「緑をおくる山口のお茶」の文字中の「山口」の文字がありふれた氏であり、「緑をおくる」の文字は「緑茶のもつ緑を需要者にお届けする」の意味合いを容易に看取させるため、自他商品識別標識としての機能を果たさないとされた事例
【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服昭和53-12572
【事案】
本願商標は、ゴシック体をもって「緑をおくる山口のお茶」の文字を横書きしてなり、第29類「緑茶」を指定商品とするものである。
【拒絶理由】
商標法第3条第1項第6号
審決における判断
本願商標は、ゴシック体をもって、「緑をおくる山口のお茶」の文字を横書きして成り、第29類「茶、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和50年5月28日に登録出願され、その後、指定商品については同52年12月14日付手続補正書をもつて、第29類「緑茶」と補正されたものである。
よつて按ずるに、本願商標の構成は前記のとおりであるところ、これを構成する文字中「山口」の文字がありふれた氏であることは、昭和54年4月1日日本電信電話公社発行、「東京23区50音別電話帳個人名(下)」第1102頁ないし1120頁の記載(電話加入者中に「山口」氏の者が多数存在する)に徴し明らかであり、これに続く、「お茶」の文字は、商品名を表わすものとして普通に使用されているところのものである。また「緑をおくる」の文字は、指定商品の緑茶がその外観において加工された後も茶葉の緑色がもつともよく保存されている(重要な品質の一つ)ことからして、緑茶のもつ緑を需要者にお届けするの意味合いを容易に看取せしめるものである。
しかして、本願商標は「緑をおくる山口のお茶」の文字を書してなるものであるが、これが指定商品に使用された場合において、これに接する取引者、需要者は、上記の点よりして全体として緑茶のもつ緑を需要者にお届けする山口の氏を有する者の取扱いに係るお茶(緑茶)の意味合いを表現した宣伝文句の一つと認識し理解するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するとみるのが相当である。
してみれば、本願商標をその指定商品について使用しても、他の「山口」なる氏を付して取引される同種商品とその出所を識別しうるものとはいい難いところであるから、結局、本願商標は需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものといわなければならない。
したがって、本願商標を同様の趣旨をもって商標法第3条第1項第6号に該当するとした原査定は妥当であって取り消す理由はない。よって、結論のとおり審決する。


