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審決例(4条1項3号)-商標登録.com(TM)


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「BIS」の文字は、国際決済銀行(Bank for International Settlements)の略称を表示する標章と同一または類似であるとされた事例

【種別】拒絶査定不服の審決
【審判番号】不服平成11-1552
【審決日】
【事案】
本願商標は、後掲したとおり、「BIS」の文字を書してなり、1996年10月8日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づき、パリ条約第4条の規定による優先権を主張して平成9年4月8日登録出願、指定商品については、願書記載のものを、平成10年9月22日付手続補正書をもって「第9類 脳波信号を監視し処理するための電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の記憶媒体」及び「第10類 脳波監視装置及び脳波センサー」と補正したものである。
【拒絶理由】
原査定は、「本願商標は、通商産業大臣が指定する国際決済銀行の標章『BIS』(通商産業省告示第265号平成6年5月1日から適用)と類似するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第3号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
【審決における判断】
商標法第4条第1項第3号は、「国際連合その他の国際機関を表示する標章であって通商産業大臣が指定するものと同一又は類似の商標は、商標登録をうけることができない。」とするものであって、工業所有権の保護に関する国際間の条約であるパリ条約第6条の3(1)(b)の規定の趣旨を受けて設けられたものである。しかして、同条約の規定の目的とするところは、同盟国が加盟している政府間国際機関の紋章、旗章その他の記章、略称及び名称については、これを工業所有権の保護対象から除外することにより、当該機関の主権を尊重し、その権利と尊厳を維持・確保することにあり、前記法条の規定はこれと同趣旨をもって、一私人に独占させることにより当該国際機関等の尊厳性を害し、公益上支障のあるような標章を商標として登録しない旨を定めたものと解される。
本願商標は、その構成後掲したとおり、「BIS」の欧文字を書してなるものであるところ、該文字は、商標法(昭和34年法律第127号)第4条第1項第3号の規定に基づき、通商産業大臣が「国際決済銀行の標章指定」(平成6年4月26日号外 通商産業省告示第267号)(平成6年5月1日から適用)として指定する標章の一、すなわち、通貨安定のための国際協力機関である国際決済銀行(Bank for International Settlements)の略称を表示する標章(「BIS」)とその文字綴りを同じくするものである(なお、原審摘示の通商産業省告示第265号は「同第267号」の記載の誤りであったので、その旨訂正し、以下審理する。)
してみれば、本願商標は、通商産業大臣が指定する前記標章と同一又は類似の商標というほかはなく、したがって、本願商標を商標法第4条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
請求人は、請求の理由において、「本願商標は国際決済銀行に係る業務とは全く関連性のない特殊な医療器械器具関連の商品について使用するものであり、国際決済銀行の信用及び名誉を毀損することもあり得ない。本願指定商品の需要者は、本件出願人及び国際決済銀行に係る業務につき十分承知しているため、本件出願人の係る商品と国際決済銀行に係る業務との間で混同を生じるおそれは全くあり得ない。「BIS」の文字を有する多数の商標が商標登録を受け、又、国際的にも登録商標を受けている商標が多数存在しているている。」旨述べ、甲第1号証ないし甲第14号証を提出しているが、たとえ、本願商標の指定商品が前記国際機関と直接関係を有しないものとしても、当該国際機関等を表示する標章と類似するかどうかは専らその外観のみから判断すれば足りるとされているように、本条項の適用の可否は混同可能性を基準に判断すべきものでなく、前述国際条約の精神に照らし、当該国際機関等の主権を損ね、同機関の尊厳性を害する程度のものか否かを判断の基準とすべきものであって、本件については、前記認定・判断を相当とするものであるから、この点について述べる請求人の主張は妥当でなく、採用の限りでない。その他、請求人の主張を認めるに足りる証拠はない。
よって、結論のとおり審決する。

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