やや図案化した書体で「たらの子」と「こうじ漬」の文字を縦2列に配した構成の商標が、商標法3条1項3号に該当するとされた事例
【種別】審決取消訴訟の判決
【訴訟番号】東京高平成6年(行ケ)85号
【事案】
やや図案化した書体で「たらの子」と「こうじ漬」の文字を縦2列に配した構成からなり、第32類「たらこと麹を主原料とする漬物」等を指定商品とする商標が、商標法3条1項3号に該当するとされた審決の取り消しを求めた事例。
【拒絶理由】
商標法第3条第1項第3号
【判決における判断】
本願商標は、やや図案化した書体で「たらの子」と「こうじ漬」の文字を縦2列に配した構成からなり、第32類「たらこと麹を主原料とする漬物」等を指定商品とするものであるところ、本願商標中の「たらの子」は、「鱈」の「子」、すなわち「鱈」の「成熟卵」を意味するものと理解することが可能であり、「こうじ漬」は、「こうじ」(麹、糀)、すなわち、米、麦、大豆、などを蒸して寝かし、これに麹かびを加えて繁殖させ、塩を加えたものに、魚、肉、野菜等を漬け込んだ食品を意味するものであることは明らかである。
そうすると、取引者、需要者は、本願商標の前記構成から、その商品が、「すけそうだら」あるいは「まだら」等のたらの腹子を麹(糀)に漬け込んだ食品を意味するものと理解することは容易であり、
したがって、本願商標は、これを指定商品中の「たらこと麹を主原料とする漬物」に使用した場合は、当該商品の原材料及び加工の方法を普通に用いられる方法で表示した標章であるから、商標法3条1項3号に該当する。