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商標登録のプレスリリースを出す前に考えるべきこと -2021年05月05日

最近、「〇〇〇」が商標登録されました、というプレスリリースや、その記事がニュースサイトに転載されている事例をよく目にします。
商標が無事に登録されたこと、自社の商標を適切に保護していることを、消費者や取引業界、投資家などに知らしめたい気持ちはよくわかります。

ただ、リリースの内容を見てみると、単に商標が登録されたことが書かれているだけで、良くてもその商品やサービスの概要が紹介されている程度のことが多く、リリースの意味や効果について考えてしまいます。

そこで、商標登録のプレスリリースを出す前に、考えておくべきこと、プレスリリースの方法や、内容の是非について検討してみたいと思います。

商標登録された事実だけのニュースバリューは高くない

特許行政年次報告書2020年版(特許庁)によれば、商標登録出願の登録査定の件数は、近年、年間11万件前後です。
実に、1日平均して約300件の商標登録がされていることがわかります。

したがって、珍しいことではなく、それどころか、商標登録されたという事実だけをもってわざわざニュースといえるほどのことではありません。

商標登録の効果は防御的・予防的な消極的効果が主体

これに対し、特許査定の件数は、年間十数万件ありますが、新規技術の独占的保護を受けられる特許では、その発明を独占的に使用できることが確定したという、ビジネスによって極めて有意義な、積極的な意味合いがあります。

取引先に対しては、そのことをプレスリリースによって伝え、マスコミには宣伝し、消費者には製品などの有用性をアピールできるという効果があります。

しかし、商標登録の場合には、その商標のネーミングやロゴを独占的に使用でき、第三者の無断使用や、類似商標の登録を防ぐという効果はありますが、いずれも防御的、予防的な意味合いが主体です。
もちろん、知的財産の保護として有効であり、必要であることに違いはありません。

ただ、商標登録されたものと類似しない別のネーミングを使用して、同じようなビジネスを第三者が行うことは可能です。

プレスリリースは、取引先や消費者によって有用な内容である場合に効果がある

商標登録されたことは、自社によっては知財保護の観点から大きな意味があり、場合によっては出資者である投資家や、融資をしてくれている金融機関などにとっては意味があります。

取引先、マスコミ、消費者にとっては、商標登録されたことよりも、新製品の発表や、消費者に対する新しい機能やサービスの提供、キャンペーンの提供のような有用な内容であれば、プレスリリースの効用には大きなものがあります。

商標が登録されたことが書かれているだけのプレスリリースや、付随的にその商品やサービスの概要が紹介されている程度の内容では、それほどの意味がありません。
そもそも、プレスリリースのタイトルを見ただけで内容が理解でき、事実としてはそれ以上ではないため、リリースの意味や効果について考えてしまいます。

消費者に対する新しい機能やサービスの提供、キャンペーンの提供のような有用な内容のプレスリリースを出す際に、付随的に「〇〇〇」は商標登録されています、とした方がよいのではないでしょうか。

商標登録の異議申立期間が開始されるタイミングでのプレスリリースをするべきなのか?

プレスリリースを見ているのは、消費者や、好意的な取引先ばかりではありません。
競合企業などの目にも触れるものです。

商標登録された旨のプレスリリースを見ると、登録査定が来て登録料を納付した段階、あるいはその後に商標登録証が来た段階での、リリースが多いように見受けられます。

登録料を納付すると、商標権の設定の登録がされますが、そのときは、次に掲げる事項が商標公報に掲載されます。

一 商標権者の氏名又は名称及び住所又は居所
二 商標登録出願の番号及び年月日
三 願書に記載した商標
四 指定商品又は指定役務
五 登録番号及び設定の登録の年月日
六 前各号に掲げるもののほか、必要な事項

 特許庁長官は、商標掲載公報の発行の日から二月間、特許庁において出願書類及びその附属物件を公衆の縦覧に供しなければなりません。

これは何のためかというと、登録異議の申立てを受け付けるからです。

「何人も、商標掲載公報の発行の日から二月以内に限り、特許庁長官に、商標登録が次の各号のいずれかに該当することを理由として登録異議の申立てをすることができる。」とされています(商標法第43条の2)。

これから異議申立ができるようになるというときに、競合企業の目に触れるプレスリリースを出すことは、その是非や、タイミングも含めて慎重に検討しなければなりません。

商標登録された旨のリリースがよく見受けられるといっても、年間約11万件のほとんどは、このようなプレスリリースを出さない意味合いも考えてみたほうがよいでしょう。

特に、類似商標や、著名商標と類似する等の理由、あるいは品質表示である等の理由で拒絶理由通知が来て、その後に登録されたような商標では、少なくとも異議申立期間経過後までは商標登録されたなどと宣伝しないことをお勧めするものです。


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