車両・航空機による輸送チケット予約の代行,輸送の予約,道路・鉄道・船舶及び航空による乗客及び物品の輸送,輸送情報の提供,自動車又はトラックの牽引,故障した乗物の牽引,道路の交通量の管理,自動車・自転車・二輪自動車及びモペットの貸与又は共有,タクシ-による輸送,オンラインで検索可能なコンピュータデータベース及びウェブサイトによる輸送の予約・運転者と乗客の引き合わせ・自動車による輸送の手配及びタクシーの配車,輸送の分野における情報・ニュ-ス及び解説の提供,運送業者の評価に関する情報の提供,商品・小荷物・小包及びメッセージ書類の梱包・回収・輸送・配達及び一時保管,上記に関する情報の提供・指導・助言

第42類 コンピュータハードウエア・コンピュータソフトウエア・コンピュータ周辺機器・コンピュータ及びビデオゲーム機用ゲームソフトウェアの設計及び開発,コンピュータハードウエア及びコンピュータソフトウエアに関するコンサルティング,コンピュータプログラミング,コンピュータデータベースの設計,電子データの保存用記憶領域の貸与,クラウドコンピューティング,コンピュータの貸与,コンピュータソフトウェアの貸与,コンピュータ周辺機器の貸与,オンラインによるダウンロードが不可能なソフトウェアの提供,コンピュータシステム・データベース及びコンピュータアプリケーションの開発のための指導及び助言,コンピュータセキュリティ及びデータセキュリティに関する助言,データの暗号化処理,コンピュータハードウェア及びソフトウェアの設計及び開発に関するオンラインによる情報の提供,コンピュータハードウエア・コンピュータソフトウエア及びコンピュータ周辺機器の保守・修理及び更新,コンピュータハードウエア及びコンピュータソフトウエア問題のトラブルシューティング(技術支援),コンピュータハードウエア及びコンピュータソフトウエアの問題の診断,ヘルプデスクによるコンピュータに関する技術的助言,ウェブサイトの作成・設計び保守,ウェブサイトのホスティング,インターネット及びその他の電子通信ネットワークを通じたデータ取得のための検索エンジンの提供,インターネット及びその他の電子通信ネットワークで利用可能なオンライン情報・ウェブサイト及び他の情報源に関するコンピュータネットワークを基盤にしたインデックスの作成,地図作製及びマッピングサービス,ユーザーが電子書籍・電子出版物及びその他の電子文書を閲覧及びダウンロードすることを可能とするインターネット上のポ-タルサイトの提供,科学的及び技術的サービス,工業デザインの考案,工業上の分析及び調査,コンピュータソフトウェアの提供に関する情報の提供・指導及び助言

第45類 個人からの依頼事の実行・各種予約及び依頼者の要求に応じた情報の提供をオンラインで行うコンシェルジュサービス,家事の代行,買い物の代行,身の上相談,オンラインによるソーシャルネットワーキングサービスの提供,娯楽用のソーシャルネットワーキングウェブサイトの提供,不審な行動の検出・報告及び不審な行動に対する安全措置の発動、並びにセキュリティ及びデータのプライバシー保護のための電子化されたデータ・コンピュータデータベース及びコンピュータシステムプログラムの監視・分析・証明及び認証,個人情報・電子化されたデータのセキュリティの保護及び電子商取引・金融・クレジットカード並びに小売商取引の保護のためのオンラインシステムの提供,電子商取引・金融・クレジットカード並びに小売商取引の分野における詐欺の検出及び予防,電子商取引・金融・クレジットカード並びに小売商取引の分野における証明・認証及び本人確認,セキュリティ及びデータのプライバシーに関する情報を内容とするウェブサイトの提供,セキュリティ及び緊急警報装置による監視,アラームによって対応する公共の健康及び緊急人員の派遣,施設の警備,身辺の警備,個人の身元又は行動に関する調査,個人のニーズに合わせて手配や情報提供などを行うコンシェルジュの役務

特許庁:知っておこう商標のキホン~商標制度の基本~ -2012年12月11日

知っておこう商標のキホン~商標制度の基本~

約20分間の映像コンテンツで知る、商標制度の基本の解説です。
特許庁が配信しています。

コンテンツの内容は、商標とは、商標のはたらき、商標を登録するためには、商標権について、海外で商標を守るには、等です。
初心者向けの概要を解説するものであるため、これだけで必要な知識をえら荒れるというものではありません。

特許庁のウェブサイトの詳細な情報を知るための前提として基礎知識を得たり、弁理士に相談する前に最低限の知識を知っておきたいという方にお勧めです。

食品偽装と商標の問題 -2007年08月31日

最近、食品の原材料や産地などに関する不正な表示が問題になっています。
牛肉偽装事件や、有名菓子の賞味期限の問題など、消費者が商品の品質について誤解・誤認をするような表示であり、こうした事件は、消費者保護の観点から許されない問題であると同時に、企業にとっては悪い評判が立つことになります。こうした事案が起きると、マイナスのブランディング効果がきわめて短期間に発生し、その信頼回復は容易ではありません。

ところで、こうした食品の表示の適正化は、食品衛生法や不当景品類及び不当表示防止法など、他のそれぞれの法律で定められているものですが、商品のパッケージや広告に表示されるものは、同時に商標(=その商品であることの識別標識)として機能することがあります。
たとえば、「○○○ビーフ」という商標が使用されていれば、消費者は牛肉製品であると認識して購入することになります。

商標という制度の目的は、「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もって産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護すること」(商標法第1条)です。
そうしますと、需要者の利益を損なう商標は、商標の使用をする者の業務上の信用を損なうこととなり、このような商標を排除することが望ましいといえます。
そこで、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標(商標法第4条第1項第15号)や、商品の品質又は役務の質の誤認を生ずるおそれがある商標(商標法第4条第1項第16号)は、特許庁の審査において登録されないこととしています。

しかし、商標を登録する際には、実際にどのような商品にその商標を表示するのかを特許庁では判断することはありません。
「○○○ビーフ」という商標を、本当に牛肉製品について使うのかどうか、実際の商品の確認までは行いません。また、偽装表示などについても特許庁が判断することではありません。
そこで、事後的に、商品の品質や役務の質の誤認を生じた場合、あるい又は他人の業務に係る商品若しくは役務と混同を生じた場合には、その商標登録を取り消すための審判を誰でも請求することができます。

ただし、商標(=その商品であることの識別標識)として使用しているわけではない表示、たとえば商品ラベルの原材料表示、賞味期限日時などは、食品衛生法や不当景品類及び不当表示防止法など、それぞれの法律により罰則等の対象となります。
また、不当な表示が不正競争に当たる場合には、不正競争防止法に違反することもあります。

商標の称呼と類似 -2007年04月03日

商標が類似するかどうかは、重要な概念です。
商標が登録できるかどうかは、先に登録されている商標と類似しないことが必要ですし、商標権侵害になるかどうかも、登録されている商標と使用している商標とが類似するかどうかが焦点になります。

商標が類似するかどうかの判断は、観念類似(意味合いの類似)、外観類似(見た目の類似)の判断もされますが、もっとも重要といえるのが称呼類似(読み方の類似です)。

ブラウザソフト「Firefox」の商標登録に関するblogがありました。

さて、商標が類似するかどうかの判断基準では、登録の際に判断する特許庁と、侵害事件の際に判断する裁判所とでは、やや異なる点もありますが、特許庁の商標審査基準が参考になります。
当サイトでも商標の類似について解説しています。
たとえば、「cherryblossomboy」と「チェリーブラッサム」、「黒潮観光ホテル」と「黒潮」とは類似しますし、さらに「スチッパー」 と「SKiPPER」など1文字違い程度では類似とされることが多々あります。

ただし、類似判断では、相違する音が母音が子音か、子音でも近い音かどうか、1文字あるいは2文字違う場所が商標の語頭か、中間か、語尾かなどによっても異なります。
さらに、1文字違いといっても、3文字中の1文字か、10文字中の1文字かでは異なります。
したがって、個別・具体的に見て判断していくしかないわけです。

ところで、「Firefox」と「FIREFOX」とは、明らかに類似です。
「ファイアーフォックス」と「ファイヤーフォックス」とも、まず明らかに類似です。英語を日本語表記する際の文字の選び方の相違にすぎません。
「ファイヤーフォックス」と「firefox」と「ふぁいあふぉっくす」と「Fire-FOX」とも、それぞれ類似であることはまず確実でしょう。
類似の範囲は、一概にはいえないものの、一般の間隔からいえば案外広く感じられることが多いと思います。「FOX」を「PHOCCS」としても類似と判断されることがあると思います。
称呼としては類似すると考えられるためです。
※なお、特許庁のデータベースで記載されている称呼は、検索の便宜のために振られているキーワードのようなものです。

次に、商標を3年以上使用していない場合に、不使用を理由として取消請求がされる可能性があります。
この場合に、使用していること(あるいは使用の準備をしていること等)の証明をする必要がありますが、実際に使用している商標と、登録されている商標とが、同一であるか、あるいは社会通念上同一であることが、取り消されないための要件となります。

この点について、商標法50条では、
「『登録商標』(書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであつて同一の称呼及び観念を生ずる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。」
としており、「Firefox」、「FIREFOX」、「ファイアーフォックス」、「ファイヤーフォックス」、「ふぁいあーふぉっくす」などは社会通念上同一と認められると考えられます。

よく使われる単語を商標に? -2007年03月19日

「Office Live」の名称は商標権の侵害--米Office Live社がMSを提訴(CNET Japan)との記事がありました。<文:Dawn Kawamoto(CNET News.com) 翻訳校正:編集部>

ソフトウェアツールの名称「Office Live」の使用に対し、Microsoft者を相手取った商標権侵害訴訟が、ロサンゼルスに本拠を置くOffice Live社によって起こされたというもので、同社は「Office Live」の商標を2002年に登録しているとの内容です。

本件自体についてはここでは述べません。
ただ、公平かつ中立的な立場でありつつも、筆者から一言感想を述べますと、「Live」という言葉は、ソフトウェア製品やサービスについての一般名称ではなく、必ずしも品質表示とまではいえないものの、広く使用される単語をそのまま、製品やサービスの商標として採用することは、必ずしも好ましいとはいえません。

このことは、商標登録専門の弁理士として日々仕事をする中で、常々感じていることです。
(1)普通名称などはロゴマークなどとして商標登録されたとしても、第三者が普通に表示することは可能であり、使用を独占することはできない、
※念のため、「Office Live」や「Live Search」は普通名称ではありません。
(2)他の商品やサービスでもたくさん使われる言葉のため、ブランドの知名度を上げるには通常以上の広告宣伝を必要とする、つまり最初から競合が多い、
(3)類似商標も多くあると想定されるため、商標登録をすることが難しく、特にインターネット企業のような世界的企業では各国ごとにその問題が生じうる、
といったことがあげられます。

また、ソフトウェアやサービスの利用者としても、一般的言葉はありふれていて印象が弱いという風に感じます。
「google」や「Yahoo!」、「Amazon」といった造語、あるいは「楽天」、「アスクル」などの造語を思い浮かべてみれば、はるかに印象は強く、覚えやすく、競合は少なく、商標登録されやすく、訴えられにくいかがわかると思います。

当事務所(当サイト運営者)の仕事でも、一般的言葉の組み合わせのような商標を登録したいというお問い合わせが数多くあり、何とか権利を押さえたいという要望を受けることがあります。
しかし、それは商標登録がしにくいか、最初から困難であったり、あるいはロゴマークにするなどして権利を取得しても、権利が制限されるものであったりします。

一般的名称をネーミングとして採用することは、再考の余地が大きいと考えるものです。

名菓ひよ子の立体商標 -2007年03月06日

立体商標制度は、3次元の立体的な形状の商標について、商標登録を認める制度です。
不二家のペコちゃん、ポコちゃんや、早稲田大学の大隈重信の銅像、ケンタッキーフライドチキンのカーネルサンダースの人形などが登録になりました。

ところが、商標は特許権などの期間が限定されているものと異なり、10年ごとに更新をすれば半永久的に独占権を得ることができます。
そこで、商品の普通の形状や、その商品の包装の機能を確保するために不可欠な立体的形状のみからなる商標などは、原則として登録できません。
使用した結果著名になったものについては例外が認められますが、実際には困難です。

そこで争われたのが、名菓ひよ子の立体的形状の登録が有効かどうかという訴訟です。
知財高裁の判決で、「鳥形菓子の形状はありふれたもの」として登録が無効とされました。

商品の普通名称は自由に使用可能 -2006年08月12日

商標は、指定商品について登録されたら、その指定商品(類似商品を含む)についてのみ、独占使用権が発生するものです。
商標権侵害だと警告されたら、商標権の内容を確認すること、判断ができなければ専門家に相談することです。誤った知識に基づく警告や、意図的に拡大解釈した警告がされることもあります。

「パワーストーン」とは、魔法的・魔術的な効果を持つとされる鉱物やその装飾品の名称として、一般的に使用されている言葉と考えられます。
これを指定商品「石」について登録することはできないと思います。
まったく異なる商品について商標登録がされても、石やその装飾品に類似しない商品について独占使用権が発生するわけではありません。

さらに、普通名称など一般的名称が、他の特徴的な言葉と組み合わされて登録された場合などには、その特徴的なところに独占権があると考えられます。
普通名称などの一般的名称は使用可能です。
下記の通り、法律に明記されています。

商標法 第26条(商標権の効力が及ばない範囲)
商標権の効力は、次に掲げる商標(他の商標の一部となっているものを含む。)には、及ばない。

1 自己の肖像又は自己の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を普通に用いられる方法で表示する商標
2 当該指定商品若しくはこれに類似する商品の普通名称、産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、数量、形状(包装の形状を含む。次号において同じ。)、価格若しくは生産若しくは使用の方法若しくは時期又は当該指定商品に類似する役務の普通名称、提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、数量、態様、価格若しくは提供の方法若しくは時期を普通に用いられる方法で表示する商標
3 当該指定役務若しくはこれに類似する役務の普通名称、提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、数量、態様、価格若しくは提供の方法若しくは時期又は当該指定役務に類似する商品の普通名称、産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、数量、形状、価格若しくは生産若しくは使用の方法若しくは時期を普通に用いられる方法で表示する商標
4 当該指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について慣用されている商標
(以下、省略)


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