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3条1項柱書審決例) | 4条1項11号審決例):弁護士・司法書士のみが法律上できる業務を指定した商標「FOR…

弁護士・司法書士のみが法律上できる業務を指定した商標「FORECAST」の図形商標が、出願人を名義変更届により司法書士のみにしたことから商標法第3条第1項柱書の拒絶理由は解消したが、引用商標「FORECAST」と類似するとして第4条第1項第11号に該当するとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2021-12337
【審決日】令和4年2月22日(2022.2.22)
【事案】
第1 手続の経緯
 本願は、令和元年12月3日の登録出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
 令和2年12月14日付け:拒絶理由通知書
 令和3年1月19日受付:意見書
 令和3年6月15日付け:拒絶査定
 令和3年8月24日受付:出願人名義変更届
 令和3年9月14日受付:審判請求書
 
第2 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第45類「訴訟事件その他に関する法律事務,登記又は供託に関する手続の代理,行政手続の助言及び代理,遺言の執行,遺言書の保管,成年後見手続きの代理,官公署に提出する書類・権利義務に関する書類・事実証明に関する書類の作成及びそれらの手続の代理,戸籍・住民票などの公的証明書の取得に関する情報の提供,行政手続の代理又は助言,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介」を指定役務として、登録出願されたものである。

本願商標

【拒絶理由】
原査定は、要旨以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。

1 商標法第3条第1項柱書について

本願に係る指定役務は、弁護士ではなく、かつ、弁護士法人とは認められない法人である出願人が、業として行うことが禁止されている役務「訴訟事件その他に関する法律事務」、及び司法書士ではなく、かつ、司法書士法人とは認められない法人である出願人が、業として行うことが禁止されている役務「登記又は供託に関する手続の代理」を含むものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備しない。

2 商標法第4条第1項第11号について

本願商標は、登録第6081210号商標(以下「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって、その商標に係る指定役務と同一又は類似の役務について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
なお、引用商標は、「FORECAST」の文字を標準文字で表してなり、平成30年1月9日に登録出願、第45類「法律・判例・特許・実用新案・意匠・商標その他の知的財産権に関する情報の提供,知的財産権・工業所有権に関する情報の調査・収集・管理・提供,外国における工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務,工業所有権に関する手続の代理又は鑑定その他の事務に関する取次・仲介・助言及び情報の提供,外国における訴訟事件その他に関する法律事務,訴訟事件その他に関する法律事務に関する取次・仲介・助言及び情報の提供,著作権の利用に関する契約の代理又は媒介,知的財産権の利用に関する契約の代理又は媒介」並びに第9類、第35類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年9月14日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

審決における判断

1 商標法第3条第1項柱書について

当審において、出願人名義変更届が提出された結果、本願の請求人(出願人)は、原審における令和3年1月19日受付の意見書において、司法書士であることを証明した者のみとなった。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項柱書の要件を具備しないとした原査定の拒絶の理由1は解消した。

2 商標法第4条第1項第11号について

(1)本願商標について
本願商標は、別掲のとおり、ペン先及び見開きの本のような形状の一部が欠けた図形(それぞれ紫色又は橙色が施されている。以下「図形部分」という。)を配し、その右側に、図形部分と比して、2倍以上の幅で「FORECAST」の欧文字を橙色で顕著に横書きしてなる(以下「文字部分」という。)、図形と文字との結合商標である。

イ 本願商標の構成中、図形部分と文字部分は、重なること無く間隔を空けて配置され、文字部分の高さは図形部分の高さの半分程度であるところ、文字部分は図形部分の縦半分よりも下の位置に表されていることから、各部分の下端は同一線上にあるものではなく、各部分の幅も異なり、各部分は、等間隔で同一線上の横一列に配置されてはいないものである。
そうすると、本願商標の構成中、図形部分と文字部分は、視覚的に分離して観察され、外観上密接不可分な関係にあるとはいい難いものである。

ウ 本願商標の構成中、図形部分は、ペン先及び見開きの本のような形状の一部が欠けた図形からなるものの、デザイン化の度合いが高いものであって、それらの態様からは、直ちに特定の事物や文字を表すものとして把握されるといった事情は見いだせず、特定の称呼や観念が想起されるとは認め難いものである。
他方、本願商標の文字部分を構成する「FORECAST」の文字は、「予報。予想。」(ベーシックジーニアス英和辞典 株式会社大修館書店)の意味を有する英単語を大文字表記したものであって、当該文字に相応して、「フォーキャスト」の称呼を生じ、また、「予報。予想。」の観念が生じるものである。
また、当該文字部分は、本願商標の指定役務の質等を表す語であるなど、本願指定役務との関係において自他役務の識別標識としての機能を果たさないとみるべき事情はない。

エ 上記イ及びウを踏まえると、本願商標の構成中、図形部分と文字部分とは、外観上密接不可分な関係にあるとはいい難い上に、直ちに観念的な関連性を見いだすことができないものというのが相当であって、本願商標の構成中、図形部分と文字部分は、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものとはいい難いものである。

オ してみると、本願商標の構成中から文字部分を抽出し、この部分だけを他人の商標と比較して、商標そのものの類否を判断することが許されるというべきである。

カ したがって、本願商標は、その文字部分に相応して、「フォーキャスト」の称呼を生じ、また、「予報。予想。」の観念が生じるものである。

(2)引用商標について
引用商標は、「FORECAST」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字に相応して、「フォーキャスト」の称呼を生じ、また、「予報。予想。」の観念が生じるものである。

(3)本願商標と引用商標との類否について
外観については、本願商標と引用商標とは、全体としては相違するものの、「FORECAST」の構成文字を共通にすることに加え、いずれも特徴のない一般的な書体で横書きに表されているから、両者は外観上、一定程度似かよった印象を与えるものといえる。
次に、称呼については、両者は「フォーキャスト」の称呼を共通にするものである。
さらに、観念については、両者は「予報。予想。」の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において一定程度似かよった印象を与えるものであり、称呼及び観念を共通にすることからすれば、これらの外観、称呼、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合的に勘案すれば、両者は互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。

(4)本願商標の指定役務と引用商標の指定役務の類否
本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務中、第45類の指定役務と同一又は類似の役務である。

(5)まとめ
以上によれば、本願商標と引用商標とは、互いに類似する商標であり、かつ、本願商標の指定役務は引用商標の指定役務と同一又は類似の役務である。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(6)請求人の主張について
(中略)

3 むすび

以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。

審決

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