「習う楽しさ教える喜び」の文字は、「習う側が楽しく習うことができ、教える側が喜びをもって教えることができる。」という、教育に関して提供される役務の宣伝文句ないしキャッチフレーズとして認識、理解され、自他役務の識別標識とは認識できないとされた事例
【種別】審決取消訴訟の判決
【訴訟番号】東京高平成13年(行ケ)第45号
【事案】
本願商標は、「習う楽しさ教える喜び」の文字を書してなり、第41類「技芸、スポーツ又は知識の教授」を指定役務とするものである。
【拒絶理由】
商標法第3条第1項第6号
【判決における判断】
本願商標「習う楽しさ教える喜び」において、この語句がキャッチフレーズとして一般に使用されている事実はないとしても、本件において問題となるのは、該語句に接した取引者需要者が、これを自他役務の識別標識として認識するのか、それとも、キャッチフレーズとして理解するのかということである。しかして、本願商標の語句が、その指定役務である技芸、スポーツ又は知識の教授に関して用いられた場合には、該語句に接した取引者需要者は、それを妨げる何か特別な事情がない限り、該語句の有する意味を想起した上で、ごく自然に「習う側が楽しく習うことができ、教える側が喜びをもって教えることができる。」という、教育に関して提供される役務の理想、方針等を表示する宣伝文句ないしキャッチフレーズとして認識、理解することになるものというべきである。
してみると、該語句に接した取引者需要者は、これを各種学校等の教育に関する役務の理想、方針等を表示する宣伝文句ないしキャッチフレーズであると認識、理解するに止まり自他役務の識別標識とは認識しないものというのが相当である。
したがって、本願商標は商標法3条1項6号に該当する。