不使用取消審判
継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品又は指定役務についての登録商標の使用をしていないときは、何人も、指定商品または指定役務について商標登録を取り消す審判の請求をすることができます。
商標権者は、取消請求がされた指定商品または指定役務について、商標を使用した事実、あるいは使用していないことについての正当な理由を明らかにする必要があります。
商標を使用した事実、使用準備を具体的にしている事実、使用していないことの正当な理由を証明できないとき、商標権の一部または全部が取り消されます。
他人の商標が登録されているのを発見したが、登録商標が存在すると困る。
他人の登録商標があるため、自社の出願が登録できそうもない。
登録商標が使用されている気配がないので、商標権を取り消させたい。
取消審判請求書
項目 | 弁理士手数料(消費税込) |
取消審判請求書 | 44000~66000円 |
※区分の数が多い場合等、作業内容が特に困難と見込まれます場合には、事前に、料金表とは異なる料金で個別にお見積いたします。 |
※特許印紙代(1区分につき55000円)別途
不使用取消審判の詳細
審判請求
「(商標登録の取消しの審判)
第五〇条 継続して三年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品又は指定役務についての登録商標の使用をしていないときは、何人も、その指定商品又は指定役務に係る商標登録を取り消すことについて審判を請求することができる。」
取消審判は、審判請求書を提出することにより行います。
不使用でないことの立証責任
「2 前項の審判の請求があつた場合においては、その審判の請求の登録前三年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り、商標権者は、その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れない。ただし、その指定商品又は指定役務についてその登録商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを被請求人が明らかにしたときは、この限りでない。」
商標権者は、過去3年以内に商標を、取消請求された指定商品・指定役務について使用していた証拠、具体的に使用準備を進めていた証拠、あるいは使用していないことについての正当理由を主張して立証しなければなりません。
駆け込み使用の排除
「3 第一項の審判の請求前三月からその審判の請求の登録の日までの間に、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかかその請求に係る指定商品又は指定役務についての登録商標の使用をした場合であつて、その登録商標の使用がその審判の請求がされることを知つた後であることを請求人が証明したときは、その登録商標の使用は第一項に規定する登録商標の使用に該当しないものとする。ただし、その登録商標の使用をしたことについて正当な理由があることを被請求人が明らかにしたときは、この限りでない。」
審判請求直前の駆け込み使用は、その事情を知っていた時には、使用として認められません。
その結果、取消を免れないことになります。
なお、
・書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標
・平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標
・外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標
は、一般に登録商標の使用と認められます。