ページトップへ

商標登録ドットコム > 商標登録事務所通信 > 商標あれこれ > 「アカデミー賞®」はおかしいか? そしてその後

商標あれこれ:「アカデミー賞®」はおかしいか?…-商標登録ドットコム™

カテゴリー

事務所通信 | NEWS LETTER | 当サイトのお知らせ | 弁理士業務雑感
商標登録 | 商標豆知識 | 商標あれこれ | 検索してみる
デザイン | ブランドロゴ | マスコットキャラクター | ゆるキャラ

商標登録事務所通信 ≡ 記事一覧

「アカデミー賞®」はおかしいか? そしてその後 -2007年04月15日

「アカデミー賞(R)って…そこまでやるか、商標権!」(イザ!)との記事がありました。

広告やPR記事の文章中などでの表記について、
「『アカデミー賞』という言葉が登録商標であると強調したいのでしょうが…
はっきり言って、強い違和感を覚えました。
アカデミー賞は、誰もが知っている権威ある賞であり、
商標登録だと強調する必要性は感じられません。」
といった感想を述べている内容です。

しかし弁理士である筆者には、上記記事内容のほうが強い違和感がありました。
有名な商標を商標権で保護するのは当然のことだからです。

著名商標の保護方法

ところで、「Walkman」といえば、SONYの商標であることは周知の事実です。
ところが、オーストラリアでは、これは普通に使われる一般名称であるという判決が出されてしまったことが以前にありました。
辞書で特定の出所を示す商標ではなく、一般名称、普通名称であるかのように記載されてしまったり、一般的に使用される状態を放置しておくと、登録商標であっても誰もが使用できるようになってしまうおそれがあります。
実際にそのような例はいくつもあります。

さらに、「スナックシャネル事件」という不正競争の裁判がかつてありました。
著名商標を、まったく関係のない他人が異なる業種で使用した結果、誤認・混同が生じ、イメージを損ねるということで使用差止をしたものです。

googleで「"界のアカデミー賞"」で検索をしてみれば、19600件が検索されました(2007年4月15日検索)。
「ゲーム界のアカデミー賞」、「スポーツ界のアカデミー賞」から、「AV界のアカデミー賞」まで、ありとあらゆる使用例が発見できます。

さらにはWikipediaにおいては、
「『Academy Awards(アカデミー賞)』は商標登録されており、無許可で使用することは出来ない。」
と、登録商標であることは明記(2007年4月閲覧)されているものの、
「例えば料理や建築、文学や美術などさまざまな映画以外の賞においても、『○○界のアカデミー賞』という具合に、その権威の高さを表す冠詞として扱われることが多い。」
とも記載され、一般的な使用が相当程度行われていることがうかがえます。

登録商標の保護には®マーク表記は重要

たしかにしつこすぎる表記方法には違和感を感じる場合もあると思いますが、権利者としては危機的状況でもあるのです。
「日本の『日本アカデミー賞』やイギリスの『英国アカデミー賞』などは、ロイヤリティを支払ってその名の使用許可を得ている。」(Wikipedia)との状況で、商標権者から使用許諾を得て使用させてもらっている日本の主催者が、一般的に使用されることを放置できるはずがありません。
使用権者の不注意により、普通名称化を放置してしまっては、ロイヤリティの支払いどころではなくなってしまうかもしれません。

(以下は2026年1月5日追記)

その後の商標「アカデミー賞」

その後、2025年1月5日に確認をしてみると、Wikipediaには以下の記載がありました。
「日本において「アカデミー賞」は商標登録が行われているが、登録したのは映画芸術科学アカデミーではない。日本アカデミー賞は映画芸術科学アカデミーから正式な承諾を得ており、「日本カアデミー賞」という表記は商標登録もされている。また、音楽之友社は「レコード・アカデミー大賞」という名称でレコードの賞を設けている。」

しかし、J-Plat Pat特許庁の登録を調べてみると・・・。
「アカデミー賞」登録商標はありません。

念のため、日本アカデミー賞協会で調べてみても、登録商標の所有はありません。

代わりに、下記の商標がありました。

<br>
日本お笑いアカデミー賞
登録第5471327号
登録日:平成24(2012)年 2月 17日
権利者:(個人)
【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】
第41類 映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)


社長のアカデミー賞
登録第6822692号
登録日:令和6(2024)年 7月 10日
権利者:株式会社オラクル
【商品及び役務の区分並びに指定商品又は指定役務】
第41類 表彰式の企画・運営又は開催,当せん金付証票の発売,録音又は録画済み記録媒体の複製,技芸・スポーツ又は知識の教授,献体に関する情報の提供,献体の手配,セミナーの企画・運営又は開催,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,インターネットを利用して行う映像の提供,映画の上映・制作又は配給,インターネットを利用して行う音楽の提供,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって放送番組の制作のために使用されるものの操作,スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,興行場の座席の手配,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,運動用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,書画の貸与,写真の撮影,通訳,翻訳,カメラの貸与,光学機械器具(望遠鏡を除く。)の貸与


上記2つの商標はいずれも、審査の途中で拒絶理由通知も受けていません。
「アカデミー賞」がまさか普通名称、慣用商標になってしまったとも思えませんが。
追記している2026年になって、この記事の冒頭に書いた、執筆当初の2007年に感じた違和感が、その間の事情は不明ではあるものの半ば現実になってしまっているように思えてなりません。


関連ページ:

商標あれこれ

事務所通信 | NEWS LETTER | 当サイトのお知らせ | 弁理士業務雑感
商標登録 | 商標豆知識 | 商標あれこれ | 検索してみる
デザイン | ブランドロゴ | マスコットキャラクター | ゆるキャラ

商標登録事務所通信 ≡ 記事一覧

商標登録ドットコム™ 運営者情報

金原商標登録事務所 | 事務所概要

〒152-0034 東京都目黒区緑が丘一丁目16番7号 TEL 03-6421-2936 FAX 03-6421-2937
東急東横線・都立大学駅(東京都目黒区) | 平日 9時~ | 土・日・祝 原則休み

業務内容 | 商標・意匠の調査・出願・中間手続。審判など争訟手続。知財関連業務全般。


制作・著作: 金原 正道 | facebook | x.com | mail

サイトご利用規約 | 個人情報・秘密情報 | 著作権・リンク

© 商標登録ドットコム All Rights Reserved