小売等役務商標制度とは何ですか?
小売等役務の商標は、小売業・卸売業などの、多岐にわたるジャンルの商品を取り扱う販売者が、商品販売に付随する業務を行う際に使用する商標について、1つの区分(第35類)で登録することにより、幅広い範囲で保護される制度です
小売等役務商標制度で保護される商標は、小売業・卸売業などの商品販売事業者が、商品を販売することに付随して、商品の品揃え、陳列、接客サービスなどを行う際に使用する商標です。
小売等役務商標とは?
小売業の商標登録が認められる以前は、取り扱い商品ごとに、それぞれの商品区分で商標登録をしなければ、保護を受けることができませんでした。
このため、商品について商標登録をすれば、商品に付けるタグ、値札や、折込みチラシ等に表示する商標は保護されていたものの、各商品に付いて登録するには費用が高額となっていました。
また、商品そのものには商標を付さない、たとえば店舗の看板、ショッピングカート、店員の制服等に表示する商標の保護はどのようにしたらよいのかが、不明確なケースもあり、商標権についての争いが生じるケースもありました。
そこで、第35類に小売等役務を分類したことにより、小売業者等が使用する商標について、オリジナルブランドとして製造販売する商品を除き、第35類という1つの役務(サービス)区分で登録をすることができます。
たとえば、取扱い商品の商品タグ、値札、POP、折込みチラシ、広告、価格表、レシート、ショッピングカート、買い物かご、陳列棚、会計用レジスター、店舗の看板、店舗内の売り場の案内板、店舗内の売り場の名称、店員の制服・名札、レジ袋、包装紙等に表示する商標などです。
また、テレビ広告、ウェブサイトでの表示、インターネットにおける広告に表示する商標なども含まれます。
小売等役務商標を登録するポイント
手続をするうえで包括的な商標登録が得やすい
小売等役務商標制度の導入により、従来は取り扱い商品ごとに商品区分を指定して、商品商標として保護するしかなかった小売業者、卸売業者等の商標が、商品タグ、値札、広告、折込みチラシ等に加え、ショッピングカート、買い物かごや店員の制服、ウェブサイトやショッピングモール等に表示する商標も含めて、包括的に保護されることとなります。
広範な取扱商品の販売について商標登録の費用が高額にならない
これにより、費用をかけずに商標登録をすることができ、商標の管理もしやすくなります。
小売等役務商標の登録ができる対象業種が幅広い
各種の商品についての小売業、卸売業の商標が対象になり、衣料品店、八百屋、肉屋、酒屋、眼鏡屋、書店、家具屋、家電量販店、食料品店、スーパー、コンビニエンスストア、ホームセンター、百貨店、卸問屋等が含まれます。
小売業には、ネットショップ、通信販売業者なども含まれます。
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