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商標法と種苗法は法目的が違い、商品の類似範囲も異なり、指定商品が類似しなくても種子及び苗に使用するときは類似するとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服2002-4926
【事案】
本願商標は、「こはる」の平仮名文字と「小春」の漢字を上下二段に書してなり、指定商品を、補正によって、第31類「あわ、きび、ごま、そば、とうもろこし、ひえ、麦、ねぎの種子、ねぎの苗」等としたものである。
これに対して、原審において本願の拒絶の理由として引用した、品種登録を受けた品種の名称は、「小春」の文字よりなるものである。
【拒絶理由】
商標法4条1項8号
【審決における判断】
ところで、種苗法と商標法は目的が違い、それぞれの法目的に相応した、商品の類似範囲が存在(種苗法においては種苗法施行規則第17条)するものであるから、種苗法における商品の類否をもって、商標法における商品の類否の判断の根拠とすることはできないことはいうまでもない。
商品の類似範囲は、商標法における商品の類否に基づかなければならないところ、商標法上、商品が類似するか否かを判断するにあたっては、取引の実情、すなわち、商品の生産部門、販売部門、原材料及び品質・用途・機能、需要者の範囲が一致するかどうか、完成品と部品の関係にあるかどうか等を総合的に考慮することにより、互いの商品に同一又は類似の商標が使用された場合、これに接する取引者、需要者が、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがあるかどうかにより判断されるべきである。
そうすると、本願商標の指定商品中、「ねぎの種子,ねぎの苗」と、引用標章が品種名として登録されている「きく」の種子及び苗は、食用と観賞用の違いがあるものの、農家だけでなく、一般の家庭においても栽培される植物の種子及び苗であるということ、家庭菜園やガーデニングが盛んに行われている現状があり、商店等においても同じコーナーで販売されていることが多く、販売部門や需要者を共通にすることが少なくないということ等を総合的に考慮すると、取引の実情において、多くの共通性を有する商品であるというのが相当であって、本願商標を「ねぎの種子,ねぎの苗」及び「きく」の種子及び苗に使用するときは、これに接する取引者、需要者が、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。してみれば、本願の指定商品中「ねぎの種子,ねぎの苗」と、引用標章が品種名として登録されている「きく」の種子及び苗は、類似する商品であるといえる。
種苗法において「きく」と他の農林水産植物の品種が非類似であることを根拠として、商標法においても非類似の商品であるとすることはできない。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1号第14号に該当する。


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