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Q&Aサイトは誤りだらけ-弁理士の無料相談を活用しましょう -2008年02月06日
Q&Aサイトの回答が誤りだらけです。
Q&Aサイトとは、不特定多数のユーザーから質問を受け付け、それに対する回答を他のユーザーから受け付けるというウェブサイトです。
何らかの対応や検討をしなければならない質問に関しては、無料相談等もありますので、かならず弁理士または弁護士に相談をするべきです。
特に、商標登録などの専門的知識、法律的知識に関する質問は、専門家であってもさまざまな条文の適用可能性等を検討するために、より詳しい情報を聞かなければ答えられなかったり、時間をかけて調べたりする必要があることも多いものです。
しかしながら、誤った回答がされてしまい、それに質問者が満足してしまうと、回答が締め切られてしまい、間違ったQ&Aがウェブサイト上に残ってしまうということになっています。これが閲覧されれば、誤った知識がさらに広まってしまい、まずます悪循環になっています。
Q&Aサイトで回答をすると、ポイントがもらえる等の特典があることが多く、そのため”専門家でない人”によるでたらめな回答が蔓延しています。
商標法に関する法律的な回答の誤りには、深刻度に応じた誤りのレベルがあり、
(1)誤回答の通りに対応すると、損害賠償請求等の致命的なダメージを質問者が回答するおそれがあるもの
(2)回答の中には正しい部分もあるが、間違った部分もある(あるいは原則に対する例外があることを書いていない等、不十分なものである)ため、誤回答通りに対応するのでは対応が不十分、あるいは最善の対応ではないため、不利益をこうむるおそれがあるもの
(3)用語や法律知識が不正確であるが、おおむね問題がないもの
等があります。
そして、その割合は、商標登録に関するQ&Aでいえば、(1)が20%程度、(2)が30%程度、(3)が30%程度あります。
特定企業の商標の由来、ブランドに関する知識など、法律的ではないQ&Aには誤りが少ないことが多く、法律的内容ではほとんどが(1)~(3)のいずれかの誤回答であるとすらいえます。
問題は、上記のような誤りによって、ユーザーが不利益をこうむる可能性が高いにもかかわらず、回答が締め切られてしまうと、誤りを指摘できないことです。
質問者に知識がないと、一見正しそうに見える誤回答に対し、「満足」などとしてしまい、回答者に対し特典を与えてしまい、悪循環が広まるという憂慮すべき事態になっているのです。
ポイントなどの特典目当てで知識のない人が回答し、知識のない質問者が満足すれば回答を締め切ってしまうシステムでは、”集合知”など生まれるはずがありません。回答の通りに行動すれば致命的なダメージを受けるおそれもあるこのようなシステムは、直ちに改善されるべきものです。