カテゴリー
事務所通信 | NEWS LETTER | 当サイトのお知らせ | 弁理士業務雑感
商標登録 | 商標豆知識 | 商標あれこれ | 検索してみる
デザイン | ブランドロゴ | マスコットキャラクター | ゆるキャラ
商標登録事務所通信 ≡ 記事一覧
商標の広告宣伝機能とWebブランディング -2007年04月01日
商標の機能として、自他商品等識別機能、出所表示機能、品質等保証機能と並んで、広告宣伝機能があるといわれます。弁理士試験でも必ず勉強する項目です。
広告宣伝機能は、広い意味では商標の機能ともいえますが、広告を含むマーケティング活動において商標が使用される結果、発揮させる機能です。
一定の品質や、消費者に対するブランド認知、好感度の向上を得られるよう、適切な商標管理を行うことが必要です。
そして、放送での広告、雑誌やポスターなどの印刷媒体での広告等、商標の使用や、広告・ブランディングのための広い意味でのマーケティング活動においては、ブランドイメージを重視した展開を行うことが多いものです。
しかし、Webブランディングにおいては、ブランドイメージを保つための注意が足りないどころか、マイナス効果を追求しているかのようなケースを数多く見かけます。
無意味・無関係なジャンルのサイトから大量の相互リンクを得ているようなウェブサイト等、短絡的な手法によって、一時的には効果を得られることもあると思います。
しかし、そうした検索エンジンの裏をかくような手法は、日々進化を遂げる検索エンジンによっていずれ無視され、あるいは消されてしまうおそれすらあります。
それ以上に、ブランドイメージを傷つけるようなウェブサイトとの間でリンクを張りあうようなことは、マイナスの広告宣伝となってしまいます。
そもそも、利用者にとって有益な情報を提供するウェブサイトが、検索エンジンで上位に表示されることは、検索エンジンを提供する事業者のビジネスであって、そのために日々改良していく使命を負っているわけです。
有益な情報やオリジナルな情報が少ないのに、小手先の検索エンジン快適化を行ったり、関連もないウェブサイトやイメージの悪いウェブサイトと相互リンクをするなどして、一時的な上位表示対策などをしても、このような手法は好ましくない検索結果をもたらすものとして、排除するように、日々、検索エンジンが改良を目指していることは当然なのだと気づかなければなりません。
ブランディングとは何か。考えたうえで、有益な情報、専門的な情報、よそにはない情報を提供し、ブランドイメージを確立して、ウェブサイトは長く長く育てていくものだと思います。
しかし間違った検索エンジン最適化、いわゆるSEO(Search Engine Optimization)に無駄な努力や費用を掛ける事例が多く、そうした手法をとっていると、一時的な効果は長くは続かず、続かなくなったことに気づいたときには、そのウェブサイトのブランドイメージを取り戻すことは困難になってしまうことになりかねません。
つまり、品質等保証機能もそうですが、広告宣伝機能とは、商標そのものに本来的に備わっているものではなく、適正な使用と努力によって、初めて発揮される機能です。
Webブランディング、Webマーケティングの誤った手法によっては、マイナスの効果を発揮することもある機能であるともいえるのです。