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パナソニックに社名変更-松下電器の商標登録問題 -2008年01月10日
「パナソニック」に社名変更という報道がされています。
松下電器産業が、創業以来90年にわたって使ってきた「松下」の名前を社名から外し、海外でも知られている「パナソニック(Panasonic)」に社名変更するというものです。
従来、同社では、音響・映像・コンピュータ等の家電製品について「パナソニック(Panasonic)」、冷蔵庫や洗濯機・家庭電化製品などについて「ナショナル(National)」、その他にも高級音響機器について「テクニクス(Technics)」など、ブランドが使い分けられていました。
これは、商品ジャンルごとにブランドイメージを確立するという意味合いもありますが、実は商標登録に関する長年の懸案となってきた問題もありました。
オンライン百科事典Wikipediaの項目によれば、
「1966年 - 英字表記の『NATIONAL』ロゴを国内向け製品に、『PANASONIC』ロゴを海外向け製品、及び国内向けトランジスタラジオに使用開始。『ナショナル』が米国で商標登録されており使用できなかったことがその動機だが、『パナソニック』に落ち着くまでに、1964年5月に『NATIONAL PANASONIC(ナショナル・パナソニック)』で米国への輸入が認められ、以後、『KADOMAX(カドマックス)』、『マツシタ』、『マーツ』を経て『パナソニック』となっている。 」
と記載され、海外商標権の関係で、別のブランド名を考案し使用せざるをえなかった状況がありました。
商標権は、ブランド名や商品ネーミングなどを独占的に使用できる権利です.
ところで、商標権は、はそれぞれの国ごとに存在する商標法に基づき、各国での手続をして登録をします。
したがって、海外展開を考える場合には、それぞれの国で、他人に商標登録されていないかどうか、されていなければ自分が登録可能かどうかを確認することが重要になります。
国によってブランド名を変えることとすると、製品についている商標を使いまわしできなくなりますし、ブランド名が世界的に通用しにくくなりますから、統一できることにはメリットがあります。
一方、商標登録は、世界のいずれに主要国においても、商品・サービス区分ごとに登録をすることとなっています。
たとえば音響機器・映像機器などは第9類という区分、冷暖房器具などは第11類という区分です。
したがって、「パナソニック」に統一するということは子会社や関連会社の業務内容(住宅関係会社などもあります)までにわたって、しかもそれぞれに国で、商標が使用であることを確認する必要があります。
当然、詳細かつ膨大な調査を要したと思いますし、日本を代表する企業ですから、既に各種の商標登録をしていることと思います。
むしろ、乱立するブランドを整理統合することによって、商標管理としてはすっきるすることとなるでしょう。