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「特許管理士会」の漢字を横書きし、第26類「書籍、雑誌、その他本類に属する商品」を指定商品とする商標について、無効であるとされた事例

【種別】審決取消訴訟の判決
【訴訟番号】東京高平成10年(行ケ)第299号
【事案】
「特許管理士会」の漢字を横書きし、第26類「書籍、雑誌、その他本類に属する商品」を指定商品とする商標について、無効であるとされた事例。
【拒絶理由】
商標法第4条第1項第7号
【判決における判断】
本願商標は、「特許管理士会」の漢字を横書きし、第26類「書籍、雑誌、その他本類に属する商品」を指定商品とするものである。
「特許管理」の語が、特許を管理するという広範な意味合いを有し、報酬を得ることを目的として特許等に関する出願や異議申立て等を行う「弁理士のみがなし得る業務」もこれに含まれること、特許法8条が、在外者の特許に関する代理人である「特許管理人」の権限内容等を定め、この特許管理人が行う特許に関する手続が「特許管理」の概念に含まれること、「特許管理士」の語から「特許を管理することができる一定の資格を有する者」との意味合いを想起できること、さらに、弁理士法22条の2の規定の趣旨及び同法22条の3が規定する弁理士以外の者が、利益を得る目的をもって弁理士及びこれに類似する名称を使用することを禁止している趣旨等を勘案すると、本願商標構成中の「特許管理士」の語は、法律の定める正しい資格名称及びその業務内容の全てを具体的に認識していない一般の国民にとっては、「法律の定めにより特許管理を業として行える資格を有する者」又は「弁理士法が定める弁理士の業務を業として行える者」の意を想起、連想させるものであり、この意味において「弁理士」と相紛らわしいものである。
以上を総合すると、本願商標は、「特許管理士」を会員とする団体を認識させ、ひいては「弁理士会」と同一の機能を有する社団を想起させるものである。
そうすると、本願商標を指定商品「書籍、雑誌、その他本類に属する商品」に使用するときは、該商品は、取引者・需要者に、弁理士会又は実質的にその会員である弁理士が取り扱っているかのような印象を与えるというべきである。
したがって、本願商標は、「弁理士」と紛らわしい「特許管理士」の語を構成の主要部とし、「弁理士会」と紛らわしい「特許管理士会」の語からなるものであるから、その指定する商品に使用することは、特許制度の利用者である一般の国民が特許管理などの専門家である弁理士及び弁理士を会員とする弁理士会に寄せる信頼を害することになり、社会公共の利益に反するものであるから、商標法4条1項7号に該当する。
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