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商標登録費用の「返金保証」はありますか?

当事務所では、下記の理由から、「登録できなかったら返金保証」のような料金体系、及び広告表示は、不明朗な疑義があるものと考えており、採用しておりません

商標登録をしたい場合には、その商標の内容と、調査結果等とを検討することにより、登録できる可能性は事前に判断いたします。
その判定結果は当然、ケースバイケースです。

調査の結果、登録できる可能性を高くするための様々な検討をする場合もありますが、依頼者のご要望や状況を総合的、専門的に考慮したうえで、あえて登録できる可能性がやや低くても、そちらの方法が好ましい場合もありえます。
その時はその旨をご説明したうえで、ご検討いただきます。
一律に判断できるものではありません。

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費用の問題については、依頼者の状況等により、ご相談いただければ臨機応変に対応しております。
商標調査の結果、登録可能性等と同時に、登録までにかかる金額と、かかる可能性のある金額とを、すべて事前に明示した見積書を作成することは、当然です。

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「返金保証」についての注意点

一方、「登録できなかったら返金保証」という広告方法は、一見すると親切そうではありながら、登録までに支払った費用の性格が、仕事・作業に対する報酬なのか、それとも返金が生じないことが確定するまでの間の預かり金なのか、登録できなかったときは契約の解除となり返金義務が生じるのか、実は不明瞭な費用とも思えます。

中には、不親切あるいは不当な表示とも思える広告では、「当事務所が登録可能性が高いと判断した商標に限る」旨が小さく記載されているものもあります。
そもそもそうでなければやっていけないはずですが、専門家ではない依頼者から見れば、調査結果が出た時点で初めて「返金保証」が適用されるかどうかわかるという仕組みになっているのです。

なお、当事務所でも、仮に弁理士の過失等による誤った判断により、手続に失敗等すれば、報酬を返金し、なおかつ失敗等を回復する措置を弁理士の負担で行うという事態は、可能性としてはありえます。
しかしこのことは別問題です。通常は、返金しなければならないような仕事はしておりません。

依頼者にとっては、商標登録をすることが目的であって、登録できなかったから返金されるので、リスクがないということにはなりません。
目的を履き違えてはいけないと思います。

当事務所が「返金保証」について不明朗と考える理由

当事務所が特に問題だと考える点は、特許印紙代も含めた金額を返金という事例です。
弁理士は、出願の代理人として、特許庁に対して本人が行うのと同じ権原をもちますが、あくまでも出願人は依頼者本人です。特許庁に納付した特許印紙代は、出願が済めば既に本人が支払い済のものなのです。

そうだとすると、出願後、登録できなかった場合の特許印紙代の返金とは、どういう意味なのか。
拒絶の内容・経緯等によっては、一種の賠償金的な性格を帯びる場合もあるかもしれませんが、既に本人の名で納付済の、手続と同時に行政庁に支払う金銭ですから、広告表示での記載内容によっては、これは「返金」ではなく、代理人から依頼者への一種の「贈与」と同じ、あるいは景品表示法にいう「一般懸賞」にあたりうる、依頼者への金銭的便宜を図るものだといえます。

不当景品類及び不当表示防止法では

不当景品類及び不当表示防止法においては、
「第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。」とされ、
「二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
 三 前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの」
とされています。

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(「よくわかる景品表示法と公正競争規約」消費者庁 2014)

さらに、
「(景品類の制限及び禁止)
 第四条 内閣総理大臣は、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を確保するため必要があると認めるときは、景品類の価額の最高額若しくは総額、種類若しくは提供の方法その他景品類の提供に関する事項を制限し、又は景品類の提供を禁止することができる。」
とされています。

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(「よくわかる景品表示法と公正競争規約」消費者庁 2014)

景品と判断される場合、売り上げ予定総額の2%以内の金額(返金)でなければならないはずですが、実際のところはどうなのでしょうか?

日本弁理士会「会員の広告に関するガイドライン」

日本弁理士会「会員の広告に関するガイドライン」第4条解説
広告の対象者に対し、社会的儀礼の範囲を越えた有価物等の利益を供与又は供与を示唆する広告
この禁止事項は、この規則第4条第5号等に該当するおそれのある事項例である。広告対象者に対して、例えば商品券や贈答品等有価物を供与して広告する行為は、会員の社会的信用を損ない、品位を低下させる行為として禁止されるべき行為である。」

当事務所の考え方

当サイトの方針や考え方は、下記のページにまとめてあります。

もっと詳しく 初めての方へ

当事務所では、早くからインターネットのウェブサイトを活用して営業活動をする一方で、不明朗あるいは疑義のある広告表示や料金体系の表示を行わないことを肝に銘じております。
ウェブサイトでの料金表を基準としながらも、費用についてのご相談にはいつでも対応し、すべて個別のお見積を事前に提示しております。

このような理由から、「返金保証」のようなことは一切行っておりません。
個別のご相談には対応し、ウェブサイトの料金表とは別に、すべて個別に事前にお見積をいたしております。


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