商標登録とドメイン名
商標は先に出願をした者が優先して登録することができ、ドメイン名も先に申請をした者が優先して登録することができます。
登録第4705601号
したがって、商標を登録してもドメイン名を他者に取得されてしまっては、別のドメイン名を考えなければならなくなり、ドメイン名を登録しても商標を他者に取得されてしまっては、ブラウザソフトに入力するURLとしては使えても、サイト名、商品名などとして商標的な使用をすることができなくなります。
登録第5655920号
つまり、会社を設立するときには、会社名・商標・ドメイン名をすべて調査して登録を検討することが重要になりますし、新商品を発売するとき、ウェブサイトを開設するときにも、商標・ドメイン名を調査して登録を検討することが重要になります。
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商標とドメインについての留意点
ドメインネーム(ドメイン名)は、「○○.com」「○○.jp」などのように、インターネット上のページを識別する住所のようなものです。
しかしそれだけではなく、ドメイン名をそのままウェブサイト名にしたり、企業名、商品名などとしたりすることにより、相乗効果として、ウェブサイトの知名度向上、商品・企業の知名度向上などが生まれます。
また、商標は著名になればなるほど、その価値は増大しますが(例えば「SONY」「VAIO」)、近年、ネットビジネスを中心に、従来では考えられなかったほど急激にブランド名・商標の著名度を拡大する事例が見られます(例えば「アマゾン・ドットコム」「楽天」「アスクル」)。
さらに、ドメイン名とサイト名(または企業名)とを効果的、印象的なネーミングにして効果を得ている事例も多く見られます。
しかし、商標は先に出願をした者が優先して登録することができ、ドメイン名も先に申請をした者が優先して登録することができます。
したがって、商標を登録してもドメイン名を他者に取得されてしまっては、別のドメイン名を考えなければならなくなり、前述したような相乗効果を得ることができません。違うドメイン名を告知するために余計な努力を強いられるはめにもなります。
また、ドメイン名を登録しても商標を他者に取得されてしまっては、ブラウザソフトに入力するURLとしては使えても、サイト名、商品名などとして商標的な使用をすることができなくなります。
企業名やウェブサイト名を、他者に不正目的ではなく商標登録されてしまった場合にも、単に製造元・販売元・連絡先などに企業名を記載することはできても、シンボルマークなどで商標的に使用することができなくなるのも同じことです。
商標に絡むドメイン名については、商標権者側が保護されるように法制度なども整備され、不正競争防止法の改正により、企業が保有する商標に絡むドメイン名の不正使用差止と損害賠償規定が盛り込まれています。
しかし、無用な争いや、消費者の誤認混同を防ぐためには、最初からこれらを考慮する賢い選択が必要です。