商標登録ドットコム > 商標登録事務所通信 > 商標豆知識 > 地域ブランドと地理的表示保護制度

商標豆知識-商標登録ドットコム™

カテゴリー

事務所通信 | NEWS LETTER | 当サイトのお知らせ | 弁理士業務雑感
商標登録 | 商標豆知識 | 商標あれこれ | 検索してみる
デザイン | ブランドロゴ | マスコットキャラクター | ゆるキャラ

商標登録事務所通信 ≡ 記事一覧

地域ブランドと地理的表示保護制度 -2021年02月20日

地域ブランドとは、地域団体商標の制度により登録される商標です。

この制度は、商標法において2006年に導入され、全国各地域の産品等について、地域ブランドのを保護することにより地域の活性化を図る目的で、従来は全国的に著名でなければ登録できなかった名称等の文字商標を登録できるようにしたものです。

登録できる地域ブランド商標は、「地域の名称」と「商品(サービス)名」等の組み合わせで構成される文字商標です。
図形商標は、従来の商標登録により保護の対象となります。

地域の名称には、現在の行政区画名ばかりでなく旧地名、旧国名、河川名、山岳名、海域名なども含まれます。
産地等を表示する際に慣用されている文字(本場、特産、名産等)も組み合わせることができます。

・商標が文字のみであること
・「地域の名称」と「商品名」等の組み合わせであること
・商標の構成文字が図案化されていないこと
・商標全体が普通名称でないこと

地域ブランド商標の出願人となれるのは?

・事業協同組合等の特別の法律により設立された組合
※法人格を有するか、当該特別の法律に構成員資格者の加入の自由が担保されている、農業協同組合、漁業協同組合など
・商工会
・商工会議所
・NPO法人
・これらに相当する外国の法人
・一定の条件で一般社団法人

登録できる要件

団体の構成員に使用させる商標であることが必要です。

また、地域の名称と商品(サービス)とに関連性があることが必要です。


さらに、一定の地理的範囲の需要者間である程度有名であることが必要です。
このため、出願団体またはその構成員の使用により、一定の地理的範囲の需要者(最終消費者又は取引事業者)に知られていることを、販売数量、新聞報道などの事実によって証明しなければなりません。

地域団体商標マーク

特許庁では、地域団体商標を取得した方々のブランド力向上のため、地域ブランド商標として登録されていることを示す「地域団体商標マーク」を作成し、普及活動を行っています。

2021031401.jpg

地理的表示(GI)保護制度

地域には、伝統的な生産方法や気候・風土・土壌などの生産地等の特性が、品質等の特性に結びついている産品が多く存在しています。これらの産品の名称(地理的表示)を知的財産として登録し、保護する制度が「地理的表示保護制度」です。

「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」(地理的表示法)は、特定の産地と品質等の面で結び付きのある農林水産物・食品等の産品の名称(地理的表示)を知的財産として保護し、もって、生産業者の利益の増進と需要者の信頼の保護を図ることを目的としています。

地理的表示

この法律において「特定農林水産物等」とは、次の各号のいずれにも該当する農林水産物等をいいます(地理的表示法第2条)。
1 特定の場所、地域又は国を生産地とするものであること。
2 品質、社会的評価その他の確立した特性(以下単に「特性」という。)が前号の生産地に主として帰せられるものであること。

この法律において「地理的表示」とは、特定農林水産物等の名称の表示をいいます。

登録された特定農林水産物等を譲渡し、引き渡し、譲渡もしくは引渡しのために展示し、輸出し、または輸入する者は、当該特定農林水産物等またはその包装若しくは容器若しくは広告、価格表若しくは取引書類(電磁的方法(電子的方法、磁気的方法等による情報を含む)に地理的表示を使用することができます(地理的表示法第3条)。

前項の規定による場合を除き、何人も、登録に係る特定農林水産物等が属する区分に属する農林水産物等もしくはこれを主な原料若しくは材料として製造され、もしくは加工された農林水産物等またはこれらの包装等に当該特定農林水産物等に係る地理的表示またはこれに類似する表示もしくはこれと誤認させるおそれのある類似等表示を使用してはなりません。

特定農林水産物等の登録

生産行程管理業務を行う生産者団体は、明細書を作成した農林水産物等が特定農林水産物等であるときは、当該農林水産物等について農林水産大臣の登録を受けることができます(地理的表示法第6条)。

登録の申請

登録を受けようとする生産者団体は、農林水産省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を農林水産大臣に提出しなければなりません(地理的表示法第7条)

1 生産者団体の名称及び住所並びに代表者(法人でない生産者団体にあっては、その代表者または管理人)の氏名
2 当該農林水産物等の区分
3 当該農林水産物等の名称
4 当該農林水産物等の生産地
5 当該農林水産物等の特性
6 当該農林水産物等の生産の方法
7 第二号から前号までに掲げるもののほか、当該農林水産物等を特定するために必要な事項
8 第二号から前号までに掲げるもののほか、当該農林水産物等について農林水産省令で定める事項
9 前各号に掲げるもののほか、農林水産省令で定める事項

申請書には、次に掲げる書類を添付しなければなりません。

1 明細書
2 生産行程管理業務の方法に関する規程(以下「生産行程管理業務規程」という。)
3 前二号に掲げるもののほか、農林水産省令で定める書類

登録標章

登録された特定農林水産物等またはその包装等に地理的表示を使用する者は、当該特定農林水産物等またはその包装等に登録標章(地理的表示が登録に係る特定農林水産物等の名称の表示である旨の標章)を使用することができます(地理的表示法第4条)。

前項の規定による場合を除き、何人も、農林水産物等又はその包装等に登録標章またはこれに類似する標章を使用してはなりません。

措置命令

農林水産大臣は、次の各号に掲げる規定に違反した者に対し、当該各号に定める措置その他の必要な措置をとるべきことを命ずることができます(地理的表示法第5条)

1 第三条第二項 地理的表示又は類似等表示の除去又は抹消
2 前条第二項 登録標章又はこれに類似する標章の除去又は抹消

登録の拒否

たとえば下記のような場合には、地理的表示の登録は拒否されます。

生産行程管理業務規程で定める生産行程管理業務の方法が、当該生産者団体の構成員たる生産業者が行うその生産が明細書に適合して行われるようにすることを確保するために必要なものとして農林水産省令で定める基準に適合していないとき。

生産者団体が生産行程管理業務を適確かつ円滑に実施するに足りる経理的基礎を有しないとき。

生産行程管理業務の公正な実施を確保するため必要な体制が整備されていると認められないとき。

登録の申請に係る農林水産物等(次号において「申請農林水産物等」という。)について次のいずれかに該当するとき。

イ 特定農林水産物等でないとき。
ロ その全部又は一部が登録に係る特定農林水産物等のいずれかに該当するとき。

申請農林水産物等の名称について次のいずれかに該当するとき。

イ 普通名称であるとき、その他当該申請農林水産物等について第二条第二項各号に掲げる事項を特定することができない名称であるとき。
ロ 次に掲げる登録商標と同一又は類似の名称であるとき。
(1) 申請農林水産物等又はこれに類似する商品に係る登録商標
(2) 申請農林水産物等又はこれに類似する商品に関する役務に係る登録商標


関連ページ:

商標豆知識

事務所通信 | NEWS LETTER | 当サイトのお知らせ | 弁理士業務雑感
商標登録 | 商標豆知識 | 商標あれこれ | 検索してみる
デザイン | ブランドロゴ | マスコットキャラクター | ゆるキャラ

商標登録事務所通信 ≡ 記事一覧

商標登録ドットコム™ 運営者情報

金原商標登録事務所 | 事務所概要

〒152-0034 東京都目黒区緑が丘一丁目16番7号 TEL 03-6421-2936 FAX 03-6421-2937

電話する benrishi@kanehara.com 平日 9時~ | 土・日・祝 原則休み

業務内容 | 商標・意匠の調査・出願・中間手続。審判など争訟手続。知財関連業務全般。

制作・著作

金原 正道 ©Masamichi Kanehara |  |  | mail

サイトご利用規約 | 個人情報・秘密情報 | 著作権・リンク

© 商標登録ドットコム All Rights Reserved