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著名商標に類似する商標が使われていたら -2007年03月30日
著名商標「ARMANI(アルマーニ)」についての記事がありました。
著名商標と紛らわしい表示をしていいのか?という内容です。
類似かどうか、不正目的かどうか、といった調査や判断が必要となりますので、ここではそこまで踏み込んだ結論めいた記述はいたしません。
このような問題が起きた時に、法律的にはどのようなことが考えられるかについて、書いてみたいと思います。
(1)商標権に基づく権利行使
商標登録がされていれば、その商標と同一の商標、類似の商標について、使用の差止や損害賠償請求などの権利行使ができます。
ただし、登録されている商標の指定商品・指定役務と同一・類似の範囲で使用している相手に対してに限られます。
たとえば、服(第25類:被服)について登録商標を保有していても、紛らわしい名称の時計について、権利行使をすることができません。
時計と同一・類似の商品に付いて商標権を保有していれば、商標権に基づく権利行使が可能です。
ただし、商標が同一か、類似のものである場合に限られます。
商標登録第2653840号
登録日:平成6年(1994)4月28日
商標「ARMANI」
権利者:ジェ、ア、モドゥフィヌ、ソシエテ、アノニム
第9類:眼鏡、第14類:時計
商標登録第4076267号
登録日:平成9年(1997)10月31日
商標「ARMANI」
権利者:ジェ、ア、モドゥフィヌ、ソシエテ、アノニム
第14類:貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器,貴金属製の花瓶および水盤,貴金属製針箱,貴金属製宝石箱,貴金属製のろうそく消しおよびろうそく立て,貴金属のがま口および財布,貴金属製靴飾り,貴金属製コンパクト,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉およびその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ,記念たて
国際登録番号833734
国際登録日又は事後指定日:平成16年(2004)7月19日
国内登録日:平成17年(2005)10月21日
商標「ARMANI」
名義人:GA MODEFINE S.A.
第14類:貴金属及びその合金並びにそれらからなる製品又はそれらでメッキした製品(本類に属するもの。),宝飾品,宝玉、宝玉の原石,計時用具
他、多数の区分
(2)不正競争防止法に基づく権利行使
下記の不正競争行為に該当すれば、商標権と同様に、使用の差止や損害賠償を請求できます。
ただし、立証には困難さが伴います。
また、不正の目的でない場合には適用されません。
不正競争防止法第2条第1項第1号
「他人の商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表示するものをいう。以下同じ。)として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供して、他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為」
不正競争防止法第2条第1項第2号
「自己の商品等表示として他人の著名な商品等表示と同一若しくは類似のものを使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供する行為」
(3)その他の措置
紛らわしい表示をした者が商標登録をしており、その商標について不正使用をしていた結果、誤認・混同を引き起こしたときには、その商標登録の取消を請求する手続があります。
商標権者(あるいは使用権者)が登録商標の使用をした結果、禁止権の範囲内で、故意により、品質の誤認や出所の混同を生じるようなこととなっている場合には、何人も、登録商標の取消を請求することができます(商標法第51条、第53条)。