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それでも「本生」は商標です -2007年04月02日

アサヒ「本生」の商標登録認めず 知財高裁判決(イザ!)との記事がありました。

アサヒビールが出願した発泡酒「本生」の商標登録出願が拒絶されたことに対し、不服申立をしたが特許庁がやはり登録を認めなかった審決について、裁判所もその判断を維持したという内容です。
(なお、記事中の「無効にした」という記載は誤りです)

要約すれば、判決では、商標を構成する「本生」の文字は食品分野において広く用いられているものであって、出願人の使用実績を勘案しても、「本生」の文字のみによって,原告商品が原告の業務に係るものであることを認識できるほど取引者・需要者に広く知られるに至ったとはいえない、と判断したものです。

ここでは、判決内容について解説するわけではありません。
あちこちのblogサイトを見ていたところ、「『本生』は商標じゃない」などという表現で解説しているものがあったので、誤解が広まらないように、あえてここでは、「それでも『本生』はアサヒビールの商標だ」と書いてみるわけです。

その理由は簡単です。
商標とは、「業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用をする」「文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合」(商標法第2条第1項)であるからです。
どう見ても明白に「商標」です。商標かどうかについて裁判所も問題にはしていません。

ここで、皆さんがご覧になっている当サイトのこのページの中で、いったいどれが商標(商標法第2条第1項)にあたるでしょうか?
(なお当サイトでは、サービスの提供なので、「業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用をする文字・図形等」が該当します)

「商標登録.com」の文字が商標です。
「shohyo-toroku.com」の文字が商標です。
これらの文字と、色彩の付いた複数の円からなる図形が商標です。
「商標登録news」の文字が商標です。
「商標登録ニュース」の文字が商標です。
「商標登録news」の文字と、色彩の付いた複数の円からなる図形が商標です。
「金原商標登録事務所」の文字が商標です。
「無料相談」の文字及び図形が商標です。
「商標登録news blog」の文字及び図形が商標です。

他社の商標を除いても、少なくともこれだけが商標にあたります。
このような商標のうち、単なる普通名称や品質表示等を普通に表示しただけのもの(識別力がない商標)などを除いて、類似商標がない等の一定の要件を満たせば、登録が認められるということなのです。
そして、識別力があるかどうかは、文字のデザインや、その使用実績による著名度、需要者・取引者の認識、商標の普通名称化など、時間の推移によっても変わります。

ここで、問題となったアサヒビールの商標「本生」を、使用している商品を見てみましょう。
2007040201.jpg

さて、どれがアサヒビールの商標でしょうか?
上からいきます。

「SMOOTH AND TASTY」が商標です。
「ASAHI'S ORIGINAL BREW」が商標です。
「HONMANA」が商標です。
「ASAHI」が商標です。
「DRAFT」が商標です。
「本生」が商標です。
「ドラフト」が商標です。
「ASAHI BREWERY LIMITED」が商標です。
「発泡酒」が商標です。
これらの要素全体により構成されるラベルが商標です。
缶の形状と、ラベルから構成される立体が商標(立体商標)です。

今回問題とされた商標と対比してみましょう。
2007040202.jpg

上記のような多数の商標のうち、どれに識別力があって登録できるものか、どれが登録はできないものかは、商標であるかどうかとはまた別の問題です。

また、「本生」の文字は、アサヒの商品ラインナップの中で、「スーパードライ」、「PRIMETIME」、「熟撰」、「黒生」、「極」、「スタウト」、「オリオンドラフト」、「北の職人」、「富士山」、「贅沢日和」、「STYLE FREE」などの、他の商品と識別するための標識として現実に機能しているのです。

それが商標登録に値する要件を満たすものとなっているかどうかは、文字のデザインや、その使用実績による著名度、需要者・取引者の認識、商標の普通名称化など、時間の推移によっても変わります。ある意味で流動的なものです。
商品のブランドを確立させること、白塗りの袋文字で表した『本生』の文字に影を付けたデザインを認知させることは、商品開発をする側としては当然ですし、出願人がそのように頑張れば弁理士も頑張るものなのです。


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