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越境ECの模倣品対策の強化(改正商標法2022年10月施行) -2022年07月25日

商標法と意匠法の改正が施行される2022年10月1日から、模倣品の水際での取締りが強化されます。

2021年5月に改正された商標法、意匠法において、海外の事業者が模倣品を郵送等により日本国内に持ち込む行為について、権利侵害行為となることが明確化されました。
また、同年3月に関連する関税法が改正され、海外の事業者が郵送等によって、日本国内に持ち込む模倣品を、「輸入してはならない貨物」としたことにより、税関での取締りの対象となりました。

改正法が施行される2022年10月1日以降は、海外の通販サイトで商品を購入した場合のほか、国内の通販サイトで購入したが海外から直接送付される商品など、海外の事業者から送付される物品が、商標権または意匠権を侵害する模倣品であるときは、税関による没収の対象となります。

個人が輸入し販売する越境ECについても、模倣品取締りの対象となりますので、商品を購入する側も販売する側も、十分にご注意ください。

商標法、意匠法改正の背景

今回の商標法、意匠法改正の背景には、越境ECにおいて、郵便など小口の荷物を用いて、模倣品の輸入販売が行われ、取締りの実効性に問題があったことがあります。

税関を管轄する財務省公表の「令和元年の税関における知的財産侵害物品の差止状況」によれば、平成16年と比較して、近年、輸入差止の件数は、約1万件から約2万件、3万件にまで増えるなど、増加が堅調であるのに対し、差止点数は同程度(約100万点)であり、侵害貨物は小口化の傾向にあることがわかっています)。

権利侵害となる模倣品の内訳は、件数ベースでは、商標権侵害品が突出しており、2020年上半期においても、小口化の傾向は顕著となっています。
小口の通販において、郵便物などに商品を封入する事例が増え、税関でこれらをチェックすることが困難であることが背景にあります。

これに対しては、知的財産推進計画2020において、模倣品の個人使用目的の輸入について具体的な対応の方向性を検討することとされていました。
2022年6月に公表された「知的財産推進計画2022」(知的財産戦略本部)においても、模倣品の取り締まりについては下記のように記されています。

「越境電子商取引の進展に伴う模倣品・海賊版の流入増加へ対応するため、個人使用目的を仮装して輸入される模倣品・海賊版を引き続き厳正に取り締まる。また、改正商標法・意匠法・関税法により、海外事業者が郵送等により国内に持ち込む模倣品が税関による取締りの対象となることから、当該改正法
の 2022 年秋までの施行に向けて、善意の輸入者に不測の損害を与えることがないよう十分な広報等に努めるとともに、実効性のある水際取締りを実施できるよう必要な措置を講じる。他の知的財産権についても、必要に応じて、検討を行う。
(短期、中期)(財務省、経済産業省、文部科学省)」

知的財産戦略本部会合 外部サイトへ知的財産戦略本部(内閣府)

知的財産推進計画2022[PDF] 外部サイトへ知的財産戦略本部(内閣府)

従来の商標法での対応と問題点

商標法によれば、商標権侵害となるためには、事業者が行為主体となって、権原なく、登録商標を「使用」(第2条第3項)するか、侵害とみなされる行為(第37条)をすることが要件となっています。

事業者の行為が侵害になるという点は、商標法第2条第1項において、「商標」とは「業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用をするもの」または、「業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用をするもの」と規定されていることによります。

「工業所有権法逐条解説[第21版]」(特許庁)においても、
「業務を行うものが標章を商品又は役務について使用をする」ものが「商標」であるとされており、事業者に該当しない者(個人)が輸入行為等を行う場合には、商標の使用にはあたらないため、商標権侵害とはなりません。

もっと詳しく 商標法

もっとも、個人であっても事業として輸入等を行う個人事業者であれば、登録商標を「使用」(第2条第3項)するか、侵害とみなされる行為(第37条)をすることは、商標権侵害となります。

しかし、近年、電子商取引の発展や国際貨物に係る配送料金の低下等により、国内の事業者が介在しない事例、すなわち海外の事業者が、国内の個人に商品を直接送付する取引形態が増えています。
先に述べた近年の輸入貨物の小口化も、こうした背景で生まれているものです。

少量の模倣品を郵便の手段により、消費者に直接販売し、送付するときに、国内の個人の行為については商標権の侵害は成立せず、海外の事業者の行為についても商標権の侵害が成立するか否かは明らかでなく、従来、税関において模倣品を没収等することができませんでした。

税関長が知的財産侵害物品に該当するか否かを認定する認定手続において、輸入者が「個人使用目的」を主張した場合には、商標権侵害物品として没収等することができない場合もありました。

商標法改正の内容

今回の商標法改正では、商標法第2条に、下記の第7項が付け加えられます。

「7 この法律において、輸入する行為には、外国にある者が外国から日本国内に他人をして持ち込ませる行為が含まれるものとする。」

これにより、商標の「使用」を定義した、第2条第3項第2号の、
「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為」
や、商標法第37条の「輸入」には、「外国にある者が外国から日本国内に他人をして持ち込ませる行為」が含まれることが明確となりました。

改正法が施行される2022年10月1日以降は、個人で使用する場合であっても、海外の通販サイトで商品を購入した場合のほか、国内の通販サイトで購入したが海外から直接送付される商品などが、海外の事業者から送付される物品が商標権侵害の模倣品であるときは、税関による没収の対象となります。

商品を購入する側も販売する側も、模倣品を取り扱わない、買わない、模倣品であるかどうかに十分注意することが大切です。

特許法等の一部を改正する法律(令和3年5月21日法律第42号) 外部サイトへ特許庁

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