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建築物の写真が商標に? -2007年03月08日

学校法人早稲田大学が、大隈講堂周辺の写真など数点を商標登録したことについての話題がありました。
このような写真を商標登録することに、どのような意味があるのでしょうか?

商標は、自己の業務について使用する識別標識で、通常はネーミングやロゴマークなどが登録されます。
なお、立体形状の商標も、業務についての識別標識である限り、登録が認められます。ただし立体商標の審査はなかなか厳しく、文字などが入っていない立体商標の登録は認められにくいのですが、大隈重信の銅像は登録されています。

さて、大隈講堂周辺の写真ですが、これを識別標識(商標)として、登録された指定商品等に使用することはできなくなります。類似の商標についても同様です。
ただし、まったく違うアングルからの、印象も異なる写真となると、類似商標にはならない可能性が高くなります。
早稲田大学としては、代表的なアングルの写真を、大学とは関係のない事業者が、あたかも何らかの関係があるように思わせることを防ぐことが主目的だと思われます。

なお、蛇足ですが、「建物は著作権では保護できない」ということはなく、著作権法第10条(著作物の例示)では、
「この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。」として、「5.建築の著作物」をあげています。

ただし、建築物の写真を撮影しても著作権法違反にならないのは、著作権法第46条で、屋外の場所に恒常的に設置されているもの又は建築の著作物は、建築の著作物を建築により複製し、又はその複製物の譲渡により公衆に提供する場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる、とされているからです。


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