「サークライン」の文字は、環状蛍光燈を直感させるとか、環状蛍光燈の形状を暗示しているとはいえ、一見して直ちにその形状を表示したに過ぎないと認めることもできないから、本件商標が特別顕著性を欠くとはいえないとされた事例
【種別】審決取消訴訟の判決
【訴訟番号】東京高昭和38年(行ナ)第55号
【事案】
本件商標は、「サークライン」の片仮名文字を横書きしてなり、第69類「電気機械器具」等を指定商品とするものである。
【拒絶理由】
商標法(旧法)第1条第2項
【判決における判断】
被告が環状蛍光燈を発売してから本願商標が登録されるまでの間はわずか半年余りに過ぎないこと、蛍光燈という商品自体が短期間に消費されたり新品に買い替えられたりするものでないこと等を総合すれば、被告が環状蛍光燈を発売し、それが初めて取引市場に現れるようになってからわずか半年余りしか経過しない本件商標の登録当時に、本件商標がわが国において一般に環状蛍光燈を意味する普通名称として認識されていたものとは到底認められず、「サーク」と「ライン」とを結合した造語として受け取られるとみるのが自然である。
してみれば、本件商標は、その登録当時における取引の事情その他社会の一般通念に照らしてこれを見るとき、指定商品に属する環状蛍光燈の普通名称に該当するとか、環状蛍光燈を直感させるとか、環状蛍光燈の形状を暗示しているとはいえ一見して直ちにその形状を表示したに過ぎないとかを感じ取られるような表示方法と認めることもできないから、環状蛍光燈との関係において本件商標が特別顕著性を欠くものとすることはできない。
したがって、本件商標は、商標法(旧法)1条2項に該当しない。